2021年08月19日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア艦艇 韓国沖合イカ釣り漁船 警告射撃事件 海域が示される]
2021年8月18日午前、韓国沖合イカ釣り漁船“800オリョン号”(77トン)がロシアEEZで、ロシア海軍艦艇から実弾の警告射撃を受ける事件が発生、今般その海域が別図のとおり示された。
ロ韓政府間協定に基づきロシアEEZ沿海地方ウラヂオストク南側75カイリ地点で、イカ釣り操業中の“800オリョン号”がロシア海軍艦艇から実弾6発の警告射撃を受けた。
当時、船長のキムら船員8名が乗船していたが全員無事だった。
ロシアの艦艇が実弾を発射した理由は“訓練区域侵犯”とされている。
韓国海洋水産部は、別途確認した結果、当日18日からロシア側の訓練が始まったとのことだが、事前の訓練告知はなかったと説明している。
当日午前3時30分ごろロシア艦艇が“800オリョン号”の周囲を回りながらサイレンを鳴らした。
“800オリョン号”がロシア国境警備局監督官に通信で操業が可能かどうか問い合わせしたところ、ロシア側の監督官が訓練区域だが操業しても問題はないと答えたとされている。
しかし、この通信から約3時間後、ロシア海軍艦艇が“800オリョン号”の右舷から200メートルの距離に実弾6発を発射した。
韓国海洋水産部は、事前通報なく非武装の漁船に対し警告射撃をしたことについて、ロシア側に厳重に抗議するとし、再発防止に向け、韓ロ漁業委員会の場などで、操業期間内に訓練があれば事前に通知を受けるなどの保全策を確保すると加えている。
報告担当者データ:2021年韓ロ漁業協定に基づく沖合イカ釣り操業合意内容
操業期間:6月1日-11月30日 操業海域:沿海地方海域
操業隻数:60隻
漁獲割当および有償料単価:
スルメイカ4,000トン(110ドル/トン) 混獲 フグ60トン(90ドル/トン)