2018年08月06日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[またがり資源スルメイカ 中国漁船 既に905隻が北朝鮮海域でイカ操業]
日本排他的経済水域でのまたがり資源となるイカを対象とし、今年2018年も8月3日現在、東海(日本海)北朝鮮海域で中国漁船905隻が操業を開始している。
韓国一般紙(WEB)が伝えた。
盛漁期となる9月までに少なくとも700隻-800隻が追加的に着業すると見積もられている。
昨年2017年、中国漁船は1,700隻が北朝鮮海域でイカ操業を行い、2004年に当該海域で操業を開始して以来最大のものとなった。
今年2018年も中国漁船の北朝鮮海域の独占的操業によって、東海岸と鬱陵島の漁民の被害は深刻なもになると予想される。
東海北朝鮮海域で操業する中国漁船は、2004年の140隻から始まり、2016年には1,238隻、2017年に1,700隻と急増している。
(報告担当者:原口聖二)
日本EEZにおいてもスルメイカはTAC魚種となっているが、“またがり資源”であるこの評価、設定に関して次の漁獲情報等が考慮されていない。
①北朝鮮水域における中国漁船操業(日韓EEZよりはるかに大きい漁獲をしているとの情報がある)
②ロシア水域でのロシア国内漁船による沿海地方海域、西サハリン海域、南クリール海域操業
③ロシア水域沿海地方海域でのロ韓、ロ朝、ロ中漁業協定に基づく各国漁船の操業
④日本海を中心とした北朝鮮の違法操業
⑤その他
2018年08月05日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[韓国大型巻き網業界 過剰規制に関して海洋水産部を追及]
韓国海洋水産部は2018年8月3日、韓国大型巻き網業界と釜山共同魚市場本館小会議室で同業界の経営改善策について会議を開催した。
大型巻き網船主、釜山市の関係者等、30名あまりが参加した。
大型巻き網船主は、①減船事業を積極的に推進できるよう予算を確保すること、②休漁期間の補償を政府が予算支援すること、③韓日漁業協定交渉の長期決裂による漁獲損失補償と代替漁場開発などを要求した。
会合に出席した船主Aは、韓国、中国、日本のまたがり資源であるサバを中国漁船が違法漁獲しており、政府が適切に対応すべきだと指摘、一方的に韓国だけTAC(総許容漁獲量)、体長制限、禁漁期設定などの規制を強化して、国内の漁業を締め付けていると言及、韓日中3カ国の同時TACを適用するなど、共同水産資源の管理が必要だと加えた。
船主Bは、政府が今年TACを10%ほど減らしたのも問題で、大きな来遊があった場合TACをすぐ消化し、残りの期間、漁業を停止しなければならないと語り、以前にもこのような場合があったが海洋水産部の対応がとても遅かったと批判した。
また、迅速な水産資源の再評価後、TACを増やし業界が即座に操業することができるようにすべきだと加えた。
更に船主Cは、国内産サバ消費が減る一方、ノルウェー産のサバが過去最大量輸入されており、これに対する対策が必要であると指摘、輸入増加による損害補てん金の上方修正が必要だと述べた。
これに対し海洋水産部は船主から提案された内容の現実性を検討し、対策を用意することができるよう努めるとこたえた。