2022年10月05日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 英国 離脱元年2021年漁業結果 離脱効果が表れる]
昨年2021年は英国のEU離脱元年であり、その漁業結果、効果等をリポートする。
英国政府によると、昨年2021年、英国の漁船登録数は5,783隻で、この10年間で10%減少したが、漁船勢力のインデクスとなる総トン数は20万2,000トンでこれを維持している。
英国漁船の20%以上は全長10mを超える漁船で、44%がスコットランド登録となっている。
2021年、漁業従事者は1万1,000人だが、この10年で1,700人減少した。
英国漁船は、2021年、65万2,000トン、9億2,100ポンド(約1,400億円)相当の水棲生物資源を陸揚げした。
これは、前年2020年より、数量で5%、金額で11%増加したことになり、新型コロナウイルスの影響からの市場回復、そしてEUからの離脱により英国が利用できる漁獲割当が追加的に配分されたことが主な要因となっている。
2021年、英国漁船の外国の港への陸揚げ数量は25万8,000トンで5%増加したのに対し、外国漁船による英国の港での陸揚げは2万トンで48%減少した。
EU加盟国は、英国のEU離脱により、これまでの英国海域での漁獲量の25%(金額ベース)を譲渡することになった。
これらの英国への漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。
譲渡は、2021年に60%(全体の15%)、2022年に70%(同17.5%)、2023年に80%(同20%)、2024年に92%(同23%)、そして、2025年の終わりにこのプロセスを100%(同25%)と段階的に完了することとなっている。
非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。