2021年08月31日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[記録的豊漁ロシア太平洋サケマス しかし魚卵価格は急落しないだろう 背景に日本]
今年2021年漁期、同年8月末現在、ロシア漁業者による太平洋サケマス漁獲量は49万トンを超えており、最終的に50万トン台の後半に達する可能性があるほどの記録的豊漁となっている。
この生産量により、カラフトマスのH&G(ドレス)等、内臓除去製品の卸売価格は急落しているが、太平洋サケマスの冷凍魚卵製品は低下傾向を示すどころか、上昇する可能性さえある。
ロシア経済紙“カメルサント”がリポートした。
この理由について、業界関係者の情報から、日本人バイヤーに当該製品の強い引き合いがあること、また、ロシア生産者がある程度在庫を抱え、価格交渉を行う準備を整えつつある旨を指摘している。
50万トンの原魚からの魚卵の生産量は2万トンと見積もられる。
今漁期の操業開始日の同年6月1日、製品最不足時となり当該製品の卸売価格は5,000ルーブル/kgだったが、現在3,000ルーブル-3,300ルーブル/kgに落ち着いている。
しかし、これは昨年同期を10%下回っているものの、価格は既に上昇を開始している。
情報筋は、現在、日本人バイヤーに提示されている価格が32ドル-34ドル(2,360ルーブル-2,510ルーブル)/kgで、これがロシアの生産量の半分を買い付けた時、卸売価格は今年末に昨年2020年末レヴェルの3,700ルーブル-4,000ルーブル/kg、小売価格については5,000ルーブル-6,000ルーブル/kgになるとの観測を示していると日本の強い需要とともに説明した。