2023年09月01日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業 2023年度漁期漁業種別TAC設定]
韓国漁船による自国EEZにおけるスルメイカ操業の2023年度漁期(管理期間2023年7月-2024年6月)の漁業種別TAC、留保枠、そして実証試験枠が、今般、別表のとおり発表された。
正式TACの総枠は、留保枠を含め既報のとおり7万9,000トンから変更なく、前年度比の92%、新設された実証試験枠を含めると約8万1,000トンで95%となる。
大型トロールと二艘引き西海トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域において、約3万トンを確保し、加えて新たに西南海区の二艘引き中型トロールに約2,000トンの実証試験枠が設定され、朝鮮半島西部沿岸沖合が全体の4割を占めることになる。
引き続き、これまで日本の資源評価において、この動向が、ほぼ論議の対象外となっていることが問題点として指摘されるところとなる。
2022年度漁期(管理期間2022年7月-2023年6月)は、当該生産量2万7,200トン、前年度比において63%、TAC設定8万5,590トンに対する開発率32%でこれを完了した。
主要漁業沖合イカ釣りのTACは期中見直しされ、2,200トン上積みされたが、開発率は35%、1万トンにとどかず、前年度同期比66%の8,560トンにとどまった。
なお、2020年度漁期となる2021年1月1日から、近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されており、2022年度漁期は、前年度同期を12%上回る4,090トンを漁獲、当初枠のTAC開発率が100%に達し、留保枠も利用されるところとなった。
*日本の自国EEZの2022年-2024年のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値とした上で、7万9,200トンの設定となっている。