2019年10月27日
リポート:北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 スコットランド漁船は北アイルランドに船籍を変え関税回避をする可能性がある]
英国首相Boris JohnsonはEU離脱について、大いなる海洋の富を享受する機会を得ることができると主張していたが、一方で、スコットランド水産物協会代表Andrew Charlesは、EU向けの輸出手続きにかかる経費が大規模な負担を与えるとし、スコットランド漁業者団体と違う立場を指摘している。
一方、Boris JohnsonがEUと合意した離脱後の条件では、北アイルランドは当面、関税同盟の規則に残ることとなっている。
スコットランド民族党議員Brendan O'Haraは、北アイルランドの漁業部門が単一の市場と関税同盟にアクセスできるのに対し、同じ海域で漁業を行うスコットランドの水産業はアクセスできないという懸念を表明した。
さらに、Brendan O'Haraは、スコットランドからEUに輸出される魚は関税の対象となるのに対し、スコットランド漁船が北アイルランドに船籍登録し、漁獲物を陸揚げさせ、加工せずにアイルランド共和国に輸送する抜け穴があり、これにより、漁獲物がEU関税から免除されることが可能になると加えた。