きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

とことんわかる 核兵器禁止条約② 核兵器の違法化(2) 非人道性を告発

2017-09-09 08:57:48 | 平和・憲法・歴史問題について
とことんわかる 核兵器禁止条約② 核兵器の違法化(2) 非人道性を告発

私は核兵器禁止条約が採択された国連会議の第2会期に、志位和夫委員長を団長とする日本共産党代表団の一員として参加しました。
条約採択に際しての志位委員長の声明(7月7日)は、前文では「核兵器の非人道性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法にてらして、その違法性を明確にする太い論理がのべられている」と指摘しました。この「太い論理」こそ、条約の「背骨」ともいうべきものです。

多面的な分析
前文は、核兵器の非人道性を多面的に明らかにしています。これは、この問題について研究、議論した国際会議(2013年オスロ、14年メキシコ・ナヤリツト、ウィーン)の成果を受けたものです。
核兵器使用は、国境を越えた放射性物質の拡散などもひきおこし、「人類の生存、環境、社会経済的発展、世界経済、食料安全保障、現在および将来世代の健康に重大な影響を与える」としています。女性への影響も重視されています。



「第3回核兵器の人道的影響に関する会議」で発言する日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳(てるみ)事務局長(スクリーン右)=2014年12月9日、ウィーン(島崎桂撮影)

法的根拠明示
前文は、核兵器の使用は「国際人道法および国際人権法を含む適用可能な国際法」に反すると断じています。ここは、国連会議でも、大いに議論になったところです。
核兵器の非人道性に言及した国連決議の列挙(ナイジェリア)、非人道性についての共同声明「人道の誓約」の引用(オーストリア)、核兵器不使用の倫理的義務の明記(南アフリカ)などが提案され、核兵器の使用は「人道に対する罪」だと表明すべきとの意見(イラン)もありました。
ニュージーランドやスイスの代表は、国際人道法に反することを明記すべきだと提案し、多くの賛同を得ました。
国際人道法とは、世界大戦などの悲惨な体験をふまえ、戦争の手段や方法を規制するルールを定めたものです。
前文は、「ジュネーブ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書」(1949年)をふまえて、「戦闘の方法および手段を選ぶ権利は無制限ではないという原則」「無差別攻撃の禁止」「過度の傷害または無用の苦痛をあたえる兵器の使用禁止」などに、核兵器使用が反すると断じています。

隙のない理論
そのうえで前文は、国連憲章第2条4項の「武力による威嚇又は武力の行使を、(中略)慎まなければならない」という大原則で全体をおさえます。
違法化の根拠とされたこれらの法規は、核保有五大国も含む国際社会が一致して合意してきたものばかりです。
中満泉国連軍縮担当上級代表は、条約は「法的に堅固」であるべきだと述べました。その言葉通り、理論的にも隙のない条約となったと言えます。
(川田忠明・日本共産党平和運動局長)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年9月9日付掲載


核兵器の非人道性は以前から言われてきたことですが、条約の中に明記されました。
国境や時間を超えて人類を苦しめるという点では、原発事故と共通するものがあります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする