2016年度予算案焦点⑨ 軍事費 史上初の5兆円超える
2016年度予算案の軍事費(防衛関係費)の総額は、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)、米軍再編関係経費を含めて5兆541億円となりました。補正予算や特別会計を除いた当初予算のみで史上初めて5兆円を突破しました。15年度から740億円(1・5%)増となり、軍事費の増額は4年連続となりました。
新基地建設や米製高額兵器
軍事費増(1・5%)の内訳は、その0・8%分(386億円)が自衛隊自身の軍拡などによるもの。残りの0・7%分(354億円)が米軍再編関係経費増などによるもので、このうち351億円は、名護市辺野古への新基地建設費の増大による増額です。
政府関係者は15年度補正予算案でも米軍再編経費を措置して当初予算の膨張を抑えたと指摘。「米軍再編は止めてはいけないお金だ」と述べ、これを聖域扱いしたことを認めています。
自衛隊自身の軍拡分では、「周辺海空域の安全確保」や「島しょ部に対する攻撃への対応」「弾道ミサイル攻撃への対応」などを口実に、昨年9月に安倍自公政権が強行した戦争法の実行を図るための米国製の高額兵器の導入が主要因です。
垂直離着陸機オスプレイ4機(447億円)、戦闘機F35A(6機1084億円)、早期警戒機E2D(1機260億円)、滞空型無人機グローバルホーク(146億円)など、16年度予算に盛り込まれた主要兵器の調達先のほとんどは米国の軍需産業です。
17年度以降に支払いが生じる新たなツケ払い(新規後年度負担)額は2兆2875億円と依然高水準となっています。
防衛省が作成した2016年度予算資料の表紙
思いやり予算米要求で増額
米軍への思いやり予算は1920億円となり、15年度比21億円増となりました。
日米両政府は昨年12月16日に、16~20年度まで5年間の在日米軍「思いやり予算」に関する新協定で基本合意しました。11~15年度分よりも約130億円増の総額9465億円となる見込みです。
当初、日本政府は戦争法成立や沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費などの日本側の負担増から、「思いやり予算」の減額を求めていましたが、米側はアジア太平洋地域に戦略の重心を置く「リバランス」(再配置)に伴う在日米軍の増強などを理由に大幅増額を要求。結局、日本側が屈しました。
16年度の軍事費は、軍拡の内容でも新基地建設関係費や「思いやり」予算の増額でも、対米優遇ぶりを鮮明にしたものとなりました。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月30日付掲載
兵器をつけ払いで購入する(複数年度に渡って支払う)事は状態化していますが、その購入兵器が最新鋭化。
垂直離着陸機オスプレイ、戦闘機F35A、早期警戒機E2D、滞空型無人機グローバルホークなど。
それを紹介した防衛省のパンフレット。新しい車やパソコンを購入する際のパンフレットならワクワクとして見ますが、この手のパンフは見る気がしません。
2016年度予算案の軍事費(防衛関係費)の総額は、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)、米軍再編関係経費を含めて5兆541億円となりました。補正予算や特別会計を除いた当初予算のみで史上初めて5兆円を突破しました。15年度から740億円(1・5%)増となり、軍事費の増額は4年連続となりました。
新基地建設や米製高額兵器
軍事費増(1・5%)の内訳は、その0・8%分(386億円)が自衛隊自身の軍拡などによるもの。残りの0・7%分(354億円)が米軍再編関係経費増などによるもので、このうち351億円は、名護市辺野古への新基地建設費の増大による増額です。
政府関係者は15年度補正予算案でも米軍再編経費を措置して当初予算の膨張を抑えたと指摘。「米軍再編は止めてはいけないお金だ」と述べ、これを聖域扱いしたことを認めています。
自衛隊自身の軍拡分では、「周辺海空域の安全確保」や「島しょ部に対する攻撃への対応」「弾道ミサイル攻撃への対応」などを口実に、昨年9月に安倍自公政権が強行した戦争法の実行を図るための米国製の高額兵器の導入が主要因です。
垂直離着陸機オスプレイ4機(447億円)、戦闘機F35A(6機1084億円)、早期警戒機E2D(1機260億円)、滞空型無人機グローバルホーク(146億円)など、16年度予算に盛り込まれた主要兵器の調達先のほとんどは米国の軍需産業です。
17年度以降に支払いが生じる新たなツケ払い(新規後年度負担)額は2兆2875億円と依然高水準となっています。
防衛省が作成した2016年度予算資料の表紙
思いやり予算米要求で増額
米軍への思いやり予算は1920億円となり、15年度比21億円増となりました。
日米両政府は昨年12月16日に、16~20年度まで5年間の在日米軍「思いやり予算」に関する新協定で基本合意しました。11~15年度分よりも約130億円増の総額9465億円となる見込みです。
当初、日本政府は戦争法成立や沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費などの日本側の負担増から、「思いやり予算」の減額を求めていましたが、米側はアジア太平洋地域に戦略の重心を置く「リバランス」(再配置)に伴う在日米軍の増強などを理由に大幅増額を要求。結局、日本側が屈しました。
16年度の軍事費は、軍拡の内容でも新基地建設関係費や「思いやり」予算の増額でも、対米優遇ぶりを鮮明にしたものとなりました。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月30日付掲載
兵器をつけ払いで購入する(複数年度に渡って支払う)事は状態化していますが、その購入兵器が最新鋭化。
垂直離着陸機オスプレイ、戦闘機F35A、早期警戒機E2D、滞空型無人機グローバルホークなど。
それを紹介した防衛省のパンフレット。新しい車やパソコンを購入する際のパンフレットならワクワクとして見ますが、この手のパンフは見る気がしません。