きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

受動喫煙の危険 他人の喫煙で2割が早死に!

2010-09-06 23:16:26 | 健康・病気について
受動喫煙の危険 他人の喫煙で2割が早死に!

紫煙を上げ、“うまい”。これは喫煙者。煙は流れ、流れて。たばこを吸わない非喫煙者はというと、“いや”。においだけで終わらない受動喫煙の話を。 上野敏行記者


喫煙者はたばこを好んで吸い、非喫煙者はたばこの煙をきらう。
 レストランでよく経験すること。たばこを吸う客人。非喫煙者である客人は、すぐに感じとり、“たばこのにおいが食事の楽しさを奪う”と。
 そのたばこ臭で、頭痛やめまい、目・鼻・気管支の刺激症状が生じることだってあります。非喫煙者がこうも不快と感じるのはなぜか。


 「たばこの煙に有害な多種類の化学物質が含まれているから」というのは、北海道・深川市立病院内科の松崎道幸部長。呼吸器が専門で元日本呼吸器学会禁煙問題検討委員。「喫煙者が感じないのは耐性というか、感覚のまひがあります」
たばこの煙に含まれる化学物質は“有名物質”ぞろい。悪臭防止法で規制する特定悪臭物質22種のうちアンモニア、アセトアルデヒドなど9種類。厚生労働省が濃度指針値を決めているシックハウス症候群関連物質13種のうちホルムアルデヒドなど5種類がそう。
それら化学物質を、自分で吸うのが能動喫煙。非喫煙者は煙の混じった空気を吸わされてしまう。これが受動喫煙です。
 たばこの煙は室内に拡散し、薄まります。受動喫煙者が吸う有害化学物質の総量は、能動喫煙者と比べたら少ないはず。「ええ。ですが、非喫煙者の感受性はとても高い。わずかでも実際に生じる健康被害は予想以上です。能動喫煙に近いことがわかってきました」


次世代に被害
 能動喫煙が起こす病気は実に多種多彩です。松崎部長はいいます。「能動喫煙で起こる病気は、ほとんどすべて受動喫煙でも起こります」
 おとなが受動喫煙を受けたときの影響を米国公衆衛生長官報告(2006年版)が明らかにしています。(数字は受動喫煙なしと比べて)
 確実な証拠があるのは、肺がん1・2~1・3倍、心筋梗塞・死亡1・3倍。強い可能性があるのは、乳がん閉経前1・5倍、脳卒中1・5~2倍、喘息の新規発症・悪化1・5~3倍など。
 研究の進行に伴い、受動喫煙関連の病気は増えるばかりです。糖尿病も、メタボリック症候群も、末梢動脈閉塞症も、うつ病・うつ状態も。
 「次世代への影響も深刻です。妊婦の受動喫煙(能動喫煙ではより強く)で、胎児、新生児、乳幼児の心身に健康被害が起きています」
 怖い報告があります。(米国小児学会誌『小児科学』04年8月)対象は妊婦651人。妊娠中に使用した薬物のコカイン、アルコール、たばこ、マリフアナが生後1カ月児に与える影響を検討したものです。その一つ、乳児の頭囲(脳容積の代用指標)を薬物別に比べるとー。喫煙群の乳児の頭囲は、“マリフアナ、飲酒よりも小さく、コカイン常習と同程度だった”。
 もう一つ、報告を。(米医学誌『小児科学雑誌』10年2月)妊婦232人と早産児(32週未満)を2年間追跡。妊娠中の喫煙の有無、出生児の前頭葉容積の関係を検討。(前頭葉は感情や衝動をコントロールする機能をもつ)結果はー。喫煙群は喫煙なし群と比べ、“出生児の前頭葉容積が7%小さかった”。
 「ニコチンが脳(中枢神経系)に作用し、胎児、新生児、乳幼児の脳容積を小さくしました。知能・精神的不調をもたらす危険は大きい」


1日5~10本の能動喫煙と同じ
 日本の喫煙率は高い。例えば、妊婦の33%は妊娠前に喫煙し、父親の48%、母親の11%が喫煙者です。(06年調査)
 子ども1800万人の半分以上、900万人は、出生前から出生後、たばこの煙にさらされていることになります。1日30分ほどけむいときがある程度の受動喫煙で1日5~10本の能動喫煙に匹敵する健康影響が確認されています。小児外来の受診数の上位5疾患(1~14歳)があります。喘息、虫歯、咽頭炎・扁桃炎、気管支炎、かぜです。
 親がたばこを吸う家庭の子どもは、と松崎部長。「これらのすべての病気にー・5~2倍かかりやすくなっています」
 おとなではどうか。受動喫煙ありは、なしと比べ、死亡が14~34%増えています。(上海、ニュージーランド、英国、香港の調査)本来なら死なないでいいのに受動喫煙者の約2割は早死にしてしまう。「高血圧や糖尿病に次ぐ危なさです。それも他人の喫煙のせいで」
 喫煙した部屋はいくら換気してもにおう。壁や床、カーテンに付着したたばこ煙の凝縮物が空気中に遊離するからです。「におうのは遊離した化学物質を吸っていること(サードハンド・スモーキング)。喘息患者や化学物質過敏症の人は発作や体調不良を起こす恐れがあります。家庭の受動喫煙をなくすには完全禁煙が必要です」

「しんぶん赤旗」日曜版 2010年9月5日付


今は、公共の場や職場では分煙が徹底していますが。
問題は家庭の室内とか、自家用車の車内・・・

あるテレビ番組でやっていましたが、西欧のある国では子どもが乗っている車で煙草を吸ったら罰金だとか・・・。

特に、親の喫煙によるまきぞえって、子どもには防ぎようがないですものね。
親の個人の趣向まで制限できませんが、せめて子どもに被害が及ぶことはやめてほしいですね。
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新型インフルエンザの再流行に備えて・・・

2010-09-02 22:09:36 | 健康・病気について
新型インフル 再流行に備え必要

 嵐か突風か。新型インフルエンザ2009年、H1N1の大流行(パンデミック)でした。いまは沈静化。しかし、油断できないという。秋以降の再流行にどう備えるか。上野敏行記者

想定外の豚由来
 2009年、研究者たちが強調していたこと。新型インフルエンザウイルスの登場は“時間の問題”と。最有力候補は高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1でした。病原性は強く、致死率60%。(08年12月時点)
 この高い致死率のまま大流行となっていたら?「社会の損失・被害は甚大になる可能性があった」というのは、東北大学大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁教授。専門は感染症学、ウイルス学です。「被害を最小限に抑えるため、世界各国は日本も含めて、抗ウイルス薬の備蓄など対策を進めていました」ところが、大流行を起こしたのは、想定外の豚由来インフルエンザウイルスH1N1でした。最初の感染確認は09年4月、メキシコと米国。以降、急速に世界中に広がりました。
 「流行の展開と被害の程度を予想するむずかしさがありました。そのため検疫、地域での対策、医療体制、ワクチン生産など十分に対応できない問題点も浮き彫りになりました」
 “新型”の再流行は?「十分にあります。現在も一部地域で感染が続いています。09年流行の全体像を把握したうえで、さまざまな側面からの検証が必要です」


未感染者が多い
 新型インフルエンザによる各国の死亡率(人ロ10万人当たりの死亡率)を厚労省がまとめています。(10年6月8日)
 米国3.96、カナダ1.32、・・・日本0.16。日本は最も低い。どうしてなのか。
 「抗ウイルス薬の早期投与、入院・呼吸器管理などの早期治療ができたことがあります」
「さらに日本の“疫学的特徴”が諸外国と異なっていたことも大きい」
 疫学的特徴とは-。例えば、米国。患者数の3分の2以上は成人(18歳以上)でした。一方、日本の患者の大半は小児(15歳未満)で、中高年(40代以上)は10%に満たない。
 「日本では学校で大規模な流行が発生したけれども、家庭や職場、地域の流行は限定的だったことです。流行の初期段階で広く学校閉鎖を実施した効果と考えています」
 重症者・死亡者の発生を分析した報告はこうです。(『感染症発生動向調査週報』10年3月29日)
 “発症者数は中高年が少なく小児が多い。しかし、いったん発症した場合の重症化率や致死率は中高年が小児を上回る”ということは?「中高年など重症化しやすいグループまで感染が広がっていなかったことを示しています」
 重症化する危険の高いグループは明らかになっています。基礎疾患(慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病、慢性腎疾患、免疫抑制状態など)のある人、妊婦、肥満者、5歳未満の乳幼児です。
 ただ、死亡者のうち、基礎疾患のない例は4分の1あり、ないからといって安心できない。「再流行で地域に感染が広がっていくと、一定の割合で重症者が出てきます。先行の米国のように重症・死亡者が多発する事態も考えられます」


季節性とは違う
 09年流行の“新型”の病原性は季節性インフルエンザとほぼ同じ。だから、再流行時には、従来の“季節性”と同じ対応でいい、と。
 それは誤った意見、と押谷教授。「ウイルスは変化しなくても、より重症化しやすい人たちに感染が広がれば、被害が大きくなることもあり得ます。ウイルスそのものが変化していく可能性もあります」
 さらに“新型”による重症化は、“季節性”とは違った深刻さも。ウイルス性肺炎、急性呼吸窮迫症候群からくる呼吸不全を起こすこと。進行は急速で、集中治療室で人工呼吸器を使った呼吸管理が必要となります。いったん重症化すると、救命は困難。
 改めて振り返ると-。09年7月7日、流行の真っただ中の米国ニューヨーク市(人口約830万人)の状況はどうだったか。(ニューヨーク市保健精神衛生局報告)
 感染者は約50万人(罹患率約6%)。入院患者909人、死亡者47人に。入院患者の20%は集中治療室で管理し、同10%が人工呼吸器を必要としました。「ニューヨーク市は先進的な流行対策を進めていた都市です。その都市でも罹患率6%という小さい段階で医療体制の混乱が起きました」
 日本では09年11月2日から1週間で推定約153万人が受診。やはり医療体制が混乱し、救急外来で7時間待ちになった地域などもありました。「感染者が急激に増えることを前提として、中高年を中心に重症者が多発したとき医療体制をどうするか。医師不足などで救急医療が維持できない、医療崩壊の地域もあります。状況に合わせ、備える必要があります」
「しんぶん赤旗」日曜版 2010年8月22日付より


年齢ごとにインフルエンザの感染後の致死率が上がる傾向です。
いままでは大丈夫だったと、たかをくくらずに、風邪かなと思ったらすぐに受診することでしょうね。
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