きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る③ 地域を支える商店街

2013-11-30 18:54:56 | 経済・産業・中小企業対策など
進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る③ 地域を支える商店街

下町人情キラキラ橘(たちばな)商店街の愛称で知られる向島橘銀座商店街協同組合(墨田区京島)は11日、「つまみぐいウォーク」を行いました。
参加者が100円券がつづられたチケットを購入。
参加店(30店)が用意した、サンドイッチとミニドッグ(喫茶店)、おからドーナツ(豆腐店)、婦人靴下(洋品店)などの目玉商品の買い物を楽しむというものです。曇り空の下、幅4メートル、長さ約450メートルの通りが家族連れであふれました。
6歳の息子を連れた母親(37)は「好きなものを少しずつ買え、子どもも喜んでいる」と笑顔です。終業が午後7時すぎのため、これまで商店街に来られなかったという女性(39)は、「とても面白い試みですね」と話します。青果店の店主は、「普段はお年寄りが多いが、今日は親子連れやカップルなど、いつもと違うお客さんがほとんどだ」と話します。500組のチケットが完売しました。
区内各商店街は朝市や夜市、七夕祭りなどさまざまな催しを開催。空き店舗を授乳室や交流の場として提供することもしています。

こだわりの店
区は2010年、「墨田区商店街活性化に関する条例」を制定しました。区が商店街の事業活動への支援と活性化施策の推進に努めることや、大型店が商店会や商店街連合会に加入して地域の商業の持続的発展に寄与するよう努めることが、条文に盛り込まれています。
区は商店街連合会と連携して、「こだわりの豆腐屋」など地元の消費者が推薦した“個だわり”の飲食店や小売店をまち歩きのガイドブックやホームページで紹介。スカイツリーのたもとに区内商店の出店を集めた催しも開きました。区内事業者グループが買い物弱者に宅配などを行う事業への補助も始めました。



「つまみぐいウォーク」を楽しむ人たち

公共的役割も
高齢化と後継者不足、大型店出店の影響などで、全国的に商店街が減っています。墨田区でも、1993年には56商店街1850店舗あったのが、現在は42商店街1200店舗です。
区が12年に実施した商業活性化のための実態調査でも、商店会会長の7割が「後継者がいない会員が多い」と答え、8割が「大型店等の影響がある」「ややある」と答えました。
墨田区商店街連合会の井上佳洋事務局長は、商店街が歩いて行ける身近な存在として住民の暮らしを支えるだけでなく、防犯や環境対策などの公共的役割も担っていることを強調。「買い物の場であるだけでなく、地域社会を支える暮らしの場としての役割も大きくなっている。さらに区と連携した取り組み、事業所と連携した取り組みをすすめていきたい」と話します。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月29日付掲載


「つまみぐいウォーク」などの取り組みはいいですねえ。
地域の商店街が活性化してほしいものです。

COP19が示したもの 15年までに各国削減目標◆日本の逆行にNGO批判

2013-11-29 17:38:22 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
COP19が示したもの 15年までに各国削減目標◆日本の逆行にNGO批判

国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)が11~23日、ポーランドの首都ワルシャワの国立競技場を会場にして開かれました。
課題を残しながらも、最終的には全会一致(コンセンサス)によって合意文書を採択し、次のステップに進むことを確認しました。(ワルシャワ=浅田信幸)

COP19は、▽2015年に温室効果ガス排出削減の新しい国際的枠組みで合意するための道筋を確定する▽20年の新枠組み発効までの期間の排出削減目標を底上げする―という二つの大きな課題がありました。
地球温暖化対策では、気温上昇を産業革命前から2度以下に抑えることが国際的な合意になっています。国連気候変動政府間パネル(IPCC)が9月に発表した報告は、この2度目標の達成がますます厳しくなっており、排出削減が急がれることを強く警告したものでした。



COP19の閉会総会=23日、ワルシャワ(ロイター)

「各国任せ」の困難
COP19では、新枠組み合意に向けて、各国が削減目標を含めた対策(貢献)を15年末までに提出することが決まりました。しかし、各国任せの貢献が適切かどうかを検証する仕組みは設けられませんでした。これは欧州連合(EU)などが強く求めていたものですが、経済成長を優先させ削減目標の義務化に反発する途上国の強い意見で見送られました。
20年までの目標底上げでは、最低でも1990年比で25~40%の削減が必要だとされていますが、これも現在、各国任せで提示されている目標水準ではこれに届きません。この課題で、COP19は各国に対策の改善を呼びかけるだけで、具体的な目標を設定できませんでした。
「目標引き上げの議論をしているときに、逆行している国がある、大変失望している」「先進国が対策を後退させているのに、なぜ途上国が対策を強化しなければならないのか」
日本の非政府組織(NGO)の気候ネットワークが出した「ワルシャワ会議(COP19)結果速報」によると、安倍政権による05年比3・8%減(90年比3・1%増)という目標発表に対し、途上国からはこうした声が噴出したといいます。
日本の発表は議論の展開に水をさし、“先進国こそが率先して20年の排出削減努力をすべきだ”という主張を強め、法的拘束力を持った温暖化防止策への途上国を含む「すべての国」の参加をいっそう困難にしたのです。

途上国新しい動き
日本のNGO「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議」(CASA)は声明で、COP19は「その任務を果たせなかった」とし、「要因のひとつは、明らかに日本の増加目標である」と断じました。
他方で、途上国側の対応も単色では描けない新しい動きが現れています。「独立ラテンアメリカ・カリブ海諸国連合」(AILAC)がそれ。昨年のCOP18(ドーハ)で結成され、コロンビア、コスタリカ、チリ、ペルー、グアテマラ、パナマの6力国(これにドミニカ共和国が支持)で構成されます。
AILACは、「共通だが差異ある責任」は温暖化対策を遅らせるための原則でなく、それぞれの能力に応じて対策を進めるための原則だとし、途上国もやれることは自分たちでやるのだと主張します。
どちらかというと、いわゆる親米派政権の国々の連合ですが、CASAはその動きに注目し、「交渉のダイナミズムは特に途上国の中で大きく変化していると言える」と指摘しています。
いずれにせよ、温暖化防止のため温室効果ガス削減は待ったなしの課題。世界第3の経済力と、5位の排出量を持つ日本がまず後ろ向きの姿勢を改め、世界と人類の未来に責任を果たすことが求められています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月28日付掲載


COP19では、いろいろ問題がありましたが、新枠組み合意に向けて、各国が削減目標を含めた対策(貢献)を15年末までに提出することが決まりました。
また、「独立ラテンアメリカ・カリブ海諸国連合」(AILAC)は、、「共通だが差異ある責任」は温暖化対策を遅らせるための原則でなく、それぞれの能力に応じて対策を進めるための原則だとし、途上国もやれることは自分たちでやるのだと主張します。
希望ある取り組みですね。

進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る② 手作り工房を身近に

2013-11-28 17:32:44 | 経済・産業・中小企業対策など
進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る② 手作り工房を身近に

墨田区には、押し絵羽子板やべっ甲、打ち刃物などの伝統技術、さらに野球グローブや足袋、時計など、手作りを原点として、製品をつくり続ける事業所があります。

事業所を活用
区は1985年から、道具や製品を展示した「小さな博物館」、工房併設の店舗である「工房ショップ」、優れた技術者を「すみだマイスター(親方)」に認定する「3M(スリーエム)運動」をすすめてきました。3Mは英語の博物館、工房ショップとマイスターの頭文字をとったものです。区は店舗維持費や改装費の一部を助成し、区内外への宣伝も行います。
技術者が工房や道具をそのまま活用し、製品のつくり方や思いを来訪者に伝えられます。店舗を訪れたことがきっかけで、職人になった人もいます。
屏風(びょうぶ)店を営む片岡恭一さん(58)の工房ショップと博物館には、今年1月以降1000人を超える人が訪れ、屏風作りを体験しました。屏風の内部や開閉のための構造、その歴史も話します。片岡さんは、「さまざまな場所で屏風を目にしたときに、聞いたことを思い出し、伝統工芸を身近に感じてもらえればうれしい」と話します。
江戸切子職人の作業見学や体験学習ができる「すみだ江戸切子館」には、昨年、70校を超える小・中学校の児童・生徒と一般客が訪れました。廣田達夫館長(70)は、「職人は、自分の技術に安住することなく、新しい技や製品に挑むことが必要です。工房をオープンにし、お客様とやりとりすることで、使い勝手やデザインなどへの要望が分かり、新しい製品を生み出すことができます」と話します。



ガラス製品製造会社を訪れたスミファ参加者

学校の教材に
今月8~10日には製造業の事業所や3M運動の工房、飲食店を参加者が徒歩や自転車、バスで巡る「スミファ」(すみだファクトリーめぐり)が行われ、4000人を超える区民、観光客が参加しました。参加者は、ものづくりの現場を直接目にし、従業員と会話を交わすことができました。
事業所の後継者などが実行委員会を結成して運営。区は広報や財政面を援助しました。副実行委員長の斉藤靖之さん(37)は「住民のすぐ隣にある工場がどんな仕事をしているのか、見て知ってほしい。それが地元産業を応援することにつながる」と話します。
ガラス製品の製造会社やすみだ中小企業センターを見学するツアーに参加した女性(34)は、近所で見かける事業所に関心があったといいます。製造作業を間近に見て、「いくつもの手がかかわって製品ができていることを改めて感じました」と話しました。
区では小・中学生が区のことを学ぶ副読本で、商業や製造業のことをとりあげています。小学生は商店や工場の仕事、3M運動を学び、中学生は、区の職員の工場訪問を出発点に中小企業振興基本条例を制定して中小企業政策を積み上げてきた歴史や区の施策を学びます。
同区の高野祐次産業観光部長は「事業所や商店のことを学ぶことが、ものづくりのまち・墨田を理解することになる。将来、ものづくりの担い手がうまれることにもつながればと思う」と話します。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月28日付掲載


区民や観光客が、ものづくりの現場を直接目にして、従業員と会話を交わすっていう取り組みはいいですねえ。
小さな博物館、工房ショップ、親方(マイスター)で3M(スリーエム)。博物館はミュージアム、親方はマイスターでわかるんですが、工房はスタジオでしょ。なんで3Mになるんでしょうか?

進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る① 路地回って相談活動

2013-11-27 15:54:54 | 経済・産業・中小企業対策など
進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る① 路地回って相談活動

中小企業の振興を図る目的で地方自治体が制定する中小企業振興条例は、全国に広がり、今では26道府県、110区市町(中小企業家同友会全国協議会調べ)に上ります。日本共産党の提案に基づいて1979年、全国に先駆けて制定した東京都墨田区では、多様な支援策が取り組まれています。(川田博子)



「こんにちは、調子はどうですか」―すみだ中小企業センターの技術担当相談員の土井修典(しゅうすけ)さん(71)が、機械の軸受けなどの金属加工をする会社を訪ねました。土井さんは特殊な機械の図面を社長に示し、「この部品を一度作ってみませんか」ともちかけました。

自転車で回る
区内には機械・金属、皮革やニットなどのファッション、印刷・紙器関連の製造業、3705(2012年経済センサス速報値)の事業所が住宅に交じり点在。その6割が従業員4人以下です。
センターが最も力を入れているのが、相談活動です。取引担当と技術担当合わせて17人の相談員が交代で、事業所へ出向く「御用聞き方式」で訪れます。車が通れない路地もあり、自転車で回ります。
事業所からは、自社の開発商品の販売先や各種展示会への出展方法、製品広告の仕方などのさまざまな相談が寄せられます。製品の加工方法や機器の使い方などの技術的な相談もあります。12年度の訪問企業数は1952社にのぼりました。
取引担当相談員の弥冨尚志(いやどみ・なおし)さん(49)は「『複数工程に対応できる企業を紹介してほしい』との区外企業からの取引要望を各企業につなぐなど、受・発注相談に力を入れています」と話します。



金属加工会社の工場長と話す土井修典さん(右)

セミナー開く
センターの建物内でも定期的に、技術や取引相談、融資などの商工相談を無料で行っています。加工や設計技術、測定機器の使い方や経営を学ぶセミナーも開催しています。弥冨さんは「技術力の向上はもちろん、販路拡大や経営や営業力をつけることにも力点をおいています」と話します。
センターは、多方向から素材を加工できる機械や3次元の測定器などの各種工作、測定機械も備え、低額で利用することができます。
墨田区では1977年から2年間かけて、職員180人が製造業約9000社に足を運び、中小製造業と卸売業・小売業の全事業所の実態調査を実施。調査結果を踏まえて施策をすすめる基本指針として中小企業振興基本条例が制定されました。この調査結果が企業台帳として整備され(4年ごとに更新)、今も企業を知る生きた情報として役立っています。
製造業の海外移転や製品輸入、長引く不況の厳しい波のなか、日本の製造業は減り続けています。墨田区でも96年には7033だった製造業事業所は3705に減り、従業員数も減少傾向です。ものづくりの町を守ろうと同センター職員の奮闘が続きます。
(つづく)(この連載は4回です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月27日付掲載


センターの職員たちが相談に来るのを待っているのではなくって、実際に事業所に出かけて行って相談に乗るっていうのはいいですね。
事業者がなかなか聞きにくいことも聞き出すことができるでしょうし、なにしろ現場をみることで、別の視点でアドバイスできるでしょうから。

軽自動車税の増税計画 TPP“入場料”で庶民の足に重税

2013-11-25 21:02:41 | 経済・産業・中小企業対策など
軽自動車税の増税計画 TPP“入場料”で庶民の足に重税

安倍内閣が軽自動車の大増税を計画しています。総務省の「検討会」が報告書(10月31日)に明記しました。四輪車だけでなく、原付を含む二輪車も増税の方向を打ち出しています。政府・与党が年末に向けた税制改正で議論します。
この問題の発端は、消費税率の10%への引き上げを定めた消費税増税法(2012年)の中に、自動車関係諸税の「見直し」が盛り込まれたことです。これを受け、13年度「与党税制大綱」は、消費税10%の時点で自動車取得税を廃止し、その財源を関連税制の見直しで確保するとしました。
別の方向から増税を迫ったのはアメリカです。環太平洋連携協定(TPP)交渉にからんで、アメリカから軽自動車税は「非関税障壁」だとやり玉に挙げられました。軽自動車の優遇が、日本市場での米国車の販売を妨げているという、言いがかりとしか言いようのない要求です。
取得税廃止の財源を確保し、TPPの“入場料”としてアメリカの要求に応える―。「一石二鳥」とばかりに、軽自動車増税が急浮上しました。

四輪乗用車の軽自動車税は年7200円。自動車取得税と軽自動車税の税収は、ほぼ同規模。単純に計算すれば、自動車取得税廃止の穴を埋めるため、軽自動車税は1万4000円程度に倍加されることになります。
軽自動車税の前身は戦前からの「自転車税」です。自転車は当初はぜいたく品として課税され、広く普及した後も戦費調達のために課税され続けました。1954年、自転車税は荷車税と統合されて「自転車荷車税」となり、ようやく58年に廃止。それに代わって軽自動車税が新設されました。
排気量360ccエンジンの搭載から本格的に普及した軽四輪車は、その後、数度の規格変更を経て、660ccに拡大されました。現在は、自動車の全保有台数の4割近くを占めています。
軽自動車は、かつての自転車のように、国民にとって欠かせない「足」になっています。
日本自動車工業会の最新の「軽自動車の使用実態調査報告書」(12年3月)によると―。
①女性や高齢者の保有率が高く、保有世帯の年収も400万円未満が約4割を占める。
②所得が低い過疎地ほど保有率が高い。
③鉄道やバスなど公共交通機関の減少が軽自動車保有率を高めている。
④保有者の72%が「ほとんど毎日」使用し、約8割が通勤・通学や買い物に使っている。
⑤狭い道路が多い地域で保有率が高い。
軽自動車が庶民、地方の生活必需品になっている姿が浮き彫りになっています。
スズキの鈴木修会長は「軽自動車は所得の比較的少ない方々が生活や商売のために利用している」とのべ、軽自動車税の増税は「弱いものいじめと感じる」と語っています。軽自動車の増税は、低所得者ほど所得に対する負担割合が高い消費税の増税と同じで、まさに庶民いじめです。
関本秀治(せきもと・ひではる税理士)

【自動車重量税】
新規登録や車検のたびに重量に応じて課税される国税。道路特定財源として創設され、後に一般財源化。約4割を市町村に譲与。
【自動車取得税】
所得価格に応じて課税される都道府県税。道路特定財源として創設され、後に一般財源化。約7割を市町村に交付。
【自動車税】
排気量660cc超の自動車に毎年、排気量や貨物積載量に応じて課税される都道府県税。
【軽自動車税】
排気量660cc以下の四輪、原付を含む二輪に毎年課税される市町村税。

「しんぶん赤旗」日曜版 2013年11月24日付掲載


写真撮影で地方の海岸部や山間部に時々出かけますが、そこで走っている車はほとんどが軽自動車です。
都市部では普通車の方が圧倒的に多いので、軽自動車が自動車の全保有台数の4割というのは異質に感じられますが、全国的にはそうなんですね。
そんな庶民の足、仕事の足として使われている軽自動車の毎年毎年の税金を2倍にも負担を増やすなんて許されませんね。