2022年02月11日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業庁 第31回ロ韓漁業委員会を終える]
ロシア漁業庁は、2022年2月8日から同11日までの間、通信を利用して第31回ロ韓漁業委員会が開催され、これを終えたと発表した。
(報告担当者 原口聖二:今年2022年のロシアEEZにおける韓国漁船の漁獲割当、操業条件等に関する言及は当該発表に含まれていない。)
ロシア側代表を漁業庁長官シェスタコフ、韓国側代表を海洋水産部水産政策室長キム・ジョンソクが務めた。
ロシア極東地方における水産インフラ投資プロジェクトと科学技術協力にかかる2021年のレヴューと今後の計画、2009年12月22日付IUU漁業防止協定に基づく実行状況、水産物貿易等、様々な分野の協力について協議が行われた。
ロシア側は、ロシア産水産物の韓国への供給が1.5倍以上、輸送物流量が3倍に増加したことを指摘、さらなる韓国への輸出と、中国等への再輸出に関する協力の発展に強い希望を示した。
双方は、IUU漁業防止協定の実行の一環として、漁獲製品の合法性の確認を目的とする媒体を電子化するためのパイロットプロジェクトを開始することに合意した。
また、ロシア産のエビの原産地を検証するための国内手続きの進捗等が確認された。
ロシア漁業庁は、ロシア産水産物を輸出する際の合法性を確認するためのシステムを近代化している。
電子証明書は、デジタル署名とQRコードを使用することで検証が自動化され、偽造を防止することになる。
このオペレーションは、ロシア漁業監視通信センターが管理し、単一のポータルを介して、非接触手続きにより新型コロナウイルスの拡散防止にも貢献することになる。
電子証明システムは、2022年9月21日から同23日までの間、サンクトペテルブルグで開催される第5回ロシア国際漁業フォーラムの場でプレゼンテーションが行われる予定となっている。
このほか、交渉の重要な部分は、ロシア極東地方の漁業インフラ発展のための投資に韓国が参加する問題となった。
韓国側は、ロシアの造船力発展を支援するために、漁船竣工の際、韓国舶用機器協会の専門家が現地で技術的検査を実施するほか、生産施設の近代化の提案をする用意があることを表明した。
双方は、今次委員会の議事録に署名し、オリジナルは外交ルートを通じて取り交わすこととなった。