大晦日、仕事が終わってから、旧友の一人が訪ねて来てくれて、妹夫婦と四人で、食卓を囲み、昨年末に逝去した母の想い出などを楽しく、時にしみじみと、語りながら、年を越した。年末にも一度家族と一緒に、その三日前に逝去したばかりの母に最後の別れに来てくれたその友人と会って話すのは、十数年ぶりのことだった。二十数年前までは、多くの時間を共有した仲だったこともあり、同じくそのような場をしばしば共有していた妹夫婦も一緒に、自分たちがそこで人と人との関わり方について学んだことの、時間超えた大切さをあらためて皆で実感することにもなった。しかし、母の逝去以来、私たちにとって自明なことが必ずしも誰にとってもそうではなく、その共有のむずかしさにも気づかされてきた。その大切なことを何らかの形で守り、育て、さらに共有の輪を広めていくことが、母の遺志でもあろうと思う。