2023年08月09日
リポート 北海道機船漁業協同組連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ロシア太平洋サケマスの大豊漁で国際市場価格一気に下落 米国業界一部荷受け停止も]
米国最大の垂直統合型水産企業“トライデント・シーフーズ”は、先週(2023年7月30日からの週)末、大部分のサケマスの買い付けの早期終了など多くの措置を発表、この理由として、供給漁業者へ宛てた書簡の中で、ロシアによるカラフトマス製品の不当な廉売があると言及した。
“トライデント・シーフーズ”は、ロシアのサケマス業界が世界市場で不当な廉売を行っていると非難、特に今年2023年漁期のカラフトマスの大量漁獲により、ドレスやセミドレスの価格が一気に下落したと指摘している。
カラフトマスの価格は1990年レヴェルで、米国アラスカの漁業者は、当該製品を1.98ドル/kg -2.56ドル/kgで中国市場へ供給する用意があるものの、ロシア漁業者が1.54ドル/kg -1.98ドル/kgで同市場に製品を供給しているとされている。
一部情報によると他の米国漁業会社も、価格が生産コストをカバーできないため、今秋の漁業には参加しないと表明している。