きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

原発とテレビ⑤ 「ただちに影響はない」

2011-09-30 22:09:04 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
原発とテレビ⑤ 「ただちに影響はない」

 福島第1原発事故直後から、テレビの原発報道は国民の疑問の声にさらされました。農産物や水道水から基準値を超える放射性物質が検出されるたび、「安全」「ただちに…影響はない」という政府や専門家の説明を繰り返したためでした。



市民らが調査
 「ニュース番組の原発報道は信用できるのか」という疑問を、詳細なデータで裏付けた報告書があります。まとめたのは、放送関係者や市民でつくる「放送を語る会」。4月1日から1カ月間、NHKと民放4局の主なニュース番組(10番組、のべ約180時間)をモニター調査し、8月末に公表しました。
 4月といえば、原発事故の深刻度を示す「国際原子力事象評価尺度」の暫定評価が最悪の「7」に引き上げられる(12日)など、「各社のニュースを比較検討できる絶好の機会」(報告書)。同会では「報道された内容」(レベル7の引き上げ問題や放射能汚染の状況など6項目)、「報道姿勢の特徴」の項目に沿って検証しました。
 報告書では、「レベル7」への引き上げを各局ともトップニュースで伝えたものの、一様に「チェルノブイリ事故に比べ格段に規模は小さい」とした専門家の解説を付けていたと指摘します。
 放射能汚染の状況も、「『健康に影響ない』という政府と専門家の見解をストレートに伝えていた」と分析。公共放送のNHKですら、「100ミリシーベルトまでなら問題ない。洗えば落ちる」(山下俊一・長崎大学大学院教授、4月1日「ニュースウオッチ9」)、「放射能だけでなく、いろいろな危険の中で我々は生きている」(廣瀬弘忠・東京女子大名誉教授、4月7日同番組)などのコメントを伝えました。
 「報道姿勢の特徴」はどうでしょう。ゲストに原子力行政に批判的な学者や研究者が4月は1人も登場せず、「原発そのものを問う立場の意見なり世論が、明確に排除されている」と結論付けています。
 原発依存・推進の報道を基調に据える背景として「メディアとスポンサーの東京電力の癒着」をあげます。一例がフジテレビ。「フジテレビ・ニッポン放送を傘下におさめる『フジ・メディア・ホールディングス』の監査役には、南直哉元東京電力社長が居座り続けている」

自律の機会に
 事故から半年。同会の小滝一志事務局長は、「ニュースは基本的に政府発表の原子力政策に寄り添っている」と危惧し、ニュース番組の担当者宛てに報告書を送ったといいます。「毎日のニュース報道が、世論の形成に大きな影響を及ぼします。ぜひ、自らの番組を検証してほしい」
 原発事故は、政府や官界、財界・電力会社、学会、メディアまでもが加わった「原子力村」が、「安全神話」を作り上げたことを浮かびあがらせました。報告書は、こう結んでいます。
 「今回の事故はそうした悪しきしがらみを絶って、報道機関がジャーナリズムとして自律できる絶好の機会なのではないか」
(おわり)連載は渡辺俊江、山本健二、佐藤研二が担当しました

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月27日付掲載



何かと言えば、「ただちに健康に影響はない」と繰り返す枝野さんの姿が思い浮かびます。
当時、日夜休みなく対応されたことには「ご苦労様」と言いたいですが、その対応の中身はあまりにも被災者の心情からかけ離れていました。
また、「ただちに健康に影響はない」などと、科学的根拠のないことを発言すること自体、許されない事だと思います。
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原発とテレビ④ ただちに福島の現場へ

2011-09-28 22:40:30 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
原発とテレビ④ ただちに福島の現場へ


 原発導入の国策のもとでテレビが宣伝の役割を担う一方、それとせめぎ合うように原発の危険性を問う番組が作られてもきました。福島第-原子力発電所の事故が発生した今、少なくない番組制作者が原発の問題に向き合おうとしています。

再放送の要望
 3月11日の事故から4日後、放射線衛生学研究者・木村真三さんとNHKのスタッフを乗せた車が東京から被災地へ向かっていました。目指すは福島第1原発。テレビは繰り返し、「ただちに人体への影響はありません」という枝野幸男官房長官(当時)の記者会見を流していました。
 事故直後の福島へ入り、放射能汚染の実態と住民の姿をとらえたETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」(5月15日)はこうして制作がスタートします。スタッフの一人、七沢潔さんが17日に開かれた、放送を語る会主催の「放送フォーラム」で、取材の模様を報告しました。
 七沢さんは、NHK放送文化研究所の主任研究員。1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の影響を調査したNHK特集「放射能食糧汚染」(87年)、ドキュメンタリー’90「原発立地はこうして進む~奥能登・土地攻防戦」(90年)を制作。2004年に研究所へ異動となりますが、福島の事故でETV特集の取材チームに参加するよう要請されます。福島へ同行した木村さんとは3年前にチェルノブイリヘ調査に行った間柄でした。
 今回の取材は防護服など万全の準備で出発したこと、30キロ圏から中へ入るときは風向きまで考慮したこと。七沢さんの話は臨場感が漂います。番組には再放送の要望が殺到しました。
 「原発は、人が生きてきた生存基盤を根こそぎ奪う。番組が支持されたのは、そのことへの怒りを感じた人が多かったからと思います。原発は本当に罪深いと感じました」





批判的視点を
 原発事故の責任は、国と東京電力にあります。
 「そこが発表するものにテレビが依存しては、いかんわけですね。批判的なものを持っていないと。公共放送は視聴者が何を知りたいか、その視点を持つことです」。七沢さんの話にフォーラム参加者は聞き入ります。
 「放射能汚染地図」は、今年のJCJ大賞に審査員の満票で選ばれました。8月の授賞式で七沢さんは、原発を問う歴代のNHK番組とそれに関わったスタッフ一人ひとりの名をあげて、その蓄積が今回の福島取材につながったことを話しました。
テレビが総じて「安全神話」を振りまく中で、70年代は原発反対の住民運動を伝え、80年代以降は事故や放射性廃棄物などの問題を問いかけ、原子力を科学的に検証する番組が出てきたことも事実です。
 しかし、“クリーンなエネルギー”“快適な生活”という新たな「安全神話」を復活させてしまったのではないか。「テレビの責任をはっきりさせたい。放送局は変わらなければいけない」。福島の事故を機に心ある放送人の間では、そんな思いが強くなっています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月26日付掲載



NHKのETV特集で「放射線地図」作成の取り組みが紹介されています。
特に、3番目の特集で、実際に民家を除染しようとすれはどれほどのことが必要なのか紹介しています。
NHKが取材で結びついた、小さな子どものいるある家庭の民家を二本松市総がかりで除染しています。たった一軒の除染でこれだけ大変なのだから、すべての家屋の除染をするとなると途方もない経費がかかります。自治体任せにはできません、国や東電に最後まで財政的責任を取ってもらわないといけません。


【ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~】

【続報 ネットワークでつくる放射能汚染地図】

【ネットワークでつくる放射能汚染地図 3 子どもたちを被ばくから守るために】
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原発とテレビ③ 極秘番組に労組が抗議

2011-09-27 20:48:18 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
原発とテレビ③ 極秘番組に労組が抗議

 現在ある54基の原発で1970年代に計画、着工したものは31基に上ります。これにたいして、志賀(石川)や浜岡(静岡)など、各地で放射能への不安を持つ住民らによる反対運動が盛んになります。
 東京12チャンネル(現・テレビ東京)が、安全神話をPRする2回連続の番組「原子力発電は安全か」を制作したのは71年10月のことです。



1970年代、住民の反対運動が起きた中部電力浜岡原子力発電所


電力9社提供
 識者が原発建設予定地の住民の疑問に答えるというのが、その内容です。出演者は、後に原子力安全委員会委員長を務める都甲(とこう)泰正東大教授、当時の通産省原子力課長ら推進側の人物ばかりでした。
 東京12チャンネルの労働組合は放送当日、スタッフの内部告発で番組のことを知ります。秘密裏に制作が進められていたのです。
 組合員は、入手した台本にスポンサー名がないと気付きます。後に提供者は、国の所管で原子力普及に努める日本原子力文化振興財団と判明。当時、書記長を務めていた亀井洋二さん(74)は、「電力9社が金を出し合い、広告代理店を通じて放送局に制作を迫ったのが実態です」と話します。
 番組は全国の地方局でも放送されることになっていました。北海道、青森、宮城、福島、新潟、石川、福井、島根、愛媛、佐賀、鹿児島の計11局。いずれも原発建設予定地でした。
 これほど露骨な意向が見える番組に、亀井さんは「12チャンネルは財政難の続く時期。イメージの悪い番組でも、大金をぶら下げられたら弱い部分が他局よりもあった」。


確認書
「原子力発電は安金か」の放映についてこの番組は一方的な安全性PR番組で、科学的な正確さを欠いているという鋤職があつたことを考慮し、反対データを検討した上で、反対意見を充分反映した番組を放送する。
昭和46年10月26日
日本科学技術振興財団
テレビ事業本部編成局長
東京12チャンネル労組らが局側と交わした「反論番組」の確認書(『放送レポート』1972年1月の創刊号から)



放送中止局も
 労組は200人の大量首切り撤回を求めてたたかい、4年がかりで70年に勝利しました。原発PR番組に対しても放送直前、局側に団体交渉をして中止を求めました。局側が放送を強行した後も、労組は取り組みを拡大。日本労働組合総評議会、原水爆禁止日本協議会などとも連携して抗議団を組織しました。
 抗議団は局に中止と反論番組の制作を要求。局は原発番組の内容が一方的だと認め、「反対意見を十分反映した番組を放送する」とした確認書を作りました。
 反論番組は実現しませんでしたが、地方局の労組の間からは、「原子力発電は安全か」を放送することに抗議が強まりました。日本民間放送労働組合連合会(民放労連)によると愛媛・南海放送は「局の放送基準に合わない」と放送を中止。石川・北陸放送は、コ方的PRをやっているような誤解を視聴者に与えるおそれがある」と番組を差し替えました。
 亀井さんは、「東電福島第1原発の事故が発生し、自分たちが最初からたたかってきたことは正しかったと、改めて確信しています」と語ります。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月24日付掲載



自主的に放送中止したくても、お金で首根っこを捕まれていては、したくてもできなかったのでしょうね。
でも、労組の働きかけで放送番組の供給をうけている地方局では放送中止できたのですね。
やっぱり闘わないといけないのですね。
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市民のいのちとくらしを守る神戸市政に 要求実現めざす市民集会

2011-09-26 18:36:27 | いろんな取組み
市民のいのちとくらしを守る神戸市政に 「要求実現めざす市民集会」が9月25日、神戸市立新長田勤労市民センターで開催されました。

 この間、「ストップ!神戸空港の会」「保育所民営化反対」などの従来の運動に加え、「国民健康保険料値下げ」「敬老パス有料化ストップ」「中央市民病院移転反対」などの新たな運動が起こっています。
 署名や宣伝運動とともに議会への請願も活性化、共産党神戸市会議員団の議会での追及、予算懇談会の開催なども進んでいます。
 これらの活動を通じて、要求団体や会の運動の発展とともに、個々の運動を束ね神戸市政に要求をかかげる「恒常的な共同組織」を求める機運が高まり、昨年からの準備の集まりを続けて、今回の結成にいたったそうです。



01 開会あいさつ 津川知久
01 開会あいさつ 津川知久 posted by (C)きんちゃん
開会のあいさつを、兵庫県労働組合総連合議長の津川知久さんがしました。


02 記念講演 二宮厚美_01
02 記念講演 二宮厚美_01 posted by (C)きんちゃん
神戸大学発達科学部教授の二宮厚美さんが、「社会保障・税一体改革と自治体」と題して、記念講演をしました。

 社会保障・税の一体改革の本当の意味。消費税を社会保障の目的税化してしまったらいったいどうなるか。
 「高い消費税を我慢するか」「低い社会保障で我慢するか」の我慢比べの競争になる。
 社会保障が憲法で保障する権利でなくなり、「共助・協働」、一般の民間保険のようになってしまう。
 自治体の財源も、地方交付税のカット、保育所運営などに国から支給される特定の予算がカットされて、一般財源のなかでまかなわないといけなくなる。
などなど、とんでもない中身です。
国政の問題だけど、自治体や市民生活に密接にかかわっているのです。
なんとしても中身を広く知らせて、世論を喚起していかないといけないという事です。


【二宮さんの講演内容(音声)】
1時間28分あります。

02 記念講演 二宮厚美_02
02 記念講演 二宮厚美_02 posted by (C)きんちゃん


続けて、神戸市会議員の山本純二さんが、「矢田神戸市政10年の評価と課題」と題して報告しました。
03 報告 矢田市政 山本純二
03 報告 矢田市政 山本純二 posted by (C)きんちゃん


兵庫県労働組合総連合事務局次長の北島隆さんが、「神戸・市民要求を実現する会の設立と今後」と題して報告しました。
04 報告 会の設立と今後 北島隆
04 報告 会の設立と今後 北島隆 posted by (C)きんちゃん


最後に、兵庫県社会保障推進協議会神戸市協議会議長の森口眞良さんが、「市民の命とくらしを守り雇用と営業の改善をもとめる要望書」を提案して採択しました。
05 提案と採択 森口眞良
05 提案と採択 森口眞良 posted by (C)きんちゃん


閉会のあいさつを、兵庫県商工団体連合会神戸市協議会議長の村上健次さんがしました。
06 閉会あいさつ
06 
閉会あいさつ
posted by (C)きんちゃん

これからの恒常的な運動体として発展していくことを期待します。
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安斎育郎さんと考える放射能汚染⑨ 被ばくはできるだけ低く

2011-09-25 20:52:15 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
安斎育郎さんと考える放射能汚染⑨
被ばくはできるだけ低く


 福島原発事故では国が、年間20シーベルト以上の被ばく線量を避難区域設定の基準にしています。今回は放射線防護の考え方を紹介します。
 各国に放射線防護の安全基準を勧告しているのは、非政府機関である「国際放射線防護委員会」(ICRP)です。日本の法律も、国際放射線防護委員会の勧告に依拠しています。1950年の発足以来、累次の勧告を行っています。その中から放射線防護の原則を紹介します。
 考え方の基本は、「余計な放射線は、極力浴びないようにすること」。これに尽きます。この原則を、現実の事態に直面してどう貫くかがポイントです。
 国際放射線防護委員会の原則の第一は、放射線被ばくを伴う行為には、被ばくに見合う利益が必ずあって、被ばくが正当な理由によって裏打ちされなければならないという原則です。これは、「正当化の原則」と呼ばれています。
 第二の原則は、「放射線は合理的に達成できうる限り、低く保たなければならない」というものです。「最適化の原則」とも呼びます。
 この原則の前には「経済的・社会的要因を考慮に入れて」という説明があります。被ばくを軽減できる場合でもそのことに要する費用が、線量の軽減で得られる利益よりも大きければ、被ばく量をあえてそれ以上、下げる必要はないというニュアンスを含んでいます。
 国際放射線防護委員会の勧告には、原子力産業の経済合理性を追求する傾向が反映されています。「被ばくは低いほど良い」とする原則の具体化にあたっては、「もっと低く」と求める私たちと、「それ以上はごかんべんを」と抵抗する側とのせめぎあいがあるのです。
 私たちの考え方からすれば、第二原則は「被ばくはなるべく低く」ということに尽きます。
 第三の原則は、個々人の放射線被ばくは、どのような場合であっても、国際放射線防護委員会が勧告する線量制限値を超えてはならないということです。これを「線量限度順守の原則」といいます。




低線量とがん
 これまで人類は、広島・長崎の原爆被災やチェルノブイリ原発事故など、いくつかの被ばく体験をしてきました。大量の被ばくをした場合の影響はかなりはっきりしてきたのですが、多くの人が少しずつ被ばくをした場合、どのくらいのがんにかかるのかはまだ、確定的なことがいえない段階です。広島・長崎の被爆者約10万人を対象に調べたデータでも、100~200ミリシーベルト以下の領域では明らかながんの増加は認められていないということです。
 しかし、そうはいっても低い被ばくレベルでも低い確率なりに細胞が傷つけられますから、がんが起こる確率は高まると思ったほうがいいと考えられます。そこで、低い被ばく線量の場合でも、証拠は不十分ながら、低いは低いなりに、がんの危険を背負い込むと考えるのが、放射線防護の基本になっています。
 低線量の場合に線量とがんの発生率の間に「正比例関係」があるのか、線量が2倍になるとがん発生率は2倍以上になるのか、あるいは、そんなに増えないのか―。データがないので「仮説」をたてなければなりませんが、この「仮説」の立て方によって、低い被ばく領域でのリスク係数の評価がかなり違ってきます。
 この問題は「現在進行形」で「流動的」です。分からないから安全なのではなく、分からないからこそ、できるだけ被ばくを減らす姿勢が大事だと思います。

国際基準とは
 放射線を扱う職業人の場合は5年間の平均が年間20ミリシーベルトです。一般公衆は、年間1ミリシーベルトが制限値とされています。一般公衆が職業人より低いのは、胎児や乳幼児など放射線感受性の高い層も含まれているなどの理由です。歴史的にも相対的に低い値が勧告されてきました。
 年間1ミリシーベルトという被ばく線量の制限値が定められたのはどういう理由からでしょうか。
 国際放射線防護委員会は全身が均等に10ミリシーベルト浴びた場合、晩発的影響により何らかのがんで死亡する割合は「1万人に1人」程度と評価しています。この数字は、少し古いですが1977年の勧告の中で発表された数値です。
 国際放射線防護委員会は、一般公衆については、年間10万~100万人に1人程度の死のリスクは社会的に容認されているという考え方を前提にしています。そうすると、「10万人に1人」の死亡のリスクに対応する一般公衆の線量限度を考えていくと、「年間1ミリシーベルト」になるというわけです。つまり、年1ミリシーベルトの基準は、「年に10万人に1人ががんで死亡するリスク」を前提としているといえます。
 しかし、前に述べたように、この数字も絶対的なものではなく、絶えず低くする努力が必要です。

「しんぶん赤旗」日曜版 2011年9月25日付掲載



今回の福島原発事故による一般人の被ばくは、チェルノブイリに続く、広大な地域における比較的低い線度の長期間に及ぶ被ばくになります。
この問題は、「現在進行形」で「流動的」なのです。

安斎さんの言われるように、「分からないから安全なのでなく、分からないからこそ、できるだけ被ばくを減らす姿勢が大事」とは、国民も行政も国も肝に銘じて取り組んでいかないといけないと思います。
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