2021年08月26日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア 中国の水産物輸入制限問題 貿易障壁撤廃協議で取り上げる]
2021年8月25日、ロシアは、中国と2国間の貿易障壁撤廃協議を行い、中国による水産物輸入制限問題を取り上げ、当該話し合いを行ったと、これに参加した全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ズベレフが明らかにした。
ズべレフは、協議において、ロシア政府代表が、水産物の輸入制限問題を、両国貿易関係における主要な障壁と指摘したと語り、ロシア漁業庁中国代表部が、今年2021年上半期の水産物輸出が、前年2020年同期の1/2まで減少したことを報告、障壁撤廃のための具体的行動を提案したと加えた。
ロシア側は、冷凍水産物の包材に付着した新型コロナウイルスが検出された場合の化学薬品での消毒、その他検査方法に関する技術的対応についても通報した。
また、ロシア側は、協議において、この問題の解決に向けた話し合いを継続する意思が中国側にあることを確認した。
ズべレフは、今秋9月に開催が予定されている“2国間の経済発展協力に関する小委員会”においても、この問題が取り上げられるべく働きかけを継続するとしている。
ロシア経済発展省は、先に中国による新型コロナウイルス拡散防止対策を理由とするロシア産水産物の輸入制限について、2国間の貿易障壁撤廃協議の枠組みによる話し合いと、経済発展協力に関する小委員会でこの問題を取り上げると発表していた。
ズベレフは、2021年7月5日、経済発展大臣レシェトニコフに対し、問題解決に向け、新たな枠組みによる交渉を求め要請を行っていた。
ズべレフは、春季抱卵スケトウダラ操業製品の過剰在庫に加え、太平洋サケマス操業が大きな生産を行っていることから、この製品滞留問題が深刻化しており、中国への製品供給が再開されない場合、業界は最大3億5,000万ドルを失う可能性があるとの観測を示していた。
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