2018年08月14日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア スケトウダラ価格が上昇する]
今年2018年、ロシアのスケトウダラ価格は、中国市場の拡大とヨーロッパ市場の需要から急激に上昇している。
ロシア農業省によると今年2018年8月上旬のスケトウダラの極東地方での卸売価格は1kgあたり約78ルーブルとなった。
前年2017年同期は約63ルーブルだった。
これにより、ロシア中央部でのスケトウダラの価値も高まり、卸売価格は2017年8月から2018年8月までに25%増加し、1kgあたり76ルーブルから94ルーブルに上昇した。
スケトウダラはロシア人の中で3番目に人気がある魚である。
1人あたりの消費量は、ニシン2.81kg、太平洋サケマス2.73kgに次いで2.59kgとなっている。
ロシア産スケトウダラは主に輸出品であり、国内市場での価格は国際市場価格によって決定される。
ロシアのスケトウダラ価格の上昇は、中国市場の拡大とヨーロッパ市場での需要の増加の影響を受けている。
ロシアは世界最大のスケトウダラの供給者で、2017年、ロシア漁業者によるスケトウダラの漁獲量は180万トンであり、そのうち80万トンが製品輸出された。
2018年08月20日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[またがり資源スケトウダラ・ズワイガニ 北海道隣接サハリン州 高い状態を維持]
サハリン海洋漁業研究所サフニロは、2016年、2017年の漁獲情報等もとに、“またがり資源”に評価される北海道隣接サハリン州の周辺(東西サハリン・南北クリール)海域のスケトウダラ等について、過去と比較して高い水準の資源量を維持していると報告した。
(2016年)
2016年、サハリン州周辺海域では太平洋サケマスを除き46万4,300トンの水棲生物資源が開発された。
最も生産が大きかったのが北クリール海域で19万8,800トン(42.83%)、これに南クリール海域12万7,500トン(27.46%)と東サハリン海域12万6,500トン(27.24%)が続き、西サハリン海域は1万1,500トン(2.5%以下)でもっとも小さかった。
サハリン州周辺海域全体で最も生産が大きかった魚種はスケトウダラで28万6,300トンを占めた。
当該魚種生産の海域別内訳は東サハリン海域10万5,100トン、北クリール海域7万3,900トン、南クリール海域7万3,900トン、そして西サハリン海域が500トンだった。
また、同様に“またがり資源”と評価される東サハリン海域のズワイガニ(オピリオ)について、禁漁措置を終え、同年から商業操業が再開、1,400トンが生産されて当該漁業の成功が指摘された。
(2017年)
昨年2017年のサハリン州海域の太平洋サケマスを除く水棲生物資源の開発量は52万4,900トンで、2016年を13%上回った。
最も生産が大きかったのが北クリール海域で19万8,500トン(37.82%)、これに南クリール海域18万5,000トン(35.25%)と東サハリン海域11万8,400トン(22.56%)が続き、西サハリン海域は2万3,000トン(4.37%)でもっとも小さかった。
サハリン州周辺海域全体で最も生産が大きかった魚種は、前年2016年同様スケトウダラで28万7,300トンを占めた。
当該魚種生産の海域別内訳は東サハリン海域9万3,700トン、北クリール海域10万6,300トン、南クリール海域8万7,000トン、そして西サハリン海域が300トンだった。
また、同様に“またがり資源”と評価される東サハリン海域のズワイガニ(オピリオ)については、1,500トンが生産され2016年に引き続き当該漁業の成功が指摘された。
更にマダラ、カレイ類が重要な漁業となった。
東サハリン海域での操業においてカジカの混獲が多く、1,200トンになった。
傾向としてサハリン州周辺海域のスケトウダラは、過去と比較して高い水準の資源量を維持しており、また、マダラとカレイについては若干の変動はあるものの比較的安定していると評価された。
В Норвегии растет черный рынок краба
2018年08月20日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ノルウェー 数百トンレヴェルでタラバガニ違法漁獲 闇市場形成]
ノルウェー漁業当局は、同国において認められた漁獲割当を数百トンレヴェル超過してタラバガニが漁獲されていると推定、闇市場の形成を懸念している。
ロシア業界紙(WEB)が伝えた。
ノルウェー漁業当局は、漁獲割当1,850トンを数百トンレヴェル超過してタラバガニが漁獲されていると推定している。
違法漁業は、ノルウェーが今年記録的な量のカニを輸出しているという事実と関連している。
ノルウェーは、韓国、米国、日本の市場の高騰した需要から違法漁業により利益を得ている。
今秋、ノルウェーの裁判所は、違法カニ取引の大規模な事件の審理を行う。
”Snefjord King Crab”社の前代表は証明書類なく23トンの製品を購入していた。
担当検察官Thomas Darellは、カニの需要が利用可能な漁獲割当を上回っているため、他者が同様の行為を続ける可能性があると指摘した。
(報告担当者:原口聖二)
バレンツ海のタラバガニは、ズワイガニとともに1960年代に旧ソ連が極東海域から移植、2000年代に定着し、繁殖を続けている。