2021年08月06日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[CV19 ベトナム水産加工能力急減 103施設封鎖]
ベトナムでは、新型コロナウイルス(CV19)の全国的な流行により、少なくても103施設の水産加工場が封鎖された。
2021年4月27日以降、17万8,000人以上の住民がウイルスに感染しており、このほとんどが、国の南部に集中している。
同年7月中旬から、ベトナム政府は数十の南部の州と市町村の封鎖を開始、7月31日、首相ファム・ミン・チンはベトナムの主要な玄関口であるホーチミン市を含む19の州と市の封鎖の延長を行っている。
封鎖中も、選択指定された水産加工場は操業を許可されているが、従事者は工場内で働き、食事をし、睡眠をとり、一般市民やその家族から完全に隔離されなければならない。
当局の報告によると、ベトナム南部の82施設の水産加工場だけが要件を満たし、操業を継続することができている。
しかし、ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)は、工場の総従事者の30%-50%しか収容できず、操業を続けている工場の生産能力も半減していると明らかにした。
農業省は、地元のサプライチェーンと輸出に混乱が生じることを危惧し、中央政府と州当局に、水産加工場などの従事者に予防接種プログラムを優先するよう求めている。
ベトナム・パンガシウス協会会長Duong Quoc Nghiaは、会員のパンガシウス加工場のうち、封鎖中も操業を継続できたのは1/5に過ぎないと語り、ワクチン接種の優先権が従事者に与えられることを促したと加えた。
これまでのところ、人口が1億人近くのベトナムでは、1800万回以上のCV19ワクチンが接種されており、その大部分はWHOが主導する配布プログラムCOVAXの枠組みで供給されている。
なお、ベトナム政府は、2022年第1四半期までに人口の70%に予防接種を行うことで、集団免疫に達すると推定している。
*ベトナム政府によると、2020年初めから2021年4月までの間に、同国で発生したCV19の症例は3,000件未満だった。