きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

経労委報告を読む③ 「賃金カーブ」変更 団結を壊す

2013-01-30 14:04:34 | 働く権利・賃金・雇用問題について
経労委報告を読む③ 「賃金カーブ」変更 団結を壊す
労働総研顧問 牧野富夫さん

財界は大変な「ヤキモチ焼き」である。というのも、職場で労働者が仲良くするのを嫌う、労働者が企業を超えて仲良くすると怒り出す、労働者が産業を超えて全国規模で仲良くしようものなら半狂乱になるからである。かれらは団結が大嫌いなのだ。怖いのだ。
その団結を、職場・企業で切り崩そうというのが、「経労委報告」の「賃金カーブ(賃金体系)改定」にほかならない。隠されたねらいは、これだけではない。その改定を通じて人件費をうんと減らしたいのだ。また、労働者の「流動化」(出し入れ・異動)を経営者の思い通りにしたいというねらいも汰きい。今回は、このような「賃金カーブ(賃金体系)改定」論を俎上(そじょう)にのせる。

新たな切り口
これまでも「経労委報告」で賃金体系が「改革」の課題とされてきたが、今回は「新たな切り口」での提起になっている。
つまり、「高齢法」(高年齢者雇用安定法)の改定を逆手に、「65歳までの雇用確保を前提とした賃金カーブの全体的な見直しはもとより、継続雇用者の賃金制度との整合性を図る観点から、仕事・役割・貢献度を基準とする賃金制度に再構築していく」(66ページ)というのだ。要するに、これからは定年後も、希望すれば何らかの形で(段階的に)65歳まで雇用を継続することが義務づけられたので、そのための費用“以上”のカネを、賃金カーブを40歳ごろから寝かせることで捻出しようという魂胆である。
以上をふまえ、「仕事・役割・貢献度を基準とする賃金制度」なる“キツネ”の化けの皮をはがそう。これは「二重のテスト」で前記“ねらい”を実現するための「新型・成果主義賃金」である。一つ目のテストは、個々の労働者を、「仕事・役割」の軽重の順に作られた階段の、どこに座らせるかを決めるテスト。これで「2階建て賃金」の1階部分が決まる。二つ目は、同じ階段に座らされた労働者グループについて各人の「企業への貢献度」の違いを判定するテスト。これで賃金の2階部分が決まる、という仕組みだ。
一見、すっきりした制度にみえる。だから先に“キツネ”と名づけた。
一つ目のテストでの労働者の「品定め」でも、それまでの「企業への貢献度」が多分に混入しカウントされる。二つ目のテストはずばり「貢献度」だけで決まる。これは結局、「貢献度賃金」なのだ。そうすると、「ゴマスリ上手」が上司の受けがよく、筋を通す正義漢は煙たがられ評価が下がるというよくあることが、この賃金体系をゆがめる。
そもそも「貢献度」なるもの自体が多様・多面的・曖昧で、客観的な測定にたえられない代物である。ここが根本問題である。だから上司もいきおい、「ゴマスリ上手」に“高い点数”を与えてしまいがちになる。ところが経営者には、ここがミソなのだ。かれらが年功賃金を嫌うのは、それが「年齢」や「勤続」といった誰がみても同じ“客観的な基準”に基礎づけられているからである。

「曖昧な基準」
財界・経営者はすべて承知で、「曖昧な基準」の「新型・成果主義賃金体系」に切り替え、これをあやつり悪辣(あくらつ)な差別支配を強めようという算段である。だからこそ、それに「合理」のべール(つまり化けの皮)をかけようと躍起になっているのだ。
いま10人一組のAとBの2チームが「綱引き」をし、Aチームが勝ったとしよう。そこから確実にわかるのは、Aチームの力の総和がBチームの力の総和より大であった、ということだ。にもかかわらず、先の「成果主義賃金」は、AとBチームのそれぞれ一人ひとりが発揮した力の量がわかる、そういう前提に立っている。わかるはずがない。前提から間違っている。
そのような“欠陥賃金体系”ではあっても、ひとたび導入されると、化けの皮に厚化粧で労働者をあざむき、悪事を働く。13春闘にあたり、本質を見抜く「科学の目」を互いに養い強めようではないか。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年1月28日付掲載


「成果主義賃金」は、以前から評価者の恣意的な判断が多かった。5段階評価などで、いくら頑張っても一定の数の労働者は下位に評価されるなど問題点があった。
それが、40歳代以降の教育費が特にかかる世代の賃金カーブを寝かせるてことは、労働者の暮らしを考えない無謀としかいいようがない。

経労委報告を読む② 賃上げは春闘の花

2013-01-29 10:49:46 | 働く権利・賃金・雇用問題について
経労委報告を読む② 賃上げは春闘の花
労働総研顧問 牧野富夫さん

「少年よ、大志を抱け」は、周知のクラーク博士の言。2013年春闘に当たり、マルクスにロンドン・ハイゲートの墓から抜け出し、「日本の労働者よ、大志を抱け」と檄(げき)を飛ばしてもらいたい。というのも、「賃上げはダメ」という財界の言い草を空念仏に終わらせるには、たたかう労働者・労働組合の側に13春闘で「必ず大輪を咲かせるぞ」という大志と気魄(きはく)がなくてはならないからだ。いま大相撲の初場所中だが、必死でたたかう力士は強い。八百長相撲の「手のひら春闘」に「賃上げゼロ相場」をつくらせてはならない。全労連など「普通の労働組合」が結集し、春闘賃上げの“相場形成力”を奪還することだ。

“ど・ケチ”ぶり
国民春闘共闘の賃上げ要求は「だれでも時給100円以上、月給1万円以上」であり、「以上」部分にアクセントがあると理解する。事実、電機労働者懇談会などの「生活に必要な賃上げ要求」のアンケート結果では、回答者の45%が「月額5万円以上要求」で、この回答が一番多い。これぞ「大輪を咲かせよう」という大志と気魄に満ちた攻勢的な要求であり、そこに不屈の労働者魂が読みとれる。これでもしかし、十数年にわたり引き下げられてきた賃金を挽回するには不十分だが、挽回の第一歩にはなる。
右のような「当たり前の世界」から今回は書き始めている。以下、「経労委報告」で展開されている「あきれ返る異常な世界」に分け入るとしよう。その本丸に賃金抑制の異常さがそびえ立つ。そのポイントは、①賃上げ(ベア)はダメ、②定昇も当然にあらず、③賃金体系(賃金力ーブ)を寝かせて差別を強める、ということだ。「売上高、経常利益とも、これまでの最高を更新するまで増加」(前回紹介した『労働経済白書』の指摘)し、267兆円もの内部留保(全労連・労働総研調べ)をため込んだ大企業の“ぼろもうけ”には口をつぐみ、この“ど・ケチ”ぶりである。国を滅ぼす国賊のようだ、とあえて言いたい。というのも、そのような対応では、すでに冷え切っている内需を“凍結”させ、「デフレ不況」をさらに増幅させ、ついには国を滅ぼしかねない事態を招くに違いないからだ。
「報告」の賃上げ拒否の理由は、結局、「生き残りをかけたグローバル競争に果敢に挑み、勝ち抜いていかなければならない」から(56ページ)、ということだ。だが、本当に賃上げが企業の「グローバル競争力」を弱めるのなら、賃上げが続いていた80年代までの「日本の国際競争力」は世界一と高く、賃金が上がらなくなった90年代初頭から、とくに賃下げが続くようになった90年代末以降、どんどん日本のグローバル競争力(国際競争力)が低下していった事実をどう説明するのか説明できないはずだ。事実は、「報告」の主張とは正反対だからである。賃上げは、経営者の口には苦かろうが、「企業の競争力」・「経済成長」にとって「薬になるよ」と“事実”が教えてくれている。まさしく「良薬、口に苦し」なのだ。臆病な経営者たちに言いたい。ちょっぴり我慢して“苦い良薬”を飲んでごらん、と。そうすれば、日本経済に光がさし、活性化すること疑いなし、なのだ。


“屁理屈”仕掛け
もう一つだけ。賃上げ拒否の“屁理屈(へりくつ)”=「支払能力」なる妖怪が、今年の「報告」の68ページあたりを俳徊している。その妖怪=「支払能力」について「報告」は、「労働の代償として妥当であり、また企業の経営状態ならびに今後の経営計画の観点から検討し、実際に支払うことが可能な賃金原資のこと」だと注記している。
さすがに妖怪だけあって尻尾もなく、つかみどころがない。どうにでも言い逃れができるようになっている。たとえば、「いま確かに会社にカネはある。だが、これは将来○○や○○に充てるカネで、賃金には回せない」などと架空の経営計画をタテに「支払能力なし」と言い逃れできるような論法=屁理屈の仕掛けである。
要するに、まずマクロで「グローバル競争下、わが国経済は過酷な環境にさらされている」などと危機感をあおり立て、ついでミクロでは先の例のような「支払能力」論で対応し、ミクロとマクロでの二重の「賃上げ阻止の城壁」となっている。その城壁に守られ、92年度に44兆8044億円だった利益剰余金が2011年度には66兆9766億円と1・5倍にも膨れ上がっているわけだ。
連載3回目の次回は、賃金カーブ(賃金体系)に対する「新たな攻撃」を俎上(そじょう)にのせよう。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年1月27日付掲載



「内部留保が○○あるじゃないか」と追及すると、「すぐに使える現金の形であるわけじゃない」とか「将来のために、企業として責任を果たすために取っておくべきカネ」とか理屈を言われる。
でも、賃金アップのために内部留保の全部を使えって言っているわけじゃない。わずか数%でOKなのだ。
また、「内部留保を永年に使っていって大丈夫のだろうか?」という善意の不安もあるが、労働者の賃金をあげて経済が好転すれば、企業の売り上げも上がって、また内部留保も確保できていくことになる。
要は、企業の利益第一に考えるか、労働者の暮らしを第一に考えるかだと思う。

経労委報告を読む① 賃上げこそ先決

2013-01-28 11:34:14 | 働く権利・賃金・雇用問題について
経労委報告を読む① 賃上げこそ先決
労働総研顧問 牧野富夫さん

日本経団連が21日に発表した、財界の春闘方針である「経営労働政策委員会報告」について、労働運動総合研究所(労働総研)顧問の牧野富夫さんに分析を寄せてもらいました。

経団連「経営労働政策委員会報告」(以下、「経労委報告」または「報告」)が今月21日に発表された。これは財界の「春闘方針書」といわれる重要文書で、大企業のほとんどが、この「報告」で足並みをそろえ、春闘に臨む。

逆立ちの対応
「報告」の最大の特徴=誤りは、足で立たず頭で立つ観念論に終始していることだ。今日の「デフレ不況」とよばれる経済危機の原因は、賃下げ・雇用破壊・社会保障破壊などによる「内需の冷え込み」にこそある。にもかかわらず「報告」は、経済危機を口実に、いっそうの賃金⊥屈用・社会保障などへの攻撃を強めている。逆立ちした対応なのだ。これでは経済危機を一段と深め、泥沼化させるだけだ。
経済危機の打破のためにも、そして何よりも労働者・国民の生活を守るために、いま求められているのは、賃金の引き上げ・雇用の安定化・社会保障の拡充による内需の喚起・拡大である。雇用形態などの違いを超え、すべての労働者の確たる“賃上げ”を今春闘で勝ち取ること、これが最大のポイントである。
今年度版の厚生労働省編『労働経済白書』も、つぎのように述べている。春闘に臨むに当たって「労使がふまえるべきイロハ」として紹介しておこう。「現金給与総額の推移をみると、1997年をピークに減少傾向が続いており、この間、戦後最長の景気拡大期である2002年から2008年にかけてもほとんど増加はみられなかった。この時期においては、企業の売上高、経常利益とも、これまでの最高を更新する水準にまで増加したが、人件費については、1990年代の水準を概(おおむ)ね下回る水準にとどまっていた」(332ページ)と。
そのうえで同白書は、「労働者の所得の増加が消費の増加を通じて日本経済の活性化につながるという日本経済のマクロの好循環を取り戻すことが必要」(冒頭の「骨子」部分)だと強調している。
みてのとおり「白書」は、企業の売上高、経常利益は史上最高であるのに、賃金は逆に下がり続けている。これでは日本経済がダメになる一方なので、賃上げで日本経済の好循環を取り戻す必要があると「当たり前の主張」を展開している。
だが、逆立ちした財界の立場からすれば、この当たり前の主張も「経済や企業の実態を無視したものと言わざるを得ない」(「経労委報告」71ページ)となってしまう。
財界には当たり前のイロハが通じないのだ。経営者のみなさんに言いたい。「頭で立つ」のをやめ、「足で立ってごらん」、そうすれば「真実が見えますよ」と。

春闘の課題に
また「経労委報告」は、「日本の労使関係は、世界に誇るべき、かけがえのない財産である」(77ページ)と褒め上げている。だが、その労使関係というのは、「春闘劇」を財界の“手のひら”で優雅に演じる大企業の労組幹部との「相思相愛の労使関係」なのである。
そのような「手のひら春闘」に断じて「ベア・ゼロの春闘相場」をつくらせてはならない。国民春闘共闘委員会などによる「まともな春闘」が賃上げの“相場形成力”を奪還すること、これが大きな課題である。そのためにも私たち一人ひとりが、財界やメディアなどのデマ宣伝に惑わされず、断固、イデオロギー闘争に打ち勝つことだ。
今年の「経労委報告」の“本丸”は、第3章「今次労使交渉・協議に対する経営側の基本姿勢」である。その伏線として、第1章「一段と厳しさを増す国内事業活動と現状打開への道」と、第2章「競争に打ち勝ち、成長を続けるための人材戦略」の二つの章が置かれている。連載2回目の次回から“本丸”を中心に果敢に攻め込むとしよう。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年1月26日付掲載


労働者の賃金を上げること、定昇はもちろんベースアップで上げることで、国民の購買力を上げて日本の経済を好循環にもっていく。その方が、企業の利益も上がっていくことにつながるのにね。
全労連などのまともな春闘を闘う労働組合が、メジャーになっていくように力をつけていかないといけませんね。

現場が語る B787・新鋭機の異常

2013-01-27 10:45:00 | 公共交通・安全について
現場が語る B787・新鋭機の異常

最新鋭機 B787の異常
最新鋭機 B787の異常 posted by (C)きんちゃん

発煙し、高松空港(香川県)に緊急着陸したボーイング787型機。いま全世界で運航を停止しています。燃費効率の高さなどから「夢の旅客機」とも呼ばれる最新鋭機がなぜこんな事態に―。航空関係者の証言などから新鋭機の意外な問題点が見えてきました。
山田健介記者




日本政府 米国任せで独自審査せず
「重大事故につながりかねない極めて深刻なトラブルだ」
そう指摘するのは全日空元機長の奥平隆さんです。
トラブルが発生したのは16日午前。離陸して高度約9000メートル付近にいた山口宇部発羽田行き全日空692便B787の操縦室計器に異常を知らせるメッセージが表示さ
れました。「機体前方の電気室で煙を感知」―。
同機は高松空港に緊急着陸し、乗客129人が脱出用シューターで避難。数人が軽傷を負いました。煙の発生源は機体前方の電気室にあったメーンバッテリーでした。
奥平さんは「実はバッテリーを消火するシステムがB787の設計には含まれていない」と明かします。
「出力の高いリチウムイオン電池が熱暴走したら出火する。国内線ですぐ緊急着陸できたからよかったが、緊急着陸できる空港が近くにない国際線で起きていたら…」
バッテリーをめぐる重大トラブルは8日にも日本航空の同型機で起きていました。米・ポストン空港で駐機中に補助動力装置(APU)用バッテリーから出火したのです。
日本航空の現職整備士は「今回深刻なのは、B787の心臓部ともいえるバッテリー周辺部で起きていることだ」と強調します。
「電気飛行機」とも呼ばれるB787。少ない燃料で長く飛ばすために装置の多くを電気で動かし、高出力バッテリーを搭載します。これまでとはまったく違う方式です。前出の整備士は「だからこそ全体の設計も含めた厳しいチェックが必要だった」と指摘します。
ところが―。
新技術の中枢部分はメーカーしか知らない“ブラックポックス”。「マニュアルに載っていること以外は全て問い合わせて回答待ち」(整備士)の状態です。
日本政府はどうか―。
航空法で、日本で航空機を飛行させるためには耐空証明が必要です。しかし、日米間の協定で、米国政府が出した耐空証明は日本でも承認される仕組み。それでも、新技術、独特の設計などの審査は、日本政府として重点的に実施できます。それも実際には審査していませんでした。
奥平元機長が訴えます。
「日本の行政に問われるのは独立した科学的な原因究明ができるかどうか。新技術開発に無理がなかったかなど幅広く調査して徹底した原因究明と再発防止をしなければ」



緊急着陸した全日空のボーイング787型機のメーンバッテリーの炭化した内部=17日、香川県の高松空港(運輸安全委員会提供)


緊急着陸した全日空ボーイング787型機の機体を調べる米運輸安全委員会(NTSB)の調査官ら=18日午前、香川県の高松空港


整備士泣かせのB787
ボーイング任せ~認可の経過 調査が必要
「新型航空機にはつきものの初期不良」との見解もあるB787トラブル。しかし全日空元機長の奥平隆さんは「『バッテリーの不具合の原因がつきとめられ、安全が確認されるまでは運航停止』という米連邦航空局の通達は重大だ」と指摘します。
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(18日付)―。関係者の話として、米連邦航空局がB787を認可した際、今回問題となっているバッテリーについて“不具合が絶対に起こらない”とするボーイング社提出データに大きく依存していたと報道しています。
事実とすれば米政府は、ボーイング社の資料をうのみにして認可を出し、日本政府はその認可をまたうのみにして認可を出したことになります。独自の審査をせずにオーケーを出した日本の航空当局の責任はますます重い。奥平さんは「原因調査の結果、バッテリーなどの新技術の導入にたいして、認可した側がどの程度現実的な検証と、安全に対する証明のプロセスを行ったかも再調査されなければいけない」と指摘します。



全日空のボーイング787型機の機体から、すすのようなものを採取する航空事故調査官=18日午後、香川県の高松空港

炭素繊維と電気~7度にわたり納期遅れ
「7E7」―。2004年に米ボーイング社で開発が始まったB787の構想段階での名称です。「E」はEfficiency(効率)の頭文字。B787は構想当初から“経済性”を最大の売りにしていました。
燃費を20%も効率化するため従来機とさまざまな構造が異なっているのがB787の特徴。全日空や日航の関係者も「そもそも従来の機種とは設計思想が全く違う」と口をそろえます。
そのひとつは主翼や胴体の材料。従来機はアルミ合金でつくっていましたが、B787は日本製の炭素繊維の複合材を採用し、大幅な軽量化を図りました。
もうひとつは、「電気飛行機」といわれるほどの電気への依存の高さです。
燃費を抑えるため、これまではエンジンからの圧縮空気を使っていたものを電気で動かしました。そのため小型軽量で大出力のリチウムイオンバッテリーを旅客機として初めて搭載。翼やブレーキ装置などの操作も油圧から電気に置き換えました。
いま問題となっているバッテリーは日本製で、炭素繊維複合材など機体の35%を日本企業が製造しています。しかし日本をはじめ世界から集めた部品で機体を製造し、全体として安全性を確保する最大の責任はポーイング社にあります。
B787は開発段階からさまざまなトラブルが指摘されています。
炭素繊維複合材の強度不足により設計を変更。テスト飛行中に機内の配電盤が出火して緊急着陸することも。その結果、7度にわたり納期の遅れが生じました。もともと、北京五輪前の08年5月に予定されていた全日空への第1号機導入は3年以上後の11年9月にまでずれ込みました。
ボーイング社のダン・ムーニー副社長(当時)もこう語っています。「難しいだろうとは思ったが、考えていたよりずっと難しいことが後になって分かった」
(「信濃毎日」10年2月9日付)



高松空港に緊急着陸した直後の全日空ボーイング787型機=16日午前、同空港(乗客提供)


緊急着陸した全日空のボーイング787型機のメーンバッテリー(左)と、正常なメーンバッテリー(国土交通省提供)

トラブルも未知~修理に手間、人員削減も
元全日空整備士で航空労組連絡会・整備連事務局の針谷和雄さんは「現場では、B787は手間がかかり世話の焼ける整備士泣かせの機種といわれている」と語ります。最新鋭機種だけにトラブルにも未知の領域が多いためです。
例えば機体軽量化のための炭素繊維素材。現職整備士は「なにもなければ本当に素晴らしい素材なのだが、ぶつけたり落雷にあったりした場合の修理の手間が尋常ではない」と語ります。さらに―。
「B787は電気の塊で構造も複雑なのであちこちで電気系統の不具合が生じる。例えばエンジンが動いていないのに異常表示が出るなどの“バグ(プログラムの誤り)消し”対応が必要で3時間前に電源を入れなくてはならない」
同機は、到着から出発の間の飛行間点検をしなくてもよい機体とされています。しかし、全日空では整備士1人が目を光らせ、他に1~2人が待機して応援する体制。日航も2~3人が常時対応にあたっているといいます。日航の現職整備士は語ります。
「メーカーが大丈夫と言っても、現実にはさまざまなトラブルが起きる。社としての整備経験も浅いので、みんな緊張して対応している。今後、飛行間点検をゼロにして大丈夫なのか」
前出の元全日空整備士の針谷さんもいいます。
「長年の規制緩和のなかで、整備士の職場がコスト削減のターゲットになってきました。人員も減るなかで、新型機種とも懸命に格闘しています。ノウハウを蓄積し伝承できる体制が求められています」



全日空の新規就航式でテープカットに臨むルース米駐日大使(左から2人目)、ミネタ元運輸長官(右から2人目)、全日空の大橋洋治会長(右端)ら=11日、カリフォルニア州北部のサンノゼ国際空港(時事)

日本が大量導入~燃費よく大きな利益期待
世界で一番早くB787を大量導入したのが日本の航空会社です。
全日空は現在、国内線国際線合わせて231機のうち17機がB787。日航も全217機のうち7機がB787です。世界で飛行している49機のうち半分を両社が保有しています。
全日空は20年度までに66機を導入する予定。日航も将来45機体制にする計画です。
B787を大量購入する両社の狙いは、燃費の良い新型機を導入し大きな利益を生むことです。
B787の運航停止による代替機のやりくりには限りがあります。また、パイロットは両社ともぎりぎりの人員で、しかもパイロットごとに操縦する飛行機が決められているので、無理を重ねる状況が続く事は安全面からも懸念されます。
利益を優先するなか日航は、大量のパイロットや客室乗務員を解雇してきました。

「しんぶん赤旗」日曜版 2013年1月27日付掲載


今回、火を噴いたバッテリー以外にも、いろいろ問題があったのですね。効率を優先して、かなり無理をした設計なのでしょうか。

炭素繊維でしょうか、カーボン素材の三脚は軽くて重宝します。
しかし、目が飛び出るほど高価で、とても手の出るものではありません。
燃料費が安くなっても、購入費や維持費が多くなったら、結局は同じなのでは・・・

エコは確かに重要ですけど、それより安全性の方が大事なのではないでしょうかね。

兵庫県 憲法県政の会の学習交流会が開かれた

2013-01-26 22:05:17 | 参院選・知事選(2013年)
兵庫県 憲法県政の会の学習交流会が開かれた
住民主人公の地方自治を考える・・・
1月26日(土)午後1時30分から、神戸市立新長田勤労市民センターの大会議室で開かれました。
200人以上が県内各地から参加しました。


開会あいさつ 田中耕太郎
開会あいさつ 田中耕太郎 posted by (C)きんちゃん
最初に、憲法県政の会代表幹事の田中耕太郎さんが開会あいさつしました。

あったか神戸をつくる会 連帯
あったか神戸をつくる会 連帯 posted by (C)きんちゃん
引き続いて、あったか神戸をつくる会から連帯のあいさつがありました。


岡田章宏神戸大学大学院教授講演_01

岡田章宏神戸大学大学院教授講演_01 posted by (C)きんちゃん
そして、本日のメイン。兵庫県自治体問題研究所理事長で神戸大学大学院教授の岡田章宏さんが講演しました。

岡田章宏神戸大学大学院教授講演_02
岡田章宏神戸大学大学院教授講演_02 posted by (C)きんちゃん

岡田章宏神戸大学大学院教授講演_03
岡田章宏神戸大学大学院教授講演_03 posted by (C)きんちゃん
【岡田章宏さんの講演】

レジメの抜粋を掲載しておきます。

はじめに
今、なぜ地方自治改革(「地方分権」改革・「地域主権」改革)か
発端は、80年代初頭の臨調行革。メザシの土光さん。
「官から民へ」「国から地方へ」
国民生活にかかわる国の責任を放棄して地方に丸投げるって事。

1、グローバリゼーションの進展と地方自治体
(1)グローバリゼーション「暴走する資本主義」
モノだけでなく、カネやヒト、情報も動く時代に。
転機は70年代初頭のオイルショック
(2)地方自治体の役割
①住民生活
②地域経済

2、地方自治制度の再編
(1)地方自治体の基本構造:権威主義的体制の構築
首長と議員を選挙で選び、両者が相互にけん制しあいながら住民の多様な意見を反映するという「二元代表制」を壊して、首長に権限を集中するという危険な議論がある。
(2)大都市制度のあり方:財源・権限の集中
 道州制や大阪都構想など
(3)住民自治制度の「拡充」:政策遂行の「正統性」の確保

3、住民主人公の地方自治の構築にむけて
(1)民主主義に関わる実態の変化
①「個人」:相対的弱者が自らの苦境を政治的な問題として主張できずらくなっている
②「企業」:グローバル市場で活動する企業の政治的力が飛躍的に増大している
③「政治」:社会の関心や利害を反映させる能力を喪失している

(2)「出口」を求めて
①「自己責任」という呪縛(じゅばく)から解放の道筋公的支援を受ける者と行う者(公務労働者)との連携の可能性
②「熟議民主主義」の可能性
「合意」をめざす「熟議民主主義」
多様な個人・団体との相互了解の主体的な再構築
「個人」が抱える矛盾を正確に捕捉し、「企業」に依存することなく自律的に解決の道筋を発見しうる新たな「政治」の力の構築。
手間のかかることだが、今、世界のトレンドになっている。



01_ゼロこねっと
01_ゼロこねっと posted by (C)きんちゃん
休憩の後、各界から発言。まず、原発ゼロをめざす青年の団体、ゼロこねっとです。

02_こども病院連絡会
02_こども病院連絡会 posted by (C)きんちゃん
県立こども病院のポートアイランド移転に反対する、こども病院連絡会から。

03_兵庫電力の会
03_兵庫電力の会 posted by (C)きんちゃん
兵庫電力の会から。

04_伊丹の会
04_伊丹の会 posted by (C)きんちゃん
伊丹の会から。

05_高校学区問題
05_高校学区問題 posted by (C)きんちゃん
県立高校の学区編成問題に取り組む、西宮の新婦人の方。

06_灘区の会
06_灘区の会 posted by (C)きんちゃん
灘区の会から。

07_子どもの医療費問題
07_子どもの医療費問題 posted by (C)きんちゃん
子どもの医療費無料化問題で新婦人県本部から。

08_丹波の会
08_丹波の会 posted by (C)きんちゃん
丹波の会から。


行動提起 石川康弘_01
行動提起 石川康弘_01 posted by (C)きんちゃん
最後に、神戸女学院教授の石川康弘さんが行動提起をしました。


行動提起 石川康弘_02
行動提起 石川康弘_02 posted by (C)きんちゃん

行動提起 内容_01
行動提起 内容_01 posted by (C)きんちゃん
「憲法どおりの日本をつくろう」「憲法どおりの日本をめざそう」で一致すること。

行動提起 内容_02
行動提起 内容_02 posted by (C)きんちゃん
「憲法が輝く兵庫県政をめざす2000人の集い(仮称)」を、4月26日(金)夜、神戸文化大ホールで成功させる。

行動提起 内容_03
行動提起 内容_03 posted by (C)きんちゃん
県に向けた要求の整理(むずかしく考えない、わが町のこれを応援して欲しいなど)。

行動提起 内容_04
行動提起 内容_04 posted by (C)きんちゃん
『ウィーラブ兵庫』①~⑤は今も活用できる。

行動提起 内容_05
行動提起 内容_05 posted by (C)きんちゃん
憲法県政の会へメールアドレスの登録を。
メール:info@kenpo-kensei.com
ブログ:http://we-love-hyogo.typepad.jp/
公式HP:http://www.hyogo-kenpo-kensei.com/
ツイッター:https://twitter.com/kenpokensei


行動提起 内容_06
行動提起 内容_06 posted by (C)きんちゃん
インターネット選挙解禁の動き。

行動提起 内容_07
行動提起 内容_07 posted by (C)きんちゃん

行動提起 内容_08
行動提起 内容_08 posted by (C)きんちゃん
2009年の知事選をふりかえって・・・
田中耕太郎49万2140票、得票率31.16%(過去最高)、井戸氏108万7279票(69%)は過去最低。


岡田さんの話しは、地方行政が本来担うべき住民への教育や福祉が、大企業の経済活動優先のために、いかに削られてきたか、歴史をさかのぼって検証してくれました。
そして今、橋下維新の会や自民党、民主党などが進めている「自己責任論」や「道州制」「大阪都構想」などなど、より大企業が活動しやすくなる環境を推し進める危険があります。

だからこそ、「自己責任論」という呪縛(じゅばく)から国民・住民を解放させていく闘いが重要になってきます。
公的支援をうける人々と、公務労働者との連携。おたがいにつながっていくことが大事です。
また、「熟議民主主義」と言うそうですが、国民・住民が抱える問題を、国政・行政の側が把握してケアしていけるようなことが求められています。
個人個人が思っていることも、要求していることも多様化しています。


兵庫県でも、それに応えるだけの運動を構築していきたいですね。