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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2020年回顧⑭ 韓国 与党圧勝、検察改革進む

2020-12-31 07:48:51 | 国際政治
2020年回顧⑭ 韓国 与党圧勝、検察改革進む
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の「中間評価」とされた4月の総選挙(定数300)で、与党「共に民主党」が過半数を大きく超える180議席を獲得し、大勝しました。
文氏は選挙後、「より謙虚に国民の声に耳を傾ける」とし、残り2年の任期に向けた決意を述べました。当選した民主党議員も、「今回の結果は、ろうそく革命で誕生した政権による改革を成し遂げろという声と受け止めた」と語ったように、国民は2017年5月の大統領選以降、18年の地方選、今回の総選挙と、民主党に力を与えることを選びました。



韓国の文在寅大統領(大統領府公式ツイッターから)

保守党に審判
専門家も「国民は、格差社会の解消、南北平和プロセスの推進など文政権が掲げてきた改革を支持した」「国民の声に耳を傾けず、対案も出さない保守政党に審判が下った」と分析しています。
こうした状況を受け文政権は、就任当初から公約してきた検察改革に本格的に着手しました。昨年末に可決された大統領をはじめ政治家や政府高官などの汚職を捜査する新しい独立機関「高位公職者犯罪捜査処」法の一部改定案が成立し、来年には捜査処の設置が見込まれています。
すべての起訴権が与えられ巨大な権力を持っていた検察に対しては、恣意(しい)的な捜査が行われているとして市民からの不信が根強くありました。昨年は市民団体が数十万人の集会を開くなどして改革を求めてきました。
こうした動きに検察や保守派が強く反発しており、今秋には法椙と検事総長が激しく対立。文氏も謝罪する事態となり、民間会社の調査によると文政権の支持率は36%にまで落ち込みました。

非核化は停滞
南北の平和プロセスについては、厳しい状況に置かれています。北朝鮮は韓国の脱北者団体が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を批判するビラを散布したことに強く反発。6月には南北間の通信線を遮断し、その後、南西部・開城にある南北連絡事務所を爆破しました。
一方、9月は北朝鮮に越境した韓国人男性を北朝鮮軍が射殺する事件が発生。金氏が韓国側に謝罪文を送るというこれまでにない動きもありました。
朝鮮半島の非核化や米朝関係では大きな進展は見られませんでした。仲介者・促進者と自負してきた韓国は、バイデン次期米政権の動きを注視しています。(栗原千鶴)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月30日付掲載


大統領をはじめ政治家や政府高官などの汚職を捜査する新しい独立機関。格差社会の解消、南北平和プロセスの推進。
ろうそく革命で誕生した政権だからこそ、国民の期待が集まっている。

2020年回顧⑬ AI兵器 広がる禁止・規制の声

2020-12-30 07:50:05 | 国際政治
2020年回顧⑬ AI兵器 広がる禁止・規制の声
人工知能(AI)によって自律的に人間を殺傷する兵器(自律型致死兵器システム)について禁止、規制を求める声は今年も広がりました。AI兵器の開発が急ピッチで進む中、国際NGOは禁止条約の策定が緊急課題だと訴えています。
国連や各国政府、NGOなどは非人道的な兵器を扱う特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みでAI兵器の対策を議論しています。攻撃の判断に人間を関与させることを柱として2019年に合意した初の国際指針は、今年から具体的な内容を議論する予定でした。
ところが、9月に開かれた会合は今後について何も決定せずに閉幕。11月に予定されていた後追いの会合も新型コロナウイルスの影響で延期され、次回の日程は未定です。



ジュネーブの国連欧州本部で開かれたAl兵器に関する会合=9月22日(アイルランド国連ジュネーブ代表部のツイッターから)

支持約50カ国
9月の会合では中南米やアフリカ諸国をはじめ多くの国が禁止条約の交渉・制定を要求しました。NGOによると、禁止や規制は「時期尚早」と反発する国は米国やロシアなど約10カ国にとどまります。一方、何らかの禁止や規制を行う条約を支持する立場を表明している国は約50カ国に上ります。
国連のグテレス事務総長は、5月初めに国連安保理へ提出した報告書で、AI兵器について「ますます多くの国連加盟国が禁止を求めている」と指摘。「国際法による禁止」を要求しました。
ノルウェー政府の年金基金の倫理委員会は6月、基金が投資を避けるべきリストにAI兵器関連の企業を加えるよう勧告しました。
南米アルゼンチンのブエノスアイレスでは2月、国際NGO「ストップ殺人ロボットキャンペーン」が呼び掛けた会議が開かれ、35カ国、80以上の団体が交流しました。アルゼンチン上院は会議開催を歓迎する宣言を出しました。

条約こそ効果
米空軍は12月、AIを軍用機の副操縦士として利用する初の飛行実験を行ったと発表しました。ロシアや中国も、人間の判断を介さず行動する戦車などAI兵器の開発を急いでいます。
「ストップ殺人ロボットキャンペーン」は12月、「禁止条約こそが効果的な対応策だ」と強調。「人類への現存する脅威に対する大胆な多国問の対応が緊急に必要だ」と訴えました。(島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月29日付掲載


AI(人工知能)兵器。攻撃の判断に人間の関与がない。
いかにも、良いように感じられますが…。
実際は、人間は発射ボタンを押す時に一瞬の躊躇があるものです。
AIにはそれがありません。
「国連や各国政府、NGOなどは非人道的な兵器を扱う特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みでAI兵器の対策を議論」というのは納得いきます。

2020年回顧⑫ 国連 創設75年 多国間主義宣言

2020-12-29 08:13:47 | 国際政治
2020年回顧⑫ 国連 創設75年 多国間主義宣言
国際連合(国連)は今年、創設75年を迎えました。グテレス事務総長は1月の年頭演説で、①諸地域の緊張の激化②気候危機③世界的な不信④サイバー分野―の「四つの脅威」に21世紀を生きる人類が直面していると警告。すべての人に平和な未来が訪れるよう各国が努力するべきだと強調しました。

即時停戦訴え
国連専門機関の一つ、世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナウイルスについて「パンデミック(世界的流行)とみなしうる」と表明。グテレス氏は同23日、新型コロナという「共通の敵」に立ち向かうため「世界のあらゆる場所での即時停戦を呼び掛ける」と訴えました。その後、数次にわたり「対応計画」を打ち出しました。
「ジェンダー平等」を「行動綱領」として採択した第4回世界女性会議(北京)から25年、女性の地位向上などに取り組む国連機関、UNウィメンは3月、報告書を発表。ムランポヌクカ事務局長は「若干の前進はあるがジェンダー平等を達成した国はない」といっそうの努力を促しました。
第75回国連総会は9月15日に開幕しました。例年、各国首脳が集まって行われる一般討論演説もビデオでの参加を可能としました。開会にあたりポズクル議長(トルコ)は「現在われわれが置かれている状況からも、多国間主義にもとづく機構が必要だということが改めて分かる」と強調しました。
創設75年を記念するハイレベル会合は21日に宣言を採択。「多国間主義は選択肢ではなく不可欠なものだ。国連はその取り組みの中心となるべきだ」と表明しました。



9月21日、国連創設75年の記念会合でビデオ演説するマルタのアベラ首相(UN Photo by Felip)

同一賃金促す
9月18日は国連総会が制定した初の「同一賃金国際デー」でした。同一価値労働同一賃金の実現に向け、さらなる取り組みを各国政府、国際機関、市民社会および民間企業に促しました。
ノルウェー・ノーベル賞委員会は10月9日、今年のノーベル平和賞を国連の世界食糧計画(WFP)に授与すると発表しました。武力紛争地域や災害被災地に食料を届け、平和な世界を築くために貢献してきた活動が評価されました。
新型コロナのパンデミックの影響で、国連のかかわるさまざまな国際会議が中止ないし延期となりました。
(山崎伸治)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月28日付掲載


戦後、幾度となく訪れた危機で「国連が働いていない」と言われたことが多くありました。
今度の新型コロナウイルスによるパンデミック。
そこで出てきた「多国間主義」。一つの課題に対し、多数の国家で取り組む。停戦は当然、国連は機能し始めています。

「しんぶん赤旗」日曜版2021年新年合併号紹介

2020-12-28 07:27:15 | 赤旗記事特集
「しんぶん赤旗」日曜版2021年新年合併号紹介

1面、6面~10面【新春対談】
総選挙 政治決戦にどうのぞむ―政権交代へ真っ向勝負
毎日新聞客員編集委員・倉重篤郎さんが志位委員長にズバリ
野党連合政権と共産党躍進に全力



4面は【“AI越え”の手なぜ指せた】
コンピューター将棋大会優勝「水匠」を開発した弁護士・杉村達也さんと史上最年少でタイトルを獲得した藤井聡太二冠が対談
人間は深く読まずとも判断ができる



最後の面は今年も【俳優・仲代達矢さん】
どんな人間の中にも宝石がある


そして、今年もダブル見開き
1つ目は
朗読劇「ななしのルーシー」主演・浅丘ルリ子さん お互いに助け合って感謝して
正月時代劇「ライジング若冲」主演・中村七之助さん 命描く絵師に踊りの真髄見た
朝ドラ「おちょやん」主演・杉咲花さん 苦難に負けない生きるパワー



2つ目は
日本初の「巨大ウイルス」発見者 東京理科大学教授・武村政春さんに聞く
ウイルスで生物進化!? 巨大ウイルス研究で見えた



そして、第2部のトップは、【東日本大震災から10年】
津波で一家の“中心”失った家族の歩み
頑張っているよ、お母さん
9年前のまだあどけなさが残る佳奈さん、里沙さん


来年は総選挙の年。日本共産党の躍進を。「しんぶん赤旗」を広く国民の中に広めよう!

2020年回顧⑪ 欧州連合(EU) コロナ復興基金を設立

2020-12-27 07:33:56 | 国際政治
2020年回顧⑪ 欧州連合(EU) コロナ復興基金を設立
欧州連合(EU)は年初から、イタリア北部に始まる新型コロナウイルスの大流行、死者の急増に見舞われました。多くの国が国境封鎖や医療用マスクの輸出禁止など自国第一の対応を行ったため、EUの「連帯」はどこに行ったのか、と批判が噴出しました。
初の女性トップとなったフォンデアライエン欧州委員長にとっては、就任早々の大きな試練となりました。EUは、コロナ禍の大きな被害を受けたイタリア、スペインなどへの財政支援を行うため「コロナ復興基金」の設立に踏み込みました。緊縮政策の推進役だったドイツのメルケル首相が、南欧諸国の代弁者となって支援を訴えてきたフランスのマクロン大統領と合意したことで、流れができました。

初の共同債務
紆余(うよ)曲折はありましたが、7月のEU首脳会議で、欧州委員会が市場で債券を発行して、資金援助を行う7500億ユーロ(92兆円)の基金で合意しました。EUが共同で債務を負うのは、欧州統合の長い歴史の中で初めてのことです。
12月13日までの欧州(EUと欧州経済地域の31カ国と英国)でのコロナによる死者数は約37万6000人で、世界の死者数の約23%と高率です(欧州疾病予防管理センター)。EUや各国政府による緊縮政策による医療・福祉の削減の害悪が、パンデミック(世界的流行)で浮き彫りになりました。



新型コロナウイルスに対するワクチンの使用認可について声明を発表するフォンデアライエン欧州委員長=12月21日、ブリュッセル(ロイター)

55%削減合意
気候変動問題で、EUは12月の首脳会議で、2030年までに温室効果ガスを1990年比で55%削減する新たな排出削減目標を決めました。これまでの40%削減から大きく上積みしました。50年までの排出実質ゼロを目指し、欧州委員会は、法的拘束力のある「欧州気候法」の制定を目指しています。
また12月には、オンライン上のヘイトスピーチ(差別扇動行為)など違法コンテンツの規制、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾンなどのデジタル大企業の規制を内容とする法案を発表しました。重大な違反には罰金や企業分割などの罰則があります。
米国での警官による黒人殺害事件で人種差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動が広がる中で、欧州議会は6月、大西洋奴隷貿易は「人道に反する罪」だとする決議を採択しました。
(伊藤寿庸)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月26日付掲載


かつてEUは、債務超過に陥ったイタリヤやスペインに対して、緊縮政策を押し付けた。
新型コロナに苦しむ同国に対して、今度は経済支援。
EUは、気候変動の問題でも積極的役割は果たしています。