「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。
子どもたちとコロナを学ぶ① 不安なこと マスク効果は?
「マスクをなぜするの?」「感染しないか心配…」―。新型コロナへの不安が広がるなか、新型コロナを正しく恐れようと、学校で科学的に学ぶ授業が広がっています。(2回連載)(染矢ゆう子)
大阪・公立 小学校2年生
大阪府内の公立小学校の教員、大島颯太さん(仮名)は2年生を担任しています。入学式の後、2カ月間の分散登校から学校生活が始まった学年です。
正しく恐れて向き合いたい
子ども同士でくっつくことも、給食のときにおしゃべりすることも「ダメ」と言われ、今年の春の遠足も運動会も中止になりました。「『コロナやから』と我慢していること、不安に思っていることがあるのではないか。
子どもたちの声を聞きたい。正しく恐れて、向き合ってほしい」と4月初旬に授業をしました。
1・2時間目は新型コロナについて知っていること、思っていること、疑問、知りたいことを聞きました。
目に見えない/マスクを外すと感染する/においや味がわからなくなる/うつったら体の中で増えて、せきをしたらほかの人にうつしてしまう…。赤ちゃんが生まれたばかりの家の子は「赤ちゃんはマスクができないのでうつりやすい」と書きました。「マスクを早く外したい」「旅行にもおばあちゃんの家にも行けなくていやだった」「給食のとき、向き合って食べられない」など我慢をしていることを共有することもできました。
3時間目は、「新型コロナ博士になろう」と大島さんがパワーポイントで資料をつくり、子どもたちの疑問に答えました。
疑問が多かったのはマスクの効果でした。「ウイルスはマスクの穴より小さい」という事実に驚きが広がり、「口から出たウイルスは、つばなどの水に包まれていて、マスクの穴にひっかかる」と大島さんが話したことで、安心した表情に。
「マスクをしっかりしなあかんってわかった」「体の中にウイルスとたたかう免疫がいるのが初めてわかった」と子どもたちが感想を寄せました。
同校では8月26日から2学期が始まりました。デルタ株が広がり、子どもの感染も増えていました。翌27日に「新型コロナについて、今、自分が思っていることは何ですか?」と紙を配り、不安や心配なことを聞きました。
大島さんが授業で使ったスライド
差別ダメつて知ってるけど
「家族にかかるかどうか心配」「(コロナが)進化しているか心配」など、変異株を身近なこととして心配していることがわかりました。クラスには、夏休みに家族全員が感染して母親が入院し、父親と一緒に2週間ホテルで宿泊療養をしたAさんもいました。Aさんは「コロナしね コロナいなくなれ コロナぶっつぶされろ コロナこわい コロナもといたばしょへかえれ もうにどとくるな」と紙いっぱいに書きなぐっていました。
9月には、感染症が引き起こす差別について考えました。日本学校保健会が作成したビデオを見て、何ができるか話し合いました。
クラスの半分は差別の意味がわかりませんでしたが大島さんが「仲間外れやいじめのことだよ」と説明を加えました。「コロナになりたくてなったわけじゃないのに、悪い言葉をいうのはだめやと思う」「たしかにコロナになるのはいややけど、その人の気持ちを考えないといけない」などの意見が出ました。
Aさんも手を挙げて、「差別なんかしても何も生まれない。生まれるのはその人がいやだという気持ちだけ」と発言しました。
その後、同校の児童が感染したと報告があり、翌日から2日間休校に。保護者からは「どこのクラスなのか」という問い合わせの電話が相次ぎ、学校が再開すると子ども同士でも、「誰?」とうわさが広がりました。
休校明けには、校長が全校放送で差別をなくそうと話しました。大島さんはいいます。「差別はいけないと頭でわかっていても、不安があるから出てきます。不安を取り除くためにも、子どもたちの気持ちを聞き、感じている重荷を軽くする授業が必要です」
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月25日付掲載
疑問が多かったのはマスクの効果。「ウイルスはマスクの穴より小さい」という事実に驚きが広がり、「口から出たウイルスは、つばなどの水に包まれていて、マスクの穴にひっかかる」と大島さんが話したことで、安心した表情に。
「コロナになりたくてなったわけじゃないのに、悪い言葉をいうのはだめやと思う」「たしかにコロナになるのはいややけど、その人の気持ちを考えないといけない」などの意見。
新型コロナのことを学び合って、正しく恐れる、「差別をしない」思いを共有。
高齢者 免許返納どうしよう? 本人の思い尊重 納得できるように
「買い物や通院に車が手放せない」―。高齢者の運転免許返納問題は、生活の足と安全に関わる切実な課題です。NPO法人高齢者安全運転支援研究会の岩越和紀理事長に話を聞きました。日恵野香記者
NPO法人高齢者安全運転支援研究会理事長 岩越和紀さん
―高齢者の事故に関わるニュースを聞くと、「自分の家族は、まだ運転しても大丈夫?」と不安です。
本人の意思を尊重し家族でよく話し合いましょう。責められて無理やり運転を諦めると家族関係に軋礫(あつれき)が生じることもあります。
いま運転免許返納が取りざたされる世代にとって、車の運転・所有は誇りであり人生そのものです。生活の足として欠かせない場合も多いです。
認知症リスクも
免許を取り上げられてふさぎこみ、認知症を発症する、認知症の進行が早まったという研究もあります。免許を返納したらどうケアをするか、家族も覚悟が必要です。
―危険運転が起こりやすくなる理由は。
加齢で視力が落ちて視野も狭くなると、多方向からの危険を感じる能力が衰えます。例えば、自転車が車の横を通過しようとしている時、1台目にしか注意がいかず、2台目を見落としがちになる…などです。目の問題も生じます。普通の光をまぶしく感じ、周りが見えにくくなることもあります。反射神経や認知機能が低下すると、右左折のタイミングなど、とっさの判断が遅れます。
長年運転してきた自負から「自分は上手だ」という過信が生まれやすいのも一因です。
変わる75歳以上の更新手続き 実技検査が必要になる場合も
半年に一度検討
―運転を続けていいか、どう判断すれば。
来年6月をめどに、75歳以上の免許更新の手続きが変わります。
過去3年間に速度超過や信号無視など11項目のうち一つでも違反があると、運転技能の実技検査に合格しないと免許が更新できなくなります。これからの運転生活を考え直すきっかけにもなると思います。75歳を目安に、本人と家族で身体能力や認知機能をチェックしましょう。私たちのNPOでは30のチェック項目を作成しています。
(表)
運転時認知障害早期発見チェックリスト
□アクセルとブレーキを間違えることがある
□曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
□反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
□急発進や急プレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)
□交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった
(NPO法人高齢者安金運転支援研究会作成のチェックリストから一部抜粋。詳細は同研究会ウェブサイト https://sdsd.jp/)
ドライブレコーダーなども活用し、半年に一度など定期的に運転の様子を客観的にチェックします。危険な運転行動が増えてきたら今後について検討を。
近所のスーパーや病院など乗る範囲を限定する、日差しがまぶしく感じる時間帯や、交通量が多い時間帯の運転は控える、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などがついた安全運転サポート車に切り替える―など、方法を話し合いましょう。認知症外来など専門の医師に相談するのもよいですね。
家族や周囲の人の「あなたが大切だからこそ心配している」という気持ちが伝われば、運転する条件の変更や免許返納について、本人も納得しやすいと思います。
徳島 住民主体でバス運営
交通が不便な地域では車がない人の生活の足の確保が必要です。
徳島市で住民主体で運営する「応神ふれあいバス」。右から3人目が近藤佳子さん
徳島市の応神地域では、住民主体でコミュニティーバス「応神ふれあいバス」を運営しています。2011年に運行を始め、今年で10周年を迎えます。バスは10人乗りで、週3回、3コースを曜日ごとに1日4往復運行。病院や銀行、スーパーなどをまわります。
同地域は公共交通網が薄く、高齢者が買い物に行くのに1時間かかり「バスがほしい」という声があがっていました。
地域の住民と日本共産党の支部、市バス労働者・徳島自治労連が協力し、学習会の開催、試乗会や住民アンケート、署名活動に取り組みました。党市議(当時)も議会で取り上げました。
利用が伸び悩んだ時期には住民アンケートをもとにルートやバス停の設置場所を見直しました。
乗り合わせた人同士の交流の場や、高齢者の外出支援にもなっています。利用が減った人を「大丈夫?」と訪ねるなど、地域の見守り機能も果たします。
運行協議会の代表世話人の近藤佳子さん(72)は「住民の声を議会に届け、力を合わせてきました。生活の足を守るため後継者づくりもしていきたい」と話しています。
「しんぶん赤旗」日曜版 2021年9月26日付掲載
運転継続判定アプリ「運転脳チェック11」は、指定時間(12秒)内に11問に対して、4択で回答をクリックするので、かなり焦ります。
一度やってみてはいかがでしょうか。
ドライブが大好きな僕ですが、加齢とともに運転能力が落ちることを自覚して、安全運転を心がけるようにしたいものです。
北米への人類進出1万年早かった?
北米に現生人類(ホモ・サピエンス)が進出した時期が遅くとも2万3000年前だったことを示す証拠が見つかったと、英ポーンマス大学などの国際研究グループが米科学誌『サイエンス』(23日付)に発表しました。年代が正しければ、従来説よりも1万年さかのぼることになります。
証拠は足跡で、米国南西部ニューメキシコ州のトゥラロサ盆地にあるホワイトサンズ国立公園で見つかりました。この場所には、かつて大きな湖がありましたが、1万2000年前ごろ、地球の気候が大きく変わる中で砂漠化しました。
研究グループは、砂に覆われたかつての湖周辺の土壌に現生人類の化石化した足跡が残っているのを見つけました。同じ地層から見つかった植物の種に含まれている放射性炭素を使って年代測定を行った結果、足跡は2万3000年前ごろのものとわかりました。
足跡の形と推定歩行速度から、足跡を残したのは10代の若者か、もっと幼い子どもだったとみられるといいます。
米ニューメキシコ州のホワイトサンズ国立公園で見つかった2万3000年前とされる現生人類の足跡(英ボーマンス大学の発表資料から)
現生人類は、寒冷化に伴って陸化していたベーリング海峡を渡ってユーラシア大陸から北米大陸に渡ったと考えられていますが、従来その時期は1万3000年前ごろだったとされています。しかし、最近、メキシコの洞窟で3万年以上前の現生人類の遺跡が見つかるなど、見直しを迫る発見が相次いでいます。
今回の発見は、それを後押しするものとなる可能性があります。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月25日付掲載
現生人類が寒冷期に陸化したベーリング海峡を渡って北米に進出したのが1万年も早かった。
われわれホモ・サピエンスは、新しい境地に行く好奇心や開拓者精神が旺盛なのでしょうかね。
「目指せ!投票率75%」 若者らの総選挙争点を発表 「働く環境」「コロナ」「子育て」「消費税」
実行委が調査
若者や現役世代の投票率を高めようと「目指せ!投票率75%プロジェクト」実行委員会は24日、約4万5000人のアンケート結果をもとにした総選挙争点を発表しました。
今後、各政党や候補者に質問を送る予定です。
同プロジェクトは、子どもの貧困などに取り組む団体や大学生などで構成。アンケートは8月下旬の1週間、インターネットで募りました。回答者の約75%が20代~30代。
投票で「重視したい政策分野」(複数回答可)では、「現役世代の働く環境を改善」(76・3%)、「コロナ対策」(69・8%)、「子育て環境の改善」(61・5%)、「消費税を含む税制改正」(61%)、「貧困問題・格差是正」(59・5%)、「教育や若年層の学びや将来を改善」(57・9%)、「非正規や派遣労働の労働環境を改善」(57・8%)、「ジェンダー平等」(55・3%)などと続きました。回答をもとに、労働環境改善や差別解消など13項目を争点としました。
記者会見で語る「投票率75%プロジェクト」のメンバー=9月24日、厚生労働省内
プロジェクトの呼びかけ人でNPO法人「キッズドア」の渡辺由美子理事長は同日の会見で、若者の間にも生活苦や生きづらさが広がっていると指摘。これまで投票に行かなかった年代が投票に行くことが選挙結果や国の政策に大きな影響を与えると訴えました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月25日付掲載
投票率がアップすれば、政権交代できると言われます。
投票で「重視したい政策分野」(複数回答可)では、「現役世代の働く環境を改善」(76・3%)、「コロナ対策」(69・8%)、「子育て環境の改善」(61・5%)、「消費税を含む税制改正」(61%)、「貧困問題・格差是正」(59・5%)、「教育や若年層の学びや将来を改善」(57・9%)、「非正規や派遣労働の労働環境を改善」(57・8%)、「ジェンダー平等」(55・3%)などと。
全部、自公と維新ではできない事ばかり。
だったら、投票に行って野党に投票。自公政権におさらばを。野党連立政権を。
人種差別とのたたかいは国の責任 植民地支配の歴史を問う ダーバン宣言20年 国連が会合
【ワシントン=島田峰隆】米ニューヨークで開催中の国連総会で22日、植民地支配は過去にさかのぼって非難されなければならないとした「ダーバン宣言と行動計画」の採択から20周年を記念するハイレベル会合が開かれました。会合は人種差別や外国人嫌悪とたたかう主要な責任は国にあると指摘し、法整備などを行うよう促す政治宣言を採択しました。
【ダーバン宣言と行動計画】
2001年9月、南アフリカのダーバンで開かれた「人種主義に反対する世界会議」(ダーバン会議)で採択。「大西洋奴隷取引などの奴隷制度と奴隷取引」を「人道に対する罪」と糾弾し、「植民地支配が起きたところはどこであれ、いつであれ、非難され、その再発は防止されなければならない」としました。
9月22日、米ニューヨークの国連本部で開かれた「ダーバン宣言」採択20周年を記念するハイレベル会合(ロイター)
政治宣言は過去20年間に世界各地で人種差別撤廃の前進があったと歓迎。一方で、アフリカ系やアジア系の住民などへの差別やヘイトスピーチ、暴力、宗教に基づく偏見などが依然として残っていると懸念を表明しました。
そのうえで「人種差別、外国人嫌悪、不寛容の行為と効果的にたたかう一義的な責任は国にある。そうした行為はいつでも非難し、再発を防止しなければならない」とし、「法制上の措置を含めて適切な予防策をとることを各国に求める」としました。
議会、市民社会、民間部門を含めたすべての国、国連、国際・地域組織に対して、ダーバン宣言と行動計画に沿って人種差別撤廃の努力をさらに強めるよう求めました。
政治宣言は、アフリカ系の人々が差別の結果として受けた被害について、司法を通じて「公正で適切な補償を求める権利」を保障できるよう目指すとしています。
謝罪・記憶・教育が必要 補償めぐり声
【ワシントン=島田峰隆】国連本部で22日に開かれたダーバン宣言と行動計画の採択20周年を記念するハイレベル会合では、植民地支配や根強く残る人種差別の補償の在り方について、謝罪だけでなく、記憶を伝え、次世代を教育するなど包括的な対応を求める声が上がりました。
グテレス国連事務総長は、宣言採択から20年たったものの、アフリカ系住民や先住民への差別や暴力など「構造的な人種差別と不正が人々の基本的人権を否定している」と指摘しました。
グテレス氏は根源に「数世紀にわたる奴隷制度と植民地の搾取」があり、「過去の犯罪が現在に及ぼす影響を認識せねばならない」と強調。「補償という正義の枠組みを通じて、数世代にわたる排除と差別を逆転させねばならない」とし、国連加盟国に対し、データの収集や法整備など具体的行動を求めました。
バチェレ国連人権最高弁務官は、植民地支配の補償には「損害賠償、再建、納得、二度と繰り返さないという保証」を目的とした広範囲な措置が必要だと指摘。「それには公式に認めて謝罪し、記憶に残し、制度や教育を改革することも含まれる」「効果的な補償にはこれらすべてが必要だ」と強調しました。
また補償は象徴的なものにとどまってはならず、財政的資金なども必要だと指摘。「(宗主国が)奴隷制度や搾取によって経済を豊かにしてきたことと合わせて考えられるべきだ」と述べました。
南アフリカのラマポーザ大統領は、奴隷貿易被害者の子孫は今も差別、貧困、低開発などのわなにはめられたままだと指摘。「国連は補償問題を議題に据えるべきだ」とし、財政支援やアフリカ系住民を国際機関の指導部に増やすことなどを呼び掛けました。
バイデン米政権はダーバン宣言について「反イスラエル的だ」とする歴代政権の立場を踏襲して、22日の会合に出席しませんでした。イスラエルも出席しませんでした。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月24日付掲載
グテレス国連事務総長は、宣言採択から20年たったものの、アフリカ系住民や先住民への差別や暴力など「構造的な人種差別と不正が人々の基本的人権を否定している」と指摘。
グテレス氏は根源に「数世紀にわたる奴隷制度と植民地の搾取」があり、「過去の犯罪が現在に及ぼす影響を認識せねばならない」と強調。「補償という正義の枠組みを通じて、数世代にわたる排除と差別を逆転させねばならない」とし、国連加盟国に対し、データの収集や法整備など具体的行動を求める。
謝罪・記憶・教育が必要。
それは、日本の朝鮮への植民地的支配や中国侵略についても同様な事が言えますね。