名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

飛騨特産「あぶらえ」の取り入れ

2012年11月06日 | セカンドルーム

 

飛騨北部は、天気予報通り朝から冷たい雨が降っている。


雨が嫌いなユキは、いつまでも小屋から出ようとしない。
新しい藁布団も鳥の巣状になり、体に馴染んできたようだ。


昨日、隣町の大島町へ行ったとき、おばあさんがあぶらえ(えごま)の実を、鎌の背で叩きながら落としていた。
「あぶらえ」は飛騨の特産品で、煮物や和え物など家庭料理でもよく使われる。
青紫蘇とよく似た植物で、刈り取って2週間ほど乾燥した後に棒や槌で実を落とし、とうみなどで塵と実を選り分けた後に水洗いして乾燥する。
ゴマより小粒な実を取るのは手間が掛かるが、保存の利く栄養食で飛騨地方ではなじみの食材だ。
大島町のおばあさんは、まだ十分乾いてないが、明日は雨なので干し場から取り入れたとのことだ。


ここは四方を山に囲まれたわずかばかりの土地に5軒の家が点在し、今は老夫婦だけが3軒の家で暮らし、残りは空き家になっている。
桃源郷を思わせるようなのどかな集落であるが、自然条件が厳しく冬季は道路が閉鎖されるので、春の雪解けまで高山の町へ移住している。

わが家の前の田んぼに干してあった「あぶらえ」が、せっかく乾き始めたのに無情の雨に濡れていた。


急いで雨除けを被せた家は取入れが早く終わるが、人手が足りない家は雨に濡れて、また余分な日数が掛かる。
冬の訪れが早い山里の仕事は、いつも時間と追い駆けっこをしている。

コメント (14)
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