2021年05月07日
関 係 各 位
道さけ・ます増協 道定置網漁業協 北洋開発協会による情報交換第1回会合の結果について
公益社団法人さけ・ます増殖事業協会 北海道定置網漁業協会
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会
標記について3団体は、北海道沿岸での2021年のさけ・ます操業漁期を迎えるにあたり、今年第1回目の情報交換会合を開催しましたので、その結果をお知らせ致します。
今回の会合では、特にロシア科学研究機関が、サハリン州沿岸へのカラフトマスの極端に低位な来遊予想等から、大胆な規制、管理措置を、当該操業意思決定機関である遡河性魚種生産管理委員会に提案したとされており、これは、今漁期、カラフトマスの商業漁業について、アニワ湾、テルペニア湾ばかりでなく、サハリン島南西部沿岸全体(クリリオン岬からポギビ岬まで)、さらには国後島まで禁漁措置をとるものとなっているとの情報が確認されたことが加えて報告されました。
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道さけ・ます増協 道定置網漁業協 北洋開発協会による情報交換第1回会合の結果
北海道沿岸での2021年のさけ・ます操業漁期を迎えるにあたり、公益社団法人北海道さけ・ます増殖事業協会(増協)、北海道定置網漁業協会(定置協会)、そして一般社団法人北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内:開発協会)は、北海道の水産業にとって重要な漁業と位置づけされる“さけ・ます漁業”を発展させるために、資源動向を把握することが特に必要で、そのため、海域をまたがって資源が来遊する北海道に隣接するロシア沿岸での最新の操業状況に強い関心をもつことが重要であると再認識し、当該資源の効率的再生産、合理的利用のための行動計画に資することを目的に、今年第1回目の情報交換会合を、本日2021年5月7日、札幌市内で行った。
当該会合は、昨年2020年から開始、同年、増協と開発協会により札幌市内で3度行われ、主に北海道に隣接して先に展開するロシア漁業者の太平洋さけ・ます操業の資源評価、実績に関する情報の整理、当該資源の来遊に関する照合作業等を行った。
会合には今年から、さらに活動を活発化させるため、新たに定置協会の参加を受けることとなった。
今回の今年第1回目の会合には、増協から小野寺勝広専務理事、伊藤二美男事務局長ほか、定置協会から金森浩一専務理事、開発協会から原口聖二国際漁業対策部長が参加した。
2021年4月15日、ウラヂオストクにおいてロシア極東科学操業評議会が開催され、同年漁期の極東地方全体の太平洋さけ・ます漁獲勧告量が極東地方全体で、約46万トンで承認され、この内、北海道に隣接するサハリン州沿岸へのカラフトマスの漁獲予想は、極端に低位で9,700トン余り、人工孵化放流事業を基礎とするシロザケは3倍以上の3万3,300トン、そして、ベニザケ1,430トン、ギンザケ450トン等となっていることが報告された。
一方で、同評議会後の5月上旬、ロシア科学研究機関が、サハリン州沿岸へのカラフトマスの極端に低位な来遊予想等から、大胆な規制、管理措置を、当該操業意思決定機関である遡河性魚種生産管理委員会に提案したとされており、これは、今漁期、カラフトマスの商業漁業について、アニワ湾、テルペニア湾ばかりでなく、サハリン島南西部沿岸全体(クリリオン岬からポギビ岬まで)、さらには国後島まで禁漁措置をとるものとなっているとの情報が確認されたことが加えて報告された。
今回の第1回目の会合では、カラフトマスの移動経路から、特に国後島沿岸における禁漁措置が導入された場合の当該資源の北海道沿岸への来遊と、ロシア側が禁漁期間中の北海道沿岸へのシロザケの来遊への影響が関心事項として指摘され、禁漁(漁具を設置しない)期間に関する情報等、今後の動向観察に留意していく必要があることが確認された。
なお、3団体は、以上の情報交換の意義を評価し、今後とも適宜、会合を重ね、この活動を継続させることとした。
2021年05月07日
公益社団法人さけ・ます増殖事業協会/北海道定置漁業協会/
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会
[北海道隣接サハリン南部ばかりでなく国後島もカラフトマス操業禁止が提案される]
ロシア科学研究機関は、今年2021年漁期、一部条件付がある、北海道に隣接するサハリン南部沿岸ばかりでなく、国後島沿岸でのカラフトマス操業を禁止することを提案した。
今漁期、北海道に隣接するサハリン州の太平洋サケマス操業は、過去、類を見ない規模の制限に直面する可能性がある。
同州沿岸へのカラフトマスの漁獲予想は、極端な低位ながら9,700トン余りに設定されている。
また、人工孵化放流事業を基礎とするシロザケは3倍以上の3万3,300トンと見込まれている。
このほか、ベニザケ1,430トン、ギンザケ450トン等となっている。
一方、科学研究機関は、カラフトマスの極端に低位な資源状況、来遊予想等から、大胆な規制、管理措置を、当該操業意思決定機関である遡河性魚種生産管理委員会に提案した。
これは、今漁期、カラフトマスの商業漁業について、アニワ湾、テルペニア湾ばかりでなく、サハリン島南西部沿岸全体(クリリオン岬からポギビ岬まで)、さらには国後島まで禁漁措置をとるものとなっている。
さらに、操業期間についても、例年、商業漁業は夏の初めにサハリンの南東部沿岸で開始されたが、当該漁業区は禁漁が提案されているため、6月15日からの北クリール列島沿岸が振り出しとなる。
サハリン北西部沿岸は7月1日、択捉島沿岸は7月11日から開始となる。
また、北東部沿岸と南東部沿岸は、産卵場が再生産計画を満たした場合のみ、8月1日に開始されることになる。
来遊が極端に弱く、さらに、密漁を完全に防ぎきれないという現実を考慮した時、これらの沿岸ではカラフトマスを漁業者が合法的に完全な形で漁獲できる可能性はほど遠い。
これらの規制措置導入の最終決定は遡河性魚種生産管理委員会によって行われることになる。
なお、同委員会は、漁業当局、漁業者、科学研究機関、そして治安機関の代表者らで構成されている。
(参考:2020年第3回会合結果)
2020年08月20日 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[道さけ・ます増協と北洋開発協会による情報交換第3回会合の結果]
北海道沿岸での今年2020年のさけ・ます操業盛漁期を迎えるにあたり、公益財団法人北海道さけ・ます増殖事業協会と一般社団法人北洋開発協会は、当該資源の合理的、効率的再生産のための行動計画に資するため、2020年8月19日、札幌市内で第3回目の情報交換会合を行った。
第1回目の会合では、北海道の水産業にとって最も重要な漁業と位置づけされる“さけ・ます漁業”を発展させるために、資源動向を把握することが特に必要であり、そのため、海域をまたがって資源が来遊する北海道に隣接のロシア沿岸での最新の操業状況に強い関心をもつことが重要であると確認された。
加えて北海道に隣接するサハリン州のさけ・ます孵化場の採卵数、孵化放流数が近年、急速に増加傾向にあること、また、ロシア沿岸へのカラフトマス資源の来遊が年々、北偏傾向にあること等が指摘された。
第2回目の会合では、今年2020年漁期、既に開始されているロシア漁業者のカラフトマス操業において、過去から主漁場となるカムチャツカ東部沿岸への当該資源の来遊が予想を大きく下回っていること、クリール諸島を通過してのオホーツク海側への当該資源の移動が驚くほど早期に始まったことが、カムチャツカ西部沿岸での漁獲量の増加の要因とロシア科学研究機関が評価していること等が指摘された。
今回の第3回目の会合では、今年2020年、北海道漁業者より先に開始されたロシア漁業者のカラフトマス操業について、クリール諸島を通過してのオホーツク海側への当該資源の移動が驚くほど早期に始まったことをロシア科学研究機関が評価している旨、前回となる第2回会合で報告されたことを振り返り、序盤となる現在の北海道オホーツク管内沿岸への当該資源の来遊も同様の傾向を示していることが指摘された。
また、この10年間、当該資源のロシア沿岸への奇数年・偶数年の豊漁・不漁の周期が、不規則となっていることが再確認された。
このほか今回の会合では、北海道漁業者より先に開始されたロシア漁業者のシロザケ操業の漁獲状況等が報告された。
なお、両団体は、以上の情報交換の意義を評価し、適宜、会合を重ね、この活動を継続させることとした。