受動喫煙の危険 他人の喫煙で2割が早死に!
紫煙を上げ、“うまい”。これは喫煙者。煙は流れ、流れて。たばこを吸わない非喫煙者はというと、“いや”。においだけで終わらない受動喫煙の話を。 上野敏行記者
喫煙者はたばこを好んで吸い、非喫煙者はたばこの煙をきらう。
レストランでよく経験すること。たばこを吸う客人。非喫煙者である客人は、すぐに感じとり、“たばこのにおいが食事の楽しさを奪う”と。
そのたばこ臭で、頭痛やめまい、目・鼻・気管支の刺激症状が生じることだってあります。非喫煙者がこうも不快と感じるのはなぜか。
次世代に被害
能動喫煙が起こす病気は実に多種多彩です。松崎部長はいいます。「能動喫煙で起こる病気は、ほとんどすべて受動喫煙でも起こります」
おとなが受動喫煙を受けたときの影響を米国公衆衛生長官報告(2006年版)が明らかにしています。(数字は受動喫煙なしと比べて)
確実な証拠があるのは、肺がん1・2~1・3倍、心筋梗塞・死亡1・3倍。強い可能性があるのは、乳がん閉経前1・5倍、脳卒中1・5~2倍、喘息の新規発症・悪化1・5~3倍など。
研究の進行に伴い、受動喫煙関連の病気は増えるばかりです。糖尿病も、メタボリック症候群も、末梢動脈閉塞症も、うつ病・うつ状態も。
「次世代への影響も深刻です。妊婦の受動喫煙(能動喫煙ではより強く)で、胎児、新生児、乳幼児の心身に健康被害が起きています」
怖い報告があります。(米国小児学会誌『小児科学』04年8月)対象は妊婦651人。妊娠中に使用した薬物のコカイン、アルコール、たばこ、マリフアナが生後1カ月児に与える影響を検討したものです。その一つ、乳児の頭囲(脳容積の代用指標)を薬物別に比べるとー。喫煙群の乳児の頭囲は、“マリフアナ、飲酒よりも小さく、コカイン常習と同程度だった”。
もう一つ、報告を。(米医学誌『小児科学雑誌』10年2月)妊婦232人と早産児(32週未満)を2年間追跡。妊娠中の喫煙の有無、出生児の前頭葉容積の関係を検討。(前頭葉は感情や衝動をコントロールする機能をもつ)結果はー。喫煙群は喫煙なし群と比べ、“出生児の前頭葉容積が7%小さかった”。
「ニコチンが脳(中枢神経系)に作用し、胎児、新生児、乳幼児の脳容積を小さくしました。知能・精神的不調をもたらす危険は大きい」
1日5~10本の能動喫煙と同じ
日本の喫煙率は高い。例えば、妊婦の33%は妊娠前に喫煙し、父親の48%、母親の11%が喫煙者です。(06年調査)
子ども1800万人の半分以上、900万人は、出生前から出生後、たばこの煙にさらされていることになります。1日30分ほどけむいときがある程度の受動喫煙で1日5~10本の能動喫煙に匹敵する健康影響が確認されています。小児外来の受診数の上位5疾患(1~14歳)があります。喘息、虫歯、咽頭炎・扁桃炎、気管支炎、かぜです。
親がたばこを吸う家庭の子どもは、と松崎部長。「これらのすべての病気にー・5~2倍かかりやすくなっています」
おとなではどうか。受動喫煙ありは、なしと比べ、死亡が14~34%増えています。(上海、ニュージーランド、英国、香港の調査)本来なら死なないでいいのに受動喫煙者の約2割は早死にしてしまう。「高血圧や糖尿病に次ぐ危なさです。それも他人の喫煙のせいで」
喫煙した部屋はいくら換気してもにおう。壁や床、カーテンに付着したたばこ煙の凝縮物が空気中に遊離するからです。「におうのは遊離した化学物質を吸っていること(サードハンド・スモーキング)。喘息患者や化学物質過敏症の人は発作や体調不良を起こす恐れがあります。家庭の受動喫煙をなくすには完全禁煙が必要です」
「しんぶん赤旗」日曜版 2010年9月5日付
今は、公共の場や職場では分煙が徹底していますが。
問題は家庭の室内とか、自家用車の車内・・・
あるテレビ番組でやっていましたが、西欧のある国では子どもが乗っている車で煙草を吸ったら罰金だとか・・・。
特に、親の喫煙によるまきぞえって、子どもには防ぎようがないですものね。
親の個人の趣向まで制限できませんが、せめて子どもに被害が及ぶことはやめてほしいですね。
紫煙を上げ、“うまい”。これは喫煙者。煙は流れ、流れて。たばこを吸わない非喫煙者はというと、“いや”。においだけで終わらない受動喫煙の話を。 上野敏行記者
喫煙者はたばこを好んで吸い、非喫煙者はたばこの煙をきらう。
レストランでよく経験すること。たばこを吸う客人。非喫煙者である客人は、すぐに感じとり、“たばこのにおいが食事の楽しさを奪う”と。
そのたばこ臭で、頭痛やめまい、目・鼻・気管支の刺激症状が生じることだってあります。非喫煙者がこうも不快と感じるのはなぜか。
次世代に被害
能動喫煙が起こす病気は実に多種多彩です。松崎部長はいいます。「能動喫煙で起こる病気は、ほとんどすべて受動喫煙でも起こります」
おとなが受動喫煙を受けたときの影響を米国公衆衛生長官報告(2006年版)が明らかにしています。(数字は受動喫煙なしと比べて)
確実な証拠があるのは、肺がん1・2~1・3倍、心筋梗塞・死亡1・3倍。強い可能性があるのは、乳がん閉経前1・5倍、脳卒中1・5~2倍、喘息の新規発症・悪化1・5~3倍など。
研究の進行に伴い、受動喫煙関連の病気は増えるばかりです。糖尿病も、メタボリック症候群も、末梢動脈閉塞症も、うつ病・うつ状態も。
「次世代への影響も深刻です。妊婦の受動喫煙(能動喫煙ではより強く)で、胎児、新生児、乳幼児の心身に健康被害が起きています」
怖い報告があります。(米国小児学会誌『小児科学』04年8月)対象は妊婦651人。妊娠中に使用した薬物のコカイン、アルコール、たばこ、マリフアナが生後1カ月児に与える影響を検討したものです。その一つ、乳児の頭囲(脳容積の代用指標)を薬物別に比べるとー。喫煙群の乳児の頭囲は、“マリフアナ、飲酒よりも小さく、コカイン常習と同程度だった”。
もう一つ、報告を。(米医学誌『小児科学雑誌』10年2月)妊婦232人と早産児(32週未満)を2年間追跡。妊娠中の喫煙の有無、出生児の前頭葉容積の関係を検討。(前頭葉は感情や衝動をコントロールする機能をもつ)結果はー。喫煙群は喫煙なし群と比べ、“出生児の前頭葉容積が7%小さかった”。
「ニコチンが脳(中枢神経系)に作用し、胎児、新生児、乳幼児の脳容積を小さくしました。知能・精神的不調をもたらす危険は大きい」
1日5~10本の能動喫煙と同じ
日本の喫煙率は高い。例えば、妊婦の33%は妊娠前に喫煙し、父親の48%、母親の11%が喫煙者です。(06年調査)
子ども1800万人の半分以上、900万人は、出生前から出生後、たばこの煙にさらされていることになります。1日30分ほどけむいときがある程度の受動喫煙で1日5~10本の能動喫煙に匹敵する健康影響が確認されています。小児外来の受診数の上位5疾患(1~14歳)があります。喘息、虫歯、咽頭炎・扁桃炎、気管支炎、かぜです。
親がたばこを吸う家庭の子どもは、と松崎部長。「これらのすべての病気にー・5~2倍かかりやすくなっています」
おとなではどうか。受動喫煙ありは、なしと比べ、死亡が14~34%増えています。(上海、ニュージーランド、英国、香港の調査)本来なら死なないでいいのに受動喫煙者の約2割は早死にしてしまう。「高血圧や糖尿病に次ぐ危なさです。それも他人の喫煙のせいで」
喫煙した部屋はいくら換気してもにおう。壁や床、カーテンに付着したたばこ煙の凝縮物が空気中に遊離するからです。「におうのは遊離した化学物質を吸っていること(サードハンド・スモーキング)。喘息患者や化学物質過敏症の人は発作や体調不良を起こす恐れがあります。家庭の受動喫煙をなくすには完全禁煙が必要です」
「しんぶん赤旗」日曜版 2010年9月5日付
今は、公共の場や職場では分煙が徹底していますが。
問題は家庭の室内とか、自家用車の車内・・・
あるテレビ番組でやっていましたが、西欧のある国では子どもが乗っている車で煙草を吸ったら罰金だとか・・・。
特に、親の喫煙によるまきぞえって、子どもには防ぎようがないですものね。
親の個人の趣向まで制限できませんが、せめて子どもに被害が及ぶことはやめてほしいですね。