きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2019年度予算案の焦点① 税・財政 格差広げる消費税増税

2019-01-31 15:05:11 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2019年度予算案の焦点① 税・財政 格差広げる消費税増税
2019年度予算政府案の特徴を主な分野でみていきます。
安倍晋三内閣は2018年12月21日に19年度予算案を閣議決定しましたが、1月18日に修正を閣議決定しました。厚生労働省が毎月勤労統計調査で不正・偽装をしていたためです。雇用・労災保険の追加給付に必要な費用約6億円を盛り込みました。一度閣議決定した予算案を、政府の不正で修正するのは前代未聞のことです。
国の基本的な予算規模を示す一般会計の総額は101兆4571億円と、18年度当初予算を3兆7444億円上回りました。一般会計総額が当初予算で100兆円を超えるのは初めてです。



消費税増税中止署名への協力を訴える人たち=1月5日、東京都江東区



増税分超す「景気対策」
安倍政権が10月に強行を狙う10%への消費税増税対策など多額の「景気対策」を盛り込みました。参議院選挙を念頭に置いたものです。
最大の目玉としているのがキャッシュレス(非現金)決済した際のポイント還元です。増税から9カ月間に限り、電子マネーやクレジットカードなどでキャッシュレス決済をした中小小売店の買い物客に購入額の5%に相当するポイントを国の負担で還元します。
ただしコンビニなどフランチャイズ店は還元率を2%としました。予算として2798億円を盛り込んでいます。低所得者へのプレミアム商品券発行や住宅購入時の給付金も盛り込まれました。
19年度「税制改正」に盛り込まれた住宅ローンの拡充や自動車税の減税などを含めると、「景気対策」の規模は19年度に消費税増税によって得られる増収分を超えます。
さらに、菅義偉官房長官は消費税増税の実施を判断する時期として予算成立直後がめどになると表明しており、予算案の前提が崩れることになりかねません。低所得者ほど負担が重くなり、格差を拡大する消費税増税はそもそもやめるべきです。

軍事費最大暮らし圧迫
9条改憲に執念を燃やす安倍政権のもとで、軍事費は増額が鮮明です。軍事費は過去最大の5兆2574億円となりました。
第2次安倍政権発足以来、7年連続の増額で、5年連続で過去最高を更新しています。高額の米国製兵器を大量に購入します。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入に関連経費を含め1757億円を計上。最新鋭ステルス戦闘機F35A6機(681億円)、無人偵察機グローバルホーク(71億円)の取得も盛り込みました。有償軍事援助(FMS)による米国からの兵器調達は18年度から1・7倍となる7013億円と過去最高に膨れ上がりました。
一方で、暮らし関連の予算は削減・抑制されています。社会保障は、概算要求時に6000億円と見込んでいた自然増を1200億円圧縮しました。75歳以上の後期高齢者に適用されてきた保険料軽減の特例措置を廃止します。生活保護のうち、食費や光熱費にあてる生活扶助費を昨年に引き続き削減します。また、薬価も引き下げます。
歳入では、消費税増税などにより税収が過去最高となる62兆4950億円と見積もりました。
予算案と同時に閣議決定された「税制改正」大綱には、消費税増税対策のほか、主に大企業向けに適用されている研究開発減税は大企業同士の共同研究にも適用されるなど拡充されました。(つづく)(9回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年1月29日付掲載


消費税増税をしながら、期間限定とはいえそれを上回る景気対策。社会保障のためと言いながら、消費税増税とセットで後期高齢者への負担を増やし、生活保護の生活扶助をカットする。
こんな消費税増税はストップしかありません。

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資本主義の病巣 日本をカットした日産⑦ 「技術の日産」掘り崩す

2019-01-30 11:34:31 | 経済・産業・中小企業対策など
資本主義の病巣 日本をカットした日産⑦ 「技術の日産」掘り崩す
「日産は日本的要素と文化を持つ会社だが、正確には日本企業と言い切ることはできない」
「カリスマ経営者」と持ち上げられていた2001年に、カルロス・ゴーン被告は自伝「ルネッサンス」を出版しました。その中で、日産自動車と日本の関係に触れた冒頭の一文に続き、次のように断定しました。
「世界的にその名を知られ、各国の自動車市場に進出している日産に、どこの国の企業かと問うたところで何の意味もない」

産業空洞化予言
日本の労働者や日本経済への影響を無視して“日本切り”を強行した経営者らしい発想です。ゴーン被告の片腕と呼ばれた志賀俊之最高執行責任者(COO=当時)も言い放ちました。
「日本国内で投資を続けることへの経済合理的な説明がつかない」「たとえば6年後には、国内生産が、がさっと減っているおそれがある」(「週刊東洋経済」11年9月24日)当時、志賀氏は日本自動車工業会の会長でした。日本の自動車産業全体を考える要職にありながら、その産業の空洞化を予言したのです。実際、日産は11年度から6年間で国内生産台数を21万台も減らしました。
志賀氏が“国内投資に経済合理性がない”と言い募る口実にしたのは「超円高」でした。しかし、日産が相も変わらず国内生産を減らしていた13年以降、為替椙場は円安に振れていました。
志賀氏がマーチの逆輸入を決断した07年も1ドル=110円台で推移。歴史的円高とはいえない水準でした。「超円高のためにやむを得ずなされた決断ではない」と名古屋経済大学の坂本雅子名誉教授は指摘します。
他方、中国には日産などの外国資本が殺到。自動車生産能力は国内需要を上回って過剰となり、輸出圧力が強まっています。自動車の日本国内生産は風前のともしびだ、と坂本さんは心配します。
「中国からの逆輸入が本格化すれば、そのときこそ、とてつもない産業空洞化が日本を襲うでしょう。企業が生産を海外に移転するのはやむを得ないという思い込みを改めて、新たなレベルでグローバル企業の規制を考えるべき時期です」



検査不正を発表した会見で頭を下げる日産自動車の役員=2018年9月26日、横浜市

技術員が消えた
“日本切り”は「技術の日産」の存立基盤をも掘り崩しています。日産の検査不正を調査した西村あさひ法律事務所の報告書(18年9月)に衝撃的な事態が記されています。
「抜取検査の専門的知見を有する技術員が車両製造工場からいなくなった」
03年以降、日産は技術者などの総人員を増やさずに海外工場を新設する方針をとりました。技術者が海外に移っても国内では補充しませんでした。
さらに07年以降、自動車1台の生産・販売にかかる総コスト(TdC)を判断基準の中心に据えて生産工場を決めました。マーチの生産を追浜工場(神奈川県横須賀市)からタイに移した際にもこの基準を使いました。国内工場はTdC削減競争に駆り立てられ、人員を適切に配置できなくなりました。
報告書はこう結論付けています。
「経営の力点が、効率性の重視、コストの削減に置かれるようになった」「本来であれば切り捨ててはいけないものまで切り捨てる状況に至った」
元全日本金属情報機器労働組合(JMIU)日産自動車支部委員長の坂ノ下征稔さんは話します。
「ものづくりの技術が揺らぎ、信頼が揺らいでいます。日産が進んできた海外生産拡大の道は良い道ではありませんでした。日産が再建する上でも、労働者が誇りを持って働ける職場にすることが何よりも重要です」
(おわり)(斎藤和紀、杉本恒如が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年1月26日付掲載


日産の不正検査のまんえん。その背景に専門的知見を有する技術者が減っていること。
本来切り捨ててはいけない人材も削減した結果だ。
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資本主義の病巣 日本をカットした日産⑥ 「空洞化の号砲」鳴らす

2019-01-28 07:48:38 | 経済・産業・中小企業対策など
資本主義の病巣 日本をカットした日産⑥ 「空洞化の号砲」鳴らす
「マーチショック」
2010年、日産の小型車マーチの生産が国内から消えました。タイに拠点を移したためです。
「おしゃれなコンパクトカー」として人気を博した日産の主力小型車が海外からの逆輸入に切り替わるという大事件でした。
業界に衝撃が走りました。「日本の完成車メーカーはほぼ例外なく、国内で販売する自動車を日本で生産してきた。その前例を日産が先陣を切って破った」(「日経ビジネス」10年7月12日号)からです。
国内で売る自動車にまで、日産は低賃金の海外労働者を利用した低価格競争を持ち込んだのです。自動車産業「空洞化の号砲」と受け止められました。
こうした生産の海外移転こそ、ゴーン被告が得意とするコスト削減の切り札でした。
日産の国内生産台数は1983年度に247万台でした。それが2017年度には99万台にまで落ち込みました。6割もの激減です。(グラフ)
プラザ合意(1985年)後の円高に対応して日産はグローバル化戦略を採用。もともと国内生産を減らしていましたが、ゴーン流リストラでさらに3割減少させました。国内従業員(連結会社)に占める臨時雇用の割合は6%から21%に急増。国内従業員の総数は2割減りました。




最大拠点は中国
他方で海外生産台数はうなぎ登りに増えました。欧米への輸出を現地生産に置き換えたほか、日本に代わる輸出拠点としてメキシコやタイなどの低賃金国を利用したためです。
2004年以降、急伸しているのが中国です。中国での日産の生産台数は17年に118万台(フォーイン「日本自動車調査月報」)。日本を抜いて日産最大の生産拠点に躍り出ています。研究開発拠点も中国に移しつつあります。提携する中国企業に電気自動車(EV)の技術を移転。合弁会社を設立して共同開発を行っています。
日本を切り捨てる日産の姿勢は99年以降の「リバイバルプラン」に鮮明に表れました。ゴーン被告は生産の主力だった村山工場を閉鎖する一方、米国で新工場の建設を進めたのです。後日、志賀俊之元最高執行責任者(COO)が無責任な感想を吐露しています。
「国内工場を閉鎖しても、収益を見込める米市場には打って出ていくのか、と驚いた」(「産経」2014年11月24日付)



メキシコの日産工場=アグアスカリエンテス、2018年8月29日(ロイター)

部品も海外生産
近年、日産は「国内で年間100万台の生産維持に努める」と繰り返し弁明しています。しかしその内実も空洞化しています。
部品の海外生産が増えています。「海外工場の部品の現地化」を方針とし、部品の国内製造・輸出を減らしているのです。国内生産車の部品についても、4割以上を中国や韓国からの輸入に切り替える計画を進めました。
国内下請け企業の切り捨ても加速させています。共通部品の大量調達によるコスト削減を狙い、巨大外国メーカーからの調達を増やしています。17年3月には連結子会社だったカルソニックカンセイ(本社・さいたま市)を米投資ファンドに売却しました。同社は日産系列最大の部品メーカーでしたが、日産以外の取引先の開拓を余儀なくされています。
名古屋経済大学の坂本雅子名誉教授は自動車産業の空洞化を強く危ぐします。
「自動車産業は日本経済の屋台骨なのに、母国日本を最大の生産・輸出拠点にするという認識が失われています。特に日産は次世代を担うEVについても中国での開発・生産を先行させ、生産量でも技術でも国内を空洞化させています」
国内生産を減らしてきた自動車メーカーの中で、最も情け容赦なく“日本切り”を遂行したのがゴーン日産でした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年1月25日付掲載


コスト削減は労働者だけではない。生産拠点や部品生産もコストの安い海外で。
それとともに、技術までが流出するという羽目に。
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日本共産党 参議院選挙・統一地方選挙にむけたポスターの紹介

2019-01-27 10:35:59 | 参議院選挙・統一地方選挙(2019年)
日本共産党 参議院選挙・統一地方選挙にむけたポスターの紹介

日本共産党ポスター_01
日本共産党ポスター_01 posted by (C)きんちゃん
兵庫選挙区予定候補の金田峰生さんのポスターと日本共産党押し出しのポスター

日本共産党ポスター_02
日本共産党ポスター_02 posted by (C)きんちゃん
日本共産党の政策ポスター。消費税増税NO!

日本共産党ポスター_03
日本共産党ポスター_03 posted by (C)きんちゃん
8時間働けばふつうに暮らせる社会へ。
高すぎる国保料は引き下げる。


日本共産党ポスター_04
日本共産党ポスター_04 posted by (C)きんちゃん
日本の農業を守る。日米FTAは許しません。
まもろう憲法9条。ストップ!安倍改憲。
原発ゼロに。再稼働STOP!


日本共産党ポスター_05
日本共産党ポスター_05 posted by (C)きんちゃん
子育てあんしん。待機児童ゼロに。給食費、制服代もゼロに。

日本共産党ポスター_06
日本共産党ポスター_06 posted by (C)きんちゃん
学費値下げ。そして無償化へ。お金の心配なく学べるように。

それぞれ、A全版とA2版のサイズがあります。どんどん、街中に貼りだしましょう。
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資本主義の病巣 日本をカットした日産⑤ 株価上昇「唯一の使命」

2019-01-26 11:25:37 | 経済・産業・中小企業対策など
資本主義の病巣 日本をカットした日産⑤ 株価上昇「唯一の使命」
日産自動車の工場閉鎖で、労働者の人生は狂い、地域経済、日本経済は大打撃を受けました。それは、カルロス・ゴーン被告にとって大成功を意味しました。日産の株価が上がったからです。ゴーン被告自身が述べています。
「上場企業の唯一の使命は、長期にわたり持続的に企業価値を創造することです。日産も企業価値創造を使命としており、当社の時価総額は、1999年度末のおよそ1兆2000億円から2005年度末には6兆3000億円に増加しました」(日産「アニュアルレポート2005 CEOメッセージ」)
ゴーン被告が考える「上場企業の唯一の使命」は、自社株式の時価総額を増加させることだったのです。



日産自動車の村山工場跡地=東京都武蔵村山市

「株主資本主義」
「ゴーン流経営の本質である『株主資本主義』を露骨に言い表した言葉です」と、下関市立大学の関野秀明教授は指摘します。
「日産は株価をつり上げ株式時価総額を増大させるために、増配(株主配当金の増大)や自社株買いを繰り返してきました」
ゴーン被告が「リバイバルプラン」に着手した1999年度以降、日産は株主配当金を増やし続けます。2008年度のリーマン・ショックでいったん減らしたものの、10年度以降は再び連続増配に転じました。連動して株式時価総額も増大してきました。(図)
日産の株主配当金(年額)は、1997年度以降の20年間で1822億円も増えて、8倍になりました。派遣切りにした年収300万円程度の社員を数万人規模で雇える額です。
こうしたゴーン流経営から利益を得てきた株主の多くが外国人です。日産の株式の62%を外国人が支配しています。筆頭株主である仏自動車大手ルノーが日産株式の43・7%(17年度)を保有しています。
ゴーン被告自身も日産の株主です。17年度には313万9千株を保有し、1億6637万円の配当金を得ました。ゴーン被告が日産、ルノー三菱自動車から得た配当金と役員報酬の総額は6年間で約113億円にのぼります。(表)




2012年~17年 ゴーン被告の役員報酬と受取配当金額(円)
 2012年度2013年度2014年度2015年度2016年度2017年度合計
日産報酬9億8800万9億9500万10億3500万10億7100万10億9800万7億3500万59億2200万
ルノー報酬4億5008万2億8346万7億1101万7億3253万7億5335万7億7665万37億708万
三菱自報酬2億2700万2億2700万
日産配当7778万9351万1億303万1億3138万1億5038万1億6637万7億2245万
ルノー配当4366万5430万5998万9061万2億960万2億3622万6億9437万
三菱自配当0.4万20万20万
合計15億5952万14億2627万19億902万20億2552万22億1133万21億4144万112億7310万
1ユーロ=123.7円で計算

国内生産弱める
日産が株主配当金の増加にあてた利益は、人件費を中心とする「コスト」の削減で生み出したものでした。関野さんは話します。
「株主の利益を最優先にした結果、日産は目先の利益拡大を求めて海外への生産移転を進め、国内生産体制を弱めました。国内での技術革新力、生産管理能力、市場販売力を後退させる結果を招きました。ゴーン流経営の矛盾は、日産の経営と相いれない次元にまで高まっていたといえます」
会社と労働者を、株主の私利私欲を満たすための道具としか見ない強欲資本主義。その哲学のとりことなり反社会的なリストラを強行したゴーン被告は、結局、違法行為にまで手を染めた疑いで逮捕、起訴されたのでした。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年1月24日付掲載


人件費削減によるコストの削減で生み出した利益。
当然のことながら、労働者の賃金には還元されず、株価や役員報酬に還元された。

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