ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

ロシア サケマス定置網漁業等投資義務 地域ごとにも論議 投資額の算定方法案例示

2023-01-19 11:51:47 | 日記

 

2023年01月20日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア サケマス定置網漁業等投資義務 地域ごとにも論議 投資額の算定方法案例示]   

ロシア漁業庁は、太平洋サケマス等、遡河性魚種を漁獲する定置網漁場利用等にかかる投資義務の設定法案準備を進捗させており、昨年2022年末に第1回目の作業会合が開催された。

極東地方のほとんどの太平洋サケマス漁場利用の契約が2027年-2028年に更新をむかえる。

当該法案は今年2023年上半期に用意されることになる。

同庁長官シェスタコフは定置網漁場を優先的に利用する基準の確立が求められており、水産インフラ投資や地域経済に貢献せず、資源利用のみを行う企業があることから、水産加工場建設等に実際に投資する漁業者の権利を拡大する必要があると述べ、同時にこの権利拡大のための明確な基準を設定する必要があると言及している。

一方、当該基準の決定については、例えば、野生魚が大量に来遊するカムチャツカ地方は単純な側面もあるが、増殖事業が基礎にあるサハリン州は複雑なものになると予想されることから、地方ごとの論議が必要であることが確認された。

シェスタコフは更に、このセグメントの投資について、資源利用者と地域行政が合意して、例えば5年間の平均漁獲量に、設定した製品販売価格係数を与え投資額を決定し、定められた投資目的への履行義務管理を首長が行うこと等を提案した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア サケ市場 高値で縮小  2023年01月19日 日刊水産経済新聞

2023-01-19 11:11:41 | 日記

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道機船漁業協同組合連合会の学校給食製品供給実績  2022年 137万7,890食

2023-01-18 18:21:44 | 日記

 

北海道機船漁業協同組合連合会の学校給食製品供給実績について

2022年 137万7,890食

 

北海道機船漁業協同組合連合会は、今般、昨年2022年1月-12月の学校給食製品供給実績等を次のとおりとりまとめた。

 

1 2022年総供給数 137万7,890食

  昨年2022年の総供給数は137万7,890食となった。

2021年総供給数152万250食には、新型コロナウイルス(以下CV19)拡散防止対策による水産物製品の流通の目詰まりを解消するために北海道が用意した支援「道産水産物学校給食提供推進事業」の枠組みでの提供44万8,000食が含まれており、差引くと107万2,250食で、これを凌ぐ過去最高の実績となった。

 

2 主力供給製品

 「釧路産鱈フライ」「釧路産鱈ザンギ」「日本海産ホッケフライ」など

 

3 これまでの製品供給の経緯

当連合会は、所属沖底船の主力漁獲物であるスケトウダラ、ホッケの付加価値を高める試みとして、2004年からフライ製品の開発・販売に着手し、2008年以降、道内をはじめ関東以北の小中学校給食向けに本格的に提案、供給を行ってきた。

製品の生産体制については、漁獲産地での1次加工、札幌隣接地域での2次加工にあたり、常にそれぞれの協力工場と連携し、原魚の漁獲から加工、流通まで一貫した供給システムを成立させてきた。

この一貫したMD(マーチャンダイジング)により在庫回転率は特に高く、“鮮度を感じるフライ製品”としての評価を定着させ、2019年には、総供給食数が100万食に到達した。

しかし、2020年はじめから、CV19による行動自粛の必要性に関する情報が多くなり、全校休校措置がとられる等、実質、3月、4月、5月の間の製品供給のすべてを失った。

7月から例年に近い体制に回復したが、この休校措置のダメージは残り、北海道が用意した支援「道産水産物学校給食提供推進事業」により、18万8,100食を穴埋めしたものの、総供給数は90万6,900食にとどまった。

当該支援事業は翌年2月まで継続され44万8,000食を追加的に供給し、小中学校の登校回数も正常化したことで、2021年の総供給数は152万250食に達した。

昨年2022年については、完全に関連支援を受けることのない体制において、137万7,890食を供給するに至った。

 

4 今後の展開

 引き続き、安定した品質と安全性、そしてユーザ側へのきめ細やかな対応により、供給体制の維持と強化に取り組むこととしている。

 また、やや鈍化した道外への提案も再強化することとしている。

なお、新たにスケトウダラのすり身とフィレを利用した新製品の開発にも取り組んでおり、新年度からの供給に向けMDを加速させている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

#11洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 続いたクジラの死 プロジェクト停止の声が高まる

2023-01-16 17:14:24 | 日記

 

2023年01月16日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#11洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 続いたクジラの死 プロジェクト停止の声が高まる]

米国北東部沿岸に、この2ケ月たらずで7頭の死んだクジラが打ち上げられていることから、洋上風力発電プロジェクトを停止するよう求める声が高まっている。

“FOX News”(原口聖二:同メディアは共和党寄りとされている)が伝えた。

国会議員、漁業者、そして、海洋活動家は、ニュージャージー州とニューヨーク州の海岸線に沿って最近死んだクジラが相次いで漂着、洋上風力発電プロジェクトの影響調査を求めている。

漁業関係者は、クジラが打ち上げられたのが、洋上風力発電所が原因だと断言することはできないが、言えることは、この2ケ月たらずの間に、ニュージャージー州に打ち上げられた7 頭のクジラはすべて、ニュージャージー沖の風力発電所の地質作業が最も強まっている期間だと指摘した。

ニュージャージー州選出上院議員ビンス・ポリスティナ(共和党)は、クジラの死因を特定できるまで、洋上風力開発に関連するすべての作業を一時停止する必要があると語り、7頭のクジラの死が単なる偶然であるとは信じがたいと加えた。

米国海洋大気庁(NOAA)は、これまでのところ、ニュージャージー州とニューヨーク州での最近のクジラの死のほとんどを占めている種はザトウクジラだが、洋上風力発電開発作業の影響かは判明していないとしている。

しかし、この沿岸沖合における数少ない変化は、洋上風力発電所開発のための調査活動で、爆撃のような音で海底を叩いており、激しい音がクジラの鼓膜に出血を引き起こし、耳に損傷を与える可能性があることが知られており、浅瀬への座礁の可能性が指摘されている。

下院議員ジェフ・ヴァン・ドリュー(共和党)も、洋上風力発電所を建設するための調査作業が海洋生物に害を及ぼしているかどうかを判断するための調査を求めており、これが実施されるまですべての洋上風力発電開発にかかる活動の停止を2023年1月13日、関係機関に要求したことを明らかにした。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア 急激な価格上昇でサケマス国内市場縮小の可能性

2023-01-15 21:32:31 | 日記

 

2023年01月15日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ロシア 急激な価格上昇でサケマス国内市場縮小の可能性]
ロシアの国家分析機関は、2014年のクリミア併合に端を発したロシアの食品輸入禁輸措置にタイセイヨウサケが含まれていることや、物価の急激な上昇等から、国内サケマス市場が縮小し、水産物の消費構造において当該製品の割合が減少し、同時に輸出が今後も増加する可能性を指摘している。
ロシア経済紙”カメルサント”が伝えた。
経済の弱体化により、今後数年間、ロシアの1人あたりの年間の水産物消費量が5%-7%減少する可能性が指摘されている。
ロシア統計当局によると1人あたりの年間の水産物消費量は、2021年、21.7kgだった。
国家分析機関はサケマス製品の需要の減少は特に価格の上昇にあるとみている。
昨年2022年、太平洋サケマスの生産量が、前年2021年の53万9,000トンから28万トンに減少したことに加え、食品輸入禁輸措置の継続の影響等で、サケマス製品の平均価格が25%上昇したと報告されている。
現在、チリとフェロー諸島がロシアの輸入サーモンの約60%の供給者だが、これらの国から取引も圧迫を受けている。
ロシア最大のサーモンの生産供給者”Inarctica”代表ソスノフは、サプライチェーンの混乱と通貨の変動により、2022年のロシアのサケマス市場は2014年-2015年に比べてすでに縮小していると明らかにしている。
2014年のクリミア併合にかかる食品輸入禁輸措置により、2015年に輸入サーモンの価格が上昇、当該製品の生鮮取扱量は70%以上減少した。
大手小売企業等26社で構成される小売企業協会”アコルト”АКОРТ:AKORT)会長カラバエフも、この3年間で水産物製品、特にサケマス製品の消費量が減少していると指摘している。
”アコルト”の速報データによると、昨年2022年には需要が15%-18%減少している。
同年第4 四半期には、サケマス製品の売上が30%以上減少したが、カレリアと北オセチア、そしてトルコからのサーモンの供給が拡大したため、全体の減少の一部を穴埋めした。
ロシア水産物加工流通協会常務理事ファミンは、データのとり方により、ロシアの水産物の実質消費量が、すでに年間1人あたり17kg-18kgレベルにあると指摘している。
ファミンは、水産物が世界中で価格が上昇し続けている中、ロシアの購買力が低下しているため、需要はさらに低下することが予想されると語り、漁業者の収入に占める輸出の割合は、今後数年間で更に増加するとの観測を示している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア漁業分野 国家統合ポータル電子公共サービス 第1フェーズ開発完了

2023-01-15 10:46:30 | 日記

 

2023年01月15日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業分野 国家統合ポータル電子公共サービス 第1フェーズ開発完了]
ロシア漁業庁傘下漁業監視通信センターがデジタル発展省と運営する国家統合ポータル電子公共サービスの第1フェーズの開発が完了、6件のリンク・サイトが開始されている。
リンク・サイトは、水棲生物資源開発にかかる商業漁業・沿岸漁業の漁獲割当配分のための契約、総許容漁獲量(TAC)が設定されていない水棲生物資源の利用に関する契約、内水面商業漁業における漁場利用契約、その他、養殖、科学目的やスポーツ・フィッシング等に関する権利手続き等を可能にしている。
また、 EU諸国に供給される水産物製品の輸出証明書の承認等にも対応している。
漁業分野のデジタル化はロシア漁業庁の優先任務の一つに位置付けされており、国家統合ポータルと同庁公共サービス実行システム”シグル:SIGUR”(СИГУР)の双方において、さらに作業を継続することとしている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国後島沿岸イワシ大量打ち上げ ロシア科学研究機関 急激な水温低下が主原因と指摘

2023-01-15 10:02:15 | 日記

 

2023年01月15日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[国後島沿岸イワシ大量打ち上げ ロシア科学研究機関 急激な水温低下が主原因と指摘]
今年2023年1月9日から数日、国後島ペルヴヒン湾で大量にイワシが打ち上げられていることが確認された。
これを受け全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロが色丹島クラボザヴォドスク(穴澗)に開設した研究基地“オケアニチェスカヤ”(Океаническая)の職員が現地調査を行った。
これらのサンプル分析等から当該資源の死因は、廃棄物等の人為的影響や災害による痕跡はなく、移動海域の急激な水温低下によるショックであることが指摘された。
近年、国後島を含むロシアEEZ南クリール海域を移動するイワシ資源は拡大、500万トンに達していると算定されており、今回、打ち上げられたオーダーは資源全体に大きな影響を与えるものではないと同支部が報告した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年 ロシア 春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業が好スタートを切る

2023-01-13 14:34:11 | 日記

 

2023年01月13日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2023年 ロシア 春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業が好スタートを切る]

今年2023年も1月1日から開始されたロシア漁業にとって最も重要で世界最大の漁業となる春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業、所謂“Aシーズン”は好スタートを切っている。

操業開始から同年1月10日までの生産量は5万1,700トンで前年同期を1万6,400トン上回っている。

当該操業は、4月9日まで110日にわたり展開され約130隻が着業、極東海域のスケトウダラの年間漁獲量の60%が生産されることになる。

漁業シナリオは例年どおり、カムチャツカ・クリール海域から開始され、西カムチャツカ海域に北上、反時計回りに魚群を追い、3月に北部オホーツク海域で操業を展開し、これを最終漁場に完了すると予想されている。

今年2023年のオホーツク海主要3海域のスケトウダラのTAC設定は89万7,000トンで、Aシーズンの獲り残し残枠は、10月15日から開始されるBシーズンで利用されることになる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道隣接東サハリン テルペニア湾コマイ操業が開始される(1月12日)

2023-01-13 13:17:58 | 日記

 

2023年01月13日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[北海道隣接東サハリン テルペニア湾コマイ操業が開始される(1月12日)]

今年2023年漁期、北海道隣接サハリン州では、東サハリン沿岸テルペニア湾でのコマイ操業が同年1月10日から開始された。

現在、当該操業にはドルージバ(Дружба)社、ルイバク(Рыбак)社、そしてポロナイスキー・ズヴェロソフホーズ(Поронайский зверосовхоз)社の船団が着業している。

同年1月12日、ドルージバ社の漁船が30トンを初陸揚げした。

なお、今漁期、東サハリン沿岸・沖合のコマイのTAC設定は別表のとおり約5,200トンとなっている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア サケマス定置網漁業投資義務 2023年上半期にも法案用意

2023-01-12 11:10:48 | 日記

2023年01月10日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア サケマス定置網漁業投資義務 2023年上半期にも法案用意]

ロシア漁業庁は、太平洋サケマス等、遡河性魚種を漁獲する定置網漁場利用にかかる投資義務の設定法案準備を進捗させており、今年2023年上半期に用意されることになる。

先に、同庁長官シェスタコフは定置網漁場を優先的に利用する基準の確立が求められており、水産インフラ投資、地域経済に貢献せず、資源利用のみを行う企業があり、水産加工場建設等に実際に投資する漁業者の権利を拡大する必要があると述べ、同時にこの権利拡大のための明確な基準を設定する必要があると言及、当該基準の決定については上下院、地域と協力して検討していく所存であることを加えていた。

この、作業会合は、上下院、ロシア農業省、漁業庁、地方行政、科学研究機関、業界の代表者らで構成されることが既に決定されており、2022年末、第1回目の会合も開催された。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2022年 ロシア漁業者海面漁獲量 約488万トン(2022年12月31日)

2023-01-12 11:08:06 | 日記

2023年01月12日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2022年 ロシア漁業者海面漁獲量 約488万トン(2022年12月31日)]

昨年2022年のロシア漁業者による海面での水棲生物資源開発は、速報ベースで、約488万トンでこれを完了したと報告された。

象徴的目標の500万トンには達しなかった。

内水面のデータ更新を合わせた数量は今年2023年第1四半期以降に発表される。

昨年2022年の海面漁獲量の内、主要海域別では、極東で約349万トンが生産された。

この内スケトウダラは190万トン生産され、前年2021年同期を18万2,000トン上回り、ニシンも47万1,000トンで5万6,500トン上回った。

また、イワシ・サバ等の表層魚も28万1,300トン生産され7,200トン上回った。

特に、イワシが27万トンを超え、生産の増加が指摘されるところとなった。

この外の主要海域では、北部海域が52万7,600トン、バルチック海8万1,000トン、アゾフ・黒海4万4,700トン、そしてカスピ海が9万6,200トン等で、紛争地域沿岸となるアゾフ・黒海は3割減となった。

なお、外国海域は35万9,500トン、国際協定海域および公海部海域は21万7,400トンとなった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“復活の日” ロシア漁業の南極オキアミ操業再開への道程 2025年に開始ずれ込む

2023-01-12 09:22:03 | 日記

 

2023年01月10日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[“復活の日” ロシア漁業の南極オキアミ操業再開への道程 2025年に開始ずれ込む]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは2022年末の記者会見で、ウクライナ情勢による舶用機器の調達問題等から着業船建造プロジェクトが遅れ、南極オキアミ操業の再開が2025年にずれ込むとの見通しを発表した。

ロシア政府は、2021年6月30日付No.1767により、2030年までの同国漁業発展戦略に基づく、南極漁業に関する行動計画を承認している。

ロシア漁業はCCAMLR(南極海洋生物資源の保存に関する委員会)海域に2隻の投入を計画しており、1隻は着工済となっているが、舶用機器の調達問題等から建造プロジェクトが遅れている。

一方、ロシア漁業庁は、南極オキアミの操業許可取扱い方針の立案を既に開始している。

南極オキアミ漁業の発展は、漁業生産を増加させるばかりでなく、世界の大洋への復帰によってロシア漁業のプレゼンスを向上させ、当該資源の加工による新たなハイテク産業の創出が期待される。

オキアミによる高品質なオイルは、世界の経験が示すように健康食品業界で需要がある。

また、フィッシュミールは、養殖の餌として、強い需要があり、世界の養殖生産が大幅に伸長している現状から、販売機会は確実と評価されている。

現在、当該資源を最も利用しているのはノルウエーで、中国も近代的漁船を投入し努力量を上げている。

最近の調査研究結果では、南極オキアミのバイオマスは1億2,500万トンと算定されている。

両国による年間漁獲量は60万トンだが、これを200万トンまで拡大する計画とも伝えられている。

一方、ロシアは当該漁業に適した漁船を失ってしまったことから、ここで操業を行っていない。

1980年代、ロシア中央設計局”ヴォストーク“がオキアミ漁船プロジェクトNo.16080”アンタルクチダ(Антарктида)を開発、同年代半ばから1990年代初頭における南極域でのオキアミの年間漁獲量は36万トンに達した。

しかし、プロジェクトNo.16080シリーズ船は、海外に転出しているか、大規模修繕、近代化が必要な現状となっている。

”2030年までの漁業発展戦略”では、2025年-2030年に、南極オキアミ漁業のため、最大5隻の冷凍加工スーパー・トロールと3隻の冷凍運搬船を建造することが盛り込まれている。

オキアミ漁業は年間7ケ月-9ケ月間操業で、母港との往来頻度は少なく、最大限に漁業時間を利用できることから、船団組織は経済面からも実現可能と評価されている。

現在、漁船の船舶技術と設計、原料からの高次製品の経済的利用など、船舶修理技術センター、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロら関係機関が包括的なプロジェクトに取り組んでいる。

当該プロジェクトにおいて次のパラメータを考慮している。

①オキアミ漁船と冷凍運搬船の最適な比率

②漁業活動域

③陸上高次処理施設の位置

④製品歩留まり計算

⑤活動全体の経済効率等の予備評価

⑥オキアミ漁業が弱まる5月-10月の間の船舶運航による収益性の効率化

また、漁業経済性は、原材料の加工度に大きく依存するため、船内加工の5つのシナリオで概算している。

シナリオのインデクスは2015年-2020年のノルウエー漁船のデータを入手して行われた。

①年間漁業日数 235日

②1日あたりの平均漁獲量 425トン

③1航海あたりの平均漁獲量 約10万トン

④製品価格  ミール$1.8/kg オイル$70/kg 食用ミンス$3.36/kg、ミンス缶詰$1.35/個

⑤製品歩留まり ミール6.3% オイル-2%(生から)3%(殻から)10%(乾燥殻から) 食品ミンス25%(メーカからのデータ)

シナリオ1と2は、原材料の加工度が比較的低いことを特徴とし、現在の中国漁船とノルウェー漁船の典型となる。

オキアミ漁業の経済的利益を最大化するために、利益率を高い設定にしているシナリオを3、4、5として段階的な達成目的とする。

シナリオ 1

10万トンのオキアミの内、1万6,300トンのミール(遠心乾燥法)と、2,000トンのオイル(生から)を生産。

製品総額見積は1億6,934万ドル。

シナリオ2

航海中に漁獲されたオキアミの半分(5万トン)で1万2,500トンのミンスを生産。

ミンス製造時に圧搾分離された2万トン(収率40%)の殻付き残滓を、漁獲物の残り半分と混合して再処理。

その結果、1万1,410トンのミールと1,400トンのオイルを生産。

製品総額見積は1億7,435万8,000ドル。

シナリオ3

ミールとオイルの生産はシナリオ2と同じ。

原材料の半分もミンスの生産に再処理されるが、この50%の6,250トンのみ冷凍。

残りは、正味重量100グラム(6,250万個)の缶詰を製造。

製品総額見積は2億3,791万3,000万ドル。

シナリオ4

シナリオ3と同じ製品種類、数量となるが、陸上での特殊技術による殻からのオイル抽出。

製品総額見積は2億6,187万ドル。

シナリオ5

ミールとオイルの生産はシナリオ2と同じ。

生鮮ミンス1万2,500トンを生産し、100グラム、1億2,500個の缶詰を製造。

製品総額見積は3億128万ドル。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア 農相パトルシェフ ミール生産倍増へ 2022年01月10日付 日刊水産経済新聞

2023-01-10 09:52:44 | 日記

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア サケマス禁輸法案破棄 2023年01月10日 みなと新聞

2023-01-08 11:35:08 | 日記

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

#10洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 タラ資源への科学的警告を無視しプロジェクト承認

2023-01-08 05:28:38 | 日記

 

2022年01月08日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#10洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 タラ資源への科学的警告を無視しプロジェクト承認]

米国海洋大気庁(NOAA)の科学者は同国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)に対し、ロードアイランド州沿岸のサウスフォークの洋上風力発電所がニューイングランド南部のタラ資源に脅威を与えると警告した。

警告は、BOEMが2021年11月、タービン12基の当該計画を承認する数週間前に、非公開で通報された。

これらの警告は、米国東部海岸に沿った洋上風力発電計画による生態学的影響、環境トレードオフを強調するものとなっている。

”オーステッドAS”(Orsted AS) と”エヴァーソース・エナジー”(Eversource Energy) によって開発されている当該 132メガワットのプロジェクトに関する懸念は、タラの主要な産卵地であり、政府が管理する多くの魚種に貴重な生息地を提供する敏感な生態地域“コックスレッジ”との重複となっている。

NOAAは、2021年10月にBOEMに宛てた書簡で、専門知識と査読済みの科学に基づき、当該プロジェクトが、ニューイングランド南部の大西洋沿岸沖合のタラ資源に影響を与えるリスクが高いと指摘している。

BOEMは、タラ資源への影響を和らげるために、コックスレッジの一部の地域をリースから切り出すなど、いくつかの措置を講じ、NOAA からの警告の後、最終的なサウス フォーク計画が 15 基のタービンから 12 基に縮小された。

しかし、それでもなお、NOAAはBOEMがタラ資源を保護するための他の勧告を無視したことを非難し、科学によって裏付けられていない欠陥のある仮定に基づいていくつかの決定を下したと言及、当該資源の産卵期における建設作業問題等を指摘している。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする