2023年08月28日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア農業省 北海道接続西サハリン海域スケトウダラ 科学勧告に基づきTAC期中見直上積み決定]
“資源管理はその合理的利用とパッケージでなければ経済的怠け者(サボタージュ)となる”
“日本の保守的なTAC設定との乖離は益々大きくなる 日本海4万トン超え 対日本2.7倍に”
ロシア農業省は、今年2023年漁期、科学研究機関の勧告に基づき、同年8月14日付命令No.683により、北海道接続西サハリン海域スケトウダラのTAC9,000トンを期中見直しして、5,000トン上積み、1万4,000トンに引上げることを決定した。
先に、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・サハリン支部サフニロは、西サハリン海域の当該資源が極めて高水準な状況にあることを発表していた。
これにより、日本の資源評価のスケトウダラ日本海北部系群が往来しているロシアEEZ日本海(沿海地方海域/西サハリン海域)のTAC設定は4万700トンに達し、日本EEZの1万5,300トンの2.7倍の設定となった。
また、さらに来年2024年のロシアEEZ日本海(沿海地方海域/西サハリン海域)の当該資源のTACについては4万9,400トンとする科学的勧告が既に行われており、日本の保守的なTAC設定との乖離は益々大きくなることになる。