きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

部活動の地域移行 実証事業にみる② 国の支援が不可欠

2023-01-18 07:06:01 | スポーツ・運動について
部活動の地域移行 実証事業にみる② 国の支援が不可欠


土・日の部活動の地域移行を実証事業として始めた滋賀県彦根市立稲枝中学校では、以前からの地域との協力関係を生かして指導者を確保し、生徒にも好評です。
しかし北村功校長は、このようなことはすべての学校ができることではないといいます。「多忙な業務の中で専門的な指導員を集めることは困難。民間のスポーツクラブに丸投げし、地域移行が利益追求に進んでしまう懸念もあります。地域の理解と協力や国の支援が欠かせない」



滋賀県彦根市立稲枝中学校の校舎

費用の負担は
地域移行にあたっては費用の負担をどうするかも大きな問題です。経済産業省の資料には民間スポーツ事業者が請け負った場合、月1万8千円もの保護者負担が生じるという試算が出ています。
稲枝中では、保護者にアンケートを取り、保護者負担(会費)は1人当たり月1000円としています。支払いが困難な家庭に対しては、推進事業の会議で無料での参加を認める規約を設けています。
彦根市からの委託費や同校の同窓会からの補助費なども集めて活動費にあてています。指導者への報酬(諸謝金)は1時間につき1200円。2年間は文部科学省から補助金が出ているほか、地域部活動推進事業の委託金も出ています。しかし、国からの補助や委託金がなくなったあと、保護者負担がどうなるかは未知数です。
稲枝中の取り組みを教職員組合はどうみているのか。
全滋賀教職員組合の漆山晶博さんは「地域の協力体制と学校に対する地域の人々の理解がとても成熟していた。生徒はもちろん、保護者のみなさんともしっかりと時間をかけて運営や体制、費用について話し合い、理解し納得して決めたことも重要です」といいます。

多くの課題が
同時にどこの学校でもできるわけではないと指摘します。「現時点ではとても困難です。各地域が行える経済的な支援のレベルも部活を受け入れることができる組織や施設の質も数も、まったく異なります。一律に機械的に始めれば新たな地域格差を生み出すことになってしまう」
部活動は多くの課題を抱えています。教員は部活のために長時間労働を強いられ、休日の部活指導は実質ただ働きです。よく知らない競技の顧問をやらされることもあります。
一方、一部では、勝つことを最優先にした練習の過熱化や部員に対する指導者の暴力・暴言も問題になっています。少子化で維持できない部活もあります。改善は急務です。
部活動改革の一つとして打ち出されている地域移行。漆山さんはいいます。「地域移行を進めていくのなら、財政面でも運営面でも、国が責任をもって十分な支援を行うことが必要不可欠です」
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年1月16日付掲載


地域移行にあたっては費用の負担をどうするかも大きな問題。経済産業省の資料には民間スポーツ事業者が請け負った場合、月1万8千円もの保護者負担が生じるという試算が。
稲枝中では、保護者にアンケートを取り、保護者負担(会費)は1人当たり月1000円としています。支払いが困難な家庭に対しては、推進事業の会議で無料での参加を認める規約を。
サポートする人材の育成と、指導者への報酬。それを支える財源の確保。やはり国の支援が必要。
民間丸投げでは、全くダメ。

部活動の地域移行 実証事業にみる① 生徒の自主性を尊重

2023-01-17 07:11:09 | スポーツ・運動について
部活動の地域移行 実証事業にみる① 生徒の自主性を尊重

学校での部活動について政府は、2023年度から地域への移行を進める計画です。当面、土・日の部活動指導を地域のスポーツ団体やボランティア、民間業者などに委ねるというもの。教員の負担軽減などが理由ですが、地域に受け皿がないなど批判が噴出し、当初の25年度までに移行という目標を取り下げました。実情はどうか、文部科学省の実証事業で昨年度から地域移行を開始した中学校を取材し、考えました。
(井上拓大)

「きつい練習もありますが、練習の目的が明確で、部員の意見も聞き入れてくれる指導なので、自分から挑戦したいという思いが強くなります」



練習する稲枝中学校のソフトテニス部(同校提供)

以前から協力
滋賀県彦根市の市立稲枝中学校でバドミントン部に所属する2年の生徒は、地域移行になった土・日の練習についてこう語りました。「なぜこの練習をするのか」をちゃんと指導者から教えてもらえることが魅力で、とても楽しく、成長を実感しているといいます。
バドミントン部顧問の教員(25)は「生徒たちはイキイキし、とても上達した生徒も多い。私自身も地域指導者から競技に関する知識を教わることができた」と語りました。
稲枝中では22年度の時点で、バスケットボール(男女別)、卓球(男女混合)、ソフトテニス、剣道、バドミントン、バレーボールの七つの部活について土・日の活動の指導を地域に移行しています。
指導しているのは会社員、保護者、元同校教員など。同校の卒業生もいます。活動場所は同校の体育館やグラウンドが中心です。
地域部活動の運営主体になっているのは稲枝地区学校支援協議会です。木村輝男事務局長は、以前から地域の人たちが部活動に協力的であり、ボランティアで顧問とともに生徒を見守っていたため、円滑に地域移行を進めることができたと説明します。「担当する部活への深い知識だけでなく、生徒たちのことを理解した指導力があります」と話します。

楽しい指導を
稲枝中の北村功校長も、「地域指導者には教員経験のある人も多く、子どもたちの人間性を育てることを意識して指導しています」と強調します。活動目標の一つに「多様な学びの場であり、自主的な取り組みの場である」を掲げています。
ソフトテニス部の顧問を務める教員(41)は、当初は先生と地域指導者のどちらの指導を優先すればよいか困惑する生徒もいたが、生徒と話し合う中で、解決していったといいます。地域の指導者とはよく対話し「勝つためだけの指導にはしないでほしい」と伝えました。
「生徒たちの『スポーツが楽しい』という気持ちを尊重する指導をお願いしました。自主性を尊重し、楽しい指導で生徒たちはとても満足しています」と述べました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年1月15日付掲載


滋賀県彦根市の市立稲枝中学校でバドミントン部に所属する2年の生徒は、地域移行になった土・日の練習についてこう語りました。「なぜこの練習をするのか」をちゃんと指導者から教えてもらえることが魅力で、とても楽しく、成長を実感。
地域部活動の運営主体になっているのは稲枝地区学校支援協議会です。木村輝男事務局長は、以前から地域の人たちが部活動に協力的であり、ボランティアで顧問とともに生徒を見守っていたため、円滑に地域移行を進めることができた。
でも、それはまれな例ではないでしょうか。

サッカーW杯 光と影③ 交流重ね平和の力に

2022-11-20 07:14:36 | スポーツ・運動について
サッカーW杯 光と影③ 交流重ね平和の力に
ワールドカップ(W杯)カタール大会は、ロシアによるウクライナ侵略が続くなかで開幕を迎えます。
世界が心を痛める現状にたいし、W杯はどんなメッセージを発することができるのか。
「われわれは攻撃的な世界、分断された世界に住んでいるが、私は人々を結び付け、文化の境界を超えるサッカーの力を大いに信じている」
4月、国際サッカー連盟(FIFA)の総会でジャンニ・インファンティノ会長は世界に対話を呼びかけました。今月15日には、「W杯期間中の一時的な停戦」も提案しています。
しかし、FIFAはロシアのウクライナ侵略直後、ロシアの除外をめぐっては対応が一時、揺れていました。最終的に除外を後押ししたのは選手、各国協会の声でした。
サポーターや選手、各国のクラブは戦争直後から、反戦の訴えを発していたからです。
2月、欧州のクラブや選手が「NO WAR(戦争はやめろ)」などと書かれた横断幕を掲げたり、Tシャツを着たりして抗議していました。それは日本のJリーグの一部でもみられた光景でした。
2月末、イングランド・プレミアリーグ、エバートンーマンチェスター・シティ戦ではスタジアムに、「私たちはウクライナを支持します」と書かれたメッセージと、たくさんのウクライナ国旗が翻りました。これらを目にした両クラブのウクライナ出身選手が涙ぐむ一幕がありました。



ウェールズ代表に敗れ、顔を覆うウクライナ代表の選手(中央)=6月5日、英力ーディフ(ロイター共同)

ウクライナ代表はカタール大会の欧州予選で、出場まで1勝に迫りました。しかし6月、プレーオフ決勝でウェールズに敗れ、出場はかないませんでした。
プレーオフ2戦をたたかう中、同代表のオレクサンドル・ジンチェンコ選手は目を赤くし、胸の内を吐露したことがありました。
「ウクライナの子どもたちと話をしたが、彼らには一つの夢がある。それは戦争を止めること。そして僕たちにはもう一つの夢がある。W杯に出場することだ。国民を幸せにするために」
今回、二つ目の夢はかないませんでした。しかし、サッカーをすること自体が困難な中、勇敢にたたかい抜いた姿は、多くの人々の心に刻まれました。
サッカーの平和への貢献は、選手らの行動やメッセージにとどまりません。今回は中東で初のW杯開催であり、イスラム圏で初の大会となります。観客の観戦も認められ、世界から300万人近い人々が集まります。
「世界の人々が異なる文化に接し交流する。互いに理解を深め合うことがW杯の一番の力だと思う」。サッカージャーナリストの大住良之さんは訴えます。
「私自身もこれまでのW杯でそのことを実感してきました。今回、世界の人々は、イスラム圏で生活する人たちの姿をまっすぐに目にすることになる。誤ったイメージがきっと変わると思います。回り道に見えるけれども、こうしたことの積み重ねが平和の一番の近道になると私は思っています」(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月19日付掲載


ワールドカップ(W杯)カタール大会は、ロシアによるウクライナ侵略が続くなかで開幕を迎えます。
2月末、イングランド・プレミアリーグ、エバートンーマンチェスター・シティ戦ではスタジアムに、「私たちはウクライナを支持します」と書かれたメッセージと、たくさんのウクライナ国旗が翻りました。これらを目にした両クラブのウクライナ出身選手が涙ぐむ一幕が。
今回、世界の人々は、イスラム圏で生活する人たちの姿をまっすぐに目にすることになる。誤ったイメージがきっと変わると思います。回り道に見えるけれども、こうしたことの積み重ねが平和の一番の近道になると。

サッカーW杯 光と影② 過密日程けが人相次ぐ

2022-11-19 07:28:23 | スポーツ・運動について
サッカーW杯 光と影② 過密日程けが人相次ぐ
ワールドカップ(W杯)が近づくにつれ、各国代表チームにはけが人が相次ぎました。
日本代表メンバーを発表した翌2日、DF中山雄太選手(ハダースフィールド)がアキレスけんを痛める重症を負いました。3日にはDF冨安健洋選手(アーセナル)が右足を痛め、8日にはMF遠藤航選手(シュツットガルト)が脳震とうに見舞われました。冨安、遠藤の両選手は回復が見込まれるものの、中山選手は出場を断念する事態となりました。
他の出場国も例外ではありません。連覇を狙うフランスは主力のMFポール・ポグバとエンゴロ・カンテの両選手が、ドイツはFWティモ・ベルナー選手がけがに見舞われ、韓国はエースの孫興民(ソン・フンミン)選手が顔面を骨折する大けがを負いました。
「今回、(欧州の)シーズン途中でやるW杯の難しさはあるかもしれない」。日本協会の田嶋幸三会長は話します。



ヘルタ戦で頭部を負傷したシュツットガルトの遠藤選手(中央)=11月8日、ドイツ・シュツットガルト(dpa時事)

W杯の11月開催は異例です。通常なら欧州のシーズンが終わり1カ月ほどした6月から7月にかけて大会は開かれます。しかし、今回はシーズン真っただ中で、各国リーグは大会の1週間前まで行われました。
問題は各代表チームの準備期間の短さだけではありません。過密日程が選手を苦しめてきたことです。
欧州は通常、シーズンが8月に始まり、翌年5月まで9カ月で行われます。今回は約1カ月のW杯の中断のため、8カ月間に詰め込む形となっています。
中山選手は10月から11月半ばまでほぼ週2回の試合が組まれていました。試合の多い強豪クラブほど“地獄の日程”となり、1カ月半に14試合というクラブまで。週1試合が基本のサッカーにとって異常な事態です。
「僕らは選手の福利厚生のためにたたかっているけど、このスケジュールはクレイジーだ」。イングランドプレミアリーグ・チェルシーのセサル・アスピリクエタ主将は吐き捨てるように語ります。
「正直やりすぎだ。僕たちは機械じゃない。人間なんだ。もはやけがをしても驚かない。この日程をみれば」。ドイツ・バイエルンのDFでフランス代表のバンジャマン・ババール選手も憤りを隠しません。
W杯が冬開催となったのは、夏に気温40度を超えるカタールで開催を決めたから。開催地を決めてから時期を変更しました。
そもそも開催地決定には「政治的な圧力があった」と国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター前会長が発言しています。理事にたいする買収などの疑惑は、決定後にも何度も浮上するありさまです。
スペイン・セビージャのホルへ・サンパオリ監督はいいます。
「FIFAはすべきじゃない場所と時期にプレーすることを決めた。すべては金のためだ。(W杯は)大きなビジネスなんだ」
ドイツサッカー協会公認コーチの鈴木良平さんは指摘します。
「過密日程で選手にしわ寄せがいっている。それはW杯後にも続いています。FIFAのお金もうけ主義の結果、サッカーがゆがめられている。その責任はあまりに大きい」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月18日付掲載


W杯の11月開催は異例です。通常なら欧州のシーズンが終わり1カ月ほどした6月から7月にかけて大会は開かれます。しかし、今回はシーズン真っただ中で、各国リーグは大会の1週間前まで。
問題は各代表チームの準備期間の短さだけではありません。過密日程が選手を苦しめてきたこと。
欧州は通常、シーズンが8月に始まり、翌年5月まで9カ月で行われます。今回は約1カ月のW杯の中断のため、8カ月間に詰め込む形。
W杯が冬開催となったのは、夏に気温40度を超えるカタールで開催を決めたから。
そもそも開催地決定には「政治的な圧力があった」と国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター前会長が発言。理事にたいする買収などの疑惑は、決定後にも何度も浮上。
スポーツに、政治的圧力や買収などあってはいけません。

サッカーW杯 光と影① 出稼ぎ労働者6500人死亡

2022-11-18 07:09:17 | スポーツ・運動について
サッカーW杯 光と影① 出稼ぎ労働者6500人死亡
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が20日、開幕します。中東で迎える初の大会は、さまざまな課題を抱えています。大会の光と影を追いました。
(和泉民郎、ベルリン=桑野白馬)

「お願いだ。いまはフットボールに集中しよう」。国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長が、32の出場国にこんな書簡を送ったことが今月初めにわかりました。移民労働者や性的少数者(LGBTQ)に対するカタールへの抗議が高まりをみせているからです。
同国には外国人労働者の人権侵害が根強く存在しています。
英メディアや国際人権団体によると、2010年にW杯開催が決まって以降、インドやバングラデシュなどの出稼ぎ労働者のうち、実に約6500人が亡くなっているといわれます。劣悪な労働環境によって、事故が相次いだためです。
外国人労働者が全体の9割を占めているといわれる同国では「カファラ(保証人)」と呼ばれるあしき労働制度がありました。



ワールドカップ会場の芝を張る外国人労働者=2021年11月、カタール・ルサイル(ロイター)

雇用主が身元保証人となり海外からの労働者を受け入れるもので、採用に高額の手数料を取ったり、休日も与えず長時間労働を強制したり、何カ月にもわたる賃金を支払わないことも横行しています。さらにパスポートを取り上げ、離職、転職、出国には雇用主らの許可が必要とされています。現代の奴隷労働ともいわれる実態がここにあります。
この制度は国際的な批判を浴び17年、政府は制度の廃止と労働条件の改善を約束しました。しかし、W杯のための七つの新設スタジァムや空港、地下鉄建設を含む30兆円ともいわれる巨大インフラ整備の多くが実施された後でした。
ヒューマン・ライツ・ウオッチなど国際人権団体は「進歩がみられる一方で、人権侵害は根強く残っている」と批判し、カタール政府、FIFAに対し、基金を作り被害を受けた労働者の補償を強く求めています。


スポーツと人権不可分
サッカー界からも人権侵害への批判の声が上がります。
ワールドカップ(W杯)予選では、ノルウェーやドイツの選手たちが「HUMAN RIGHTS」と書かれたシャツを着て抗議しました。
ドイツ代表のヨシュア・キミッヒ選手は「状況を変えるには相当の圧力をかけることが重要だ」と訴えています。今秋、ベルギー、フランス、米国ら七つのサッカー協会が救済基金設立を求めており、“身内”からもその声は高まっています。
カタールでは同性愛が違法です。今月には大会アンバサダーの元カタール代表が、同性愛は「精神の傷」と発言し批判を浴びました。



FIFAに抗議する国際人権団体のポスター=11月7日、オーストリア南部グラーツ(桑野白馬撮影)

オーストラリア代表は10月、「性的少数者の権利を擁護する。カタールでは自らが選んだ人を愛することはできない」とするメッセージ動画で抗議の声を上げました。
ドイツ同性愛者協会は国際サッカー連盟(FIFA)にたいし、「汚職と人権侵害、LGBTQ(性的少数者)と女性の弾圧の上に成り立つ大会」「W杯の勝者はいない。人権はすでに負けた」と表明しています。
欧州内の主要都市では人権問題にたいする抗議から、試合のパブリックビューイング中止が相次ぎ、フランスでは10都市が取りやめを決めています。
FIFAは人権間題に、どう向き合ってきたのでしょうか。
カタールの開催地決定によって世界から批判を浴びたため12年、今後の開催地選定基準に人権を加えました。その後、国連の人権基準に基づきFIFAの組織改革を開始し、カタールにも人権上の改善を促してきたことは事実です。しかし、補償問題を含め、その多くが不十分とのそしりは免れません。
「スポーツと人権は深く絡み合っています。健全な形で国際的大会を開催するならカタール政府もFIFAも人権と向き合い、改善のために具体的な対策を取ることが必要です」。国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウオッチの笠井哲平アジア局プログラムオフィサーは指摘します。
五輪も含め、スポーツにとって人権が不可欠で、その軽視がいかに重大な結果を招くのか。カタール大会は鋭く突き付けています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月17日付掲載


カタールの外国人労働者。「カファラ(保証人)」と呼ばれるあしき労働制度。雇用主が身元保証人となり海外からの労働者を受け入れるもので、採用に高額の手数料を取ったり、休日も与えず長時間労働を強制したり、何カ月にもわたる賃金を支払わないことも横行。
カタールでは同性愛が違法。今月には大会アンバサダーの元カタール代表が、同性愛は「精神の傷」と発言し批判を。スポーツと人権は深く絡み合っています。健全な形で国際的大会を開催するならカタール政府もFIFAも人権と向き合い、改善のために具体的な対策を取ることが必要。