「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。
ネット選挙を振り返って② 双方向に「芸細かい」と反響が
田村一志・党宣伝局次長に聞く
―有権者の反応という点ではどうですか。
田村 「カクサン部」のホームページには開設してから3週間で157万のアクセスがありました。ゆるキャラを作った政党は他にもありましたが、政策を真正面から伝えたのは共産党だけです。
たとえば、「雇用のヨーコ」が選挙中に安倍晋三首相が宣伝した「60万人雇用増」のごまかしを批判したツイートには一気に、557件のリツイートがありました。ある無所属県議は「雇用のヨーコさんて、共産党の公式キャラ。他にも何人かいてそれぞれの専門分野のつぶやきをしている。他党と比較して、ネット選挙で一歩先行している感じがする」と拡散。「雇用のヨーコ」がその人に「ありがとうございます」と返信すると、「おー、まさか本人から返信がくるとは。芸が細かいですね」と。政策をゆるやかに発信するだけでなく、双方向でやりとりすることになりました。
3日放映のTBS系番組「情報7days」は日本共産党を特集し、「カクサン部」の取り組みを紹介しました(同番組から)
また、「生放送!とことん共産党」を含め、志位和夫委員長や市田忠義書記局長の街頭演説、記者会見など動画サイトでのライブ中継も重視し、のべ14万5500人が視聴しました。
選挙では「LINE(ライン)」も開設し、のべ4万5000人が登録してくれました。選挙後、「共産党の発信した情報はどうでしたか」とアンケートをとったら約1000人が回答し、「初めての選挙で、ラインで共産党を選びました」(20歳の看護大学生)、「共産党員ではありませんが、憲法改正に反対なところは、共産党のみなさんと同じ考えです。暴走を止めてください」(33歳の女性)などの声が寄せられています。万単位で若い人たちと結びついた力を今後に生かしたいと思っています。
―今後の抱負など。
田村 選挙後、共産党への注目がうんと広がっています。「カクサン部」も活動継続になったので、わかりやすく楽しい、しかも中身のある情報、政策の発信を強めたい。
選挙の自由を拡大したネット選挙運動を踏まえ、識者からも公職選挙法の見直し論が出ています。日本共産党はネット選挙運動の解禁とあわせ、同法の抜本的見直しを求めてきました。今回を機に“べからず法”となっている公職選挙法の理念そのものを見直すべきだと思います。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月11日付掲載
中身のある政策を「双方向で」やり取りしたことに値打ちがあったのですね。「カクサン部」の活動も継続したので、今後の情報発信、政策の実現のためのやり取りが大事ですね。
ネット選挙を振り返って① 草の根の力 全国で発揮
田村一志・党宣伝局次長に聞く
7月に行われた参院選から解禁されたインターネットを利用した選挙運動。「共産躍進にネット効果」(「毎日」7月31日付)など日本共産党のとりくみに注目が集まっています。日本共産党宣伝局の田村一志次長に、党のネット選挙運動のとりくみなどを聞きました。
―「日本共産党カクサン部!」はいろいろなメディアが取り上げ、話題になりましたね。
田村 一番印象的なのは、米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(7月20・21日付)です。日本共産党の主張と対極的な論調を掲げる同紙が1面と中の面で特集し、「日本共産党ほど全面的にネット選挙戦略を繰り広げている政党はない」と論じました。
共産党のネット選挙運動がこれほど話題になったのはなぜか。共産党が2万以上の党支部という草の根の組織を持ち、それがネット選挙運動でも発揮されたからだと思います。
私たちは参院選に向け「国民に溶け込み結びつく力」を重視し、そのなかでSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用を強め、全国の党組織も努力してきました。「毎日」7月31日付は、ネットの双方向性を生かした有権者との政策対話を与党や民主党が避けたことを指摘したうえで、「支持者を巻き込んでの組織戦にツイッターを活用したのが共産党だ」と私たちが展開したネットの双方向性に注目しました。やはり草の根の組織の力が発揮されたと思います。
「日本共産党力クサン部!」を1面で紹介する米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(7月20・21日付)
―各地でSNS学習会や交流会も開かれましたね。
田村 各地の党組織で自前の学習会や交流会が次々開かれ、「舌がんで声が出ないが、ツイッターなら自分の言葉で共産党を語れる」(岡山)、「“八十の手習い”でやってみよう」(長崎)など、多くの党員の方がSNSに初挑戦しました。
大阪では20地区委員会中14地区で学習会を開きました。これを力に、参院大阪選挙区で当選した辰巳孝太郎さんをフォロー、シェアしようと呼びかけのビラを「しんぶん赤旗」日曜版に折り込みました。辰巳さんについてリツイート(引用・転送)で拡散してくれたフォロワーを合算したら二十数万人まで確認できたそうです。
ネット選挙運動は、選挙の担い手も広げました。「電話かけは苦手だった」という広島県の民青同盟の女性(30)はフェイスブックで「消費税増税は困ります。実家を出て一人ぐらしで増税されたら大変です」と、初めて同級生たちに支持を訴えたそうです。
全国各地でいろんな人が、いろんな努力をした。その総体が「カクサン部」への注目、党の発信力、拡散力につながったわけです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月10日付掲載
「ネット選挙」というと若者が中心という感じがしますが、共産党の場合は高齢者などベテランの党員も含めて、情報発信して双方向で交流し合ったのですね。草の根の力です。
国民の期待担って 比例当選議員に聞く⑤ 仁比総平さん(49)
暴走に立ち向かう力に
みなさん、やりましたね。NHKで私の当選確実がでたのは開票日翌日の朝6時5分でした。一睡もしないまま、8時から福岡市博多駅前で公約実現に頑張ると街頭演説をしましたが、駅前で万歳を叫びたい気分でした。
比例定数48議席の46番目。それだけに「私の広げた一票一票が比例5議席まで押し上げた」「私の頑張りがなかったら届かなかった」と日本中、とりわけ西日本17県で喜びが爆発しています。
参院選期間中に訪ねられなかった中山間地や離島の地方議員に選挙後電話しました。長崎県五島市は離島で夜6時で投票が終わるのですが、党員・支持者は夜8時まで日本中の親戚や知り合いに棄権防止の電話をしたと聞き、胸が熱くなりました。文字通り「全国は一つ」「マイ名簿で」が実ったのですね。
議席を失ってからの3年間、民主党政権が国民を裏切り、東日本大震災と原発事故、そして安倍政権の復活と暴走が始まりました。政治への国民の閉そく感が広がりました。
私たちは今度の選挙戦で“日本共産党が伸びれば必ず政治は変わります”と訴えました。この訴えに515万票の1票を託してくださった国民のみなさんの期待に必ず応えたい。全力をあげます。
特に印象的だったのはこれまで自民、公明党を応援していたという方々からも「暮らしは崖っぷち」「TPP断固反対」「原発再稼働だけは許せない」、そして「憲法に手をつけるな」
の声を託されたことです。
選挙の最終盤、テレビで安倍首相が「憲法9条を変える」と本音をいい、石破自民党幹事長が“国防軍の出動命令に従わなければ軍法会議で死刑”と発言したことが、衝撃を広げました。国民のなかの立場を超えての「憲法を守り生かそう」という思いが確かめられたことは、これから安倍政権の暴走に立ち向かう上で本当に確かな力だと思います。
自民党、公明党が国会で多数を握ったといっても、どの問題でも深い矛盾をかかえています。自民党は「日本国憲法改正草案」を国会に持ち込もうとしており、改憲のハードルを下げようとしています。集団的自衛権の行使も狙っています。しかし、自民党改憲案の中身を知った方々から反対の声が急速に広がり、簡単に進められるものではありません。
躍進で9年ぶりに勝ち取った参議院運営の要、議院運営委員会の理事をまかされることとなりました。憲法審査会も複数配置で臨み、幹事を勝ち取ることができました。強まった発言力を生かし、草の根から運動を大きく広げ、国会としっかり結んで頑張り抜きたいと思います。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月1日付掲載
バックに上関原発反対のスローガンが見えますね。憲法改革ストップとともに、原発再稼働ストップ、原発即時ゼロとあわせて、原発の新規建設なんてもってのほか…。
世論を国会に届けてほしいですね。
国民の期待担って 比例当選議員に聞く④ 山下芳生さん(53)
新たなチャレンジを
国政選挙での15年ぶりの日本共産党の大躍進の背景には、自民党政治と同じ古い政治の枠内でありながら、「二大政党による政権選択だ」「第三極だ」などとしてきたキャンペーンのうそとごまかしが国民的に見抜かれつつあるという客観的条件があったと思います。
同時に、どんなに勝てなくても候補者先頭に歯を食いしばって選挙戦をたたかい、要求運動や強く大きな党づくりにコツコツとりくんできた全国の同志のみなさんの奮闘があったからこそ、切り開かれたチャンスだし、ものにすることができたと強く感じています。
ですから、日本共産党が得た議席は、多くの国民の期待が込められた宝の議席であるとともに、すべての候補者、党員、後援会員、支持者の汗と涙の結晶でもあります。この“宝”がどんどん輝きを増すよう党議員団みんなで努力する決意です。
新たに手にした議案提案権を活用して、選挙中、若い人たちから反応が強かった「ブラック企業」根絶に役立つ法案を、当事者と一緒につくって提出するなどは、すぐにとりくみたいですね。
もうひとつ感じるのは、この間の私たちの不屈のたたかいの土台には、新しい党綱領があるということです。今年は新しい綱領を確定してからちょうど10年目です。この綱領によって、日本共産党はどんな日本をめざすのか、国民にわかりやすく訴えることができる旗印を手にしました。
「消費税に頼らない別の道がある」など政策を豊かに発展させることもできました。さらに、「政治の表層では逆流が激しいが、深部で古い政治の矛盾が蓄積」(第6回中央委員会総会決定)していると情勢を大局的につかんで、がんばる力ともなりました。
そういう意味で、今回の躍進は、綱領を力にして勝ち得たものだったともいえると思っています。
今回の参院選で、東京と京都で比例代表選挙で自民党に次ぐ第2党になるなど、政党間の力関係が大きく変わりました。まさに劇的変化です。
次の国政選挙では、「全国はひとつ」でさらに奮闘し、綱領が展望する民主連合政府にむけて大きく一歩踏み出したといえるくらいの結果を出したい。
そのために、今回の大躍進で開いた条件を生かして、国会活動でも、要求運動でも、党づくりでも、新たなチャレンジをしたいと思っています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年7月31日付掲載
新しい綱領を決めて10年になるんですね。日本の民主的変革の道を、わかりやすい言葉で語れるようになったことが、今度の参議院選挙でも大いに力を発揮しました。
それを、党づくりなどで、さらに発展させたいですね。
国民の期待担って 比例当選議員に聞く③ 井上哲士さん(55)
原発・外交 骨太の議論を
参院選では、「自共対決」を明らかにし、自民党政治に対する抜本的対案を示して訴えた努力が実ったと実感します。選挙戦最終盤、他の野党からは「なんでも反対の共産党」攻撃が強まり、特に京都の民主党はそれしか訴えられなかった。
“自民党にどう立ち向かうか”を示せず、最後は自民党や公明党に票をお願いした。彼らの大義のなさと対比して、抜本的対案を示す党を浮き彫りにしたことに大きな意義がありました。
選挙後、野党で内紛騒ぎと再編の動きが起きています。いくら「カンバン」探しをしても、自民党との対立軸がない。新しい党議員団で自民党との対立軸と抜本的対案をしっかり出していきたい。
自民党と国民とのねじれは選挙後、いっそう強まっています。一番が原発です。「共同」の世論調査では再稼働反対は58%で、選挙終盤の10日間で7ポイント増えた。再稼働に前のめりの安倍内閣に国民が不安を募らせたのです。ところが自民党幹部からは選挙後、「福島の不幸で原発をやめるのは、耐えがたい苦痛を将来の日本人に与える」という露骨な本音が出てくる。3・11の反省のない姿がせきを切ったように出てきています。
原子力規制委員長が汚染水を海に流す考えを示し、怒りの声が上がっています。こうした新しい事態を国会で追及し、収束宣言の撤回を迫る必要があります。しかも「新基準」は穴だらけ。それなのに再稼働など許されない。
外交では、安倍首相の中国、韓国との首脳会談の日程がいまだに決まっていない異常事態です。
春には4人の閣僚が靖国神社に参拝し、自身も8・15に参拝しないと明言しない安倍首相。「防衛大綱」では、自衛隊に敵基地攻撃能力保持の検討までするとしています。領土問題でも外交的打開の方法が何もないんですね。右寄りへの警戒感がアメリカはじめ海外メディアからも出ています。
近隣国との関係は憲法9条を生かした平和外交で打開できるし、そうしないといけない。今、日本の外交があまりにも機能していないため、国民にも展望が見えない悪循環があると思います。憲法9条を生かせという骨太の議論をしていきたい。
11人の議員団となり、すべての常任委員会に委員を配置できるようになります。現職に加え、小池さんや仁比さんという論客が戻り、京都市議19年・府議1年の倉林さん、30代の辰巳さん、吉良さんには、発信力もある。論戦力とともに発信力。強力で楽しみな陣容を大いに生かしていきたいと思います。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年7月30日付掲載
今回の参議院選挙での民主党の体たらくはひどいものでしたね。京都では、共産党の倉林さんに競り勝つために民主党の候補に票を回してくれと自民や公明にお願いしたり…。もちろん、自民や公明は応えるわけがなく、倉林さんの勝利となったわけですが…。
兵庫県でもかつて100万票代をとっていた民主党大国の見る影もなく、今回の比例得票は28万票あまり。100万票もどこか消えて無くなりました。