kotoba日記                     小久保圭介

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イズミヤシゲル

2010年05月10日 | 音楽
友達から、泉谷しげるのコンサートの知らせがありました。
僕は今回はやめておきますけれど、
ちゃんとしたリサイタルは観たいなと思います。

僕が小学生5年か6年の頃、
兄と友達は、大曽根は南座で、
泉谷しげるのライブを観にゆく予定でした。
ところが、兄に用事(確か女がらみ)ができて、
「おまえ行ってこい」
と言われ、
「はい、兄様」
と僕は答えました。
兄の友達の、カワベ君と行きました。
カワベ君は優しい笑顔の人で、
僕はいつもの調子で、
気軽に行きました。
初めてゆくコンサートが、
泉谷しげるでした。
テープレコーダーを持って。
それは兄に「録ってこい」
と言われたので、
「はい、兄様」
と答えた成り行きです。

南座は、みんな座布団だったかな、
ゴザの上に直接座っていたのか、
そこらへんはよく覚えていません。
僕は子供だということで、
舞台の左側の花道に座らせてもらいました。
きっと、誰かが僕をそこに乗っけたのだろうと思います。
大きなスピーカーの前で、
舞台の袖から観ているような、
至近距離でした。
まず、三度笠を被って登場した泉谷しげるは、
「里帰り」を歌いました。
「黒いカバン」、や、「いとしのせれなーで」、とか、
を歌いました。「おー脳」とか。
途中で、当時、アルバムのバックをつとめていた「ラストショウ」の、
村上律と松田幸一が泉谷を挟んで、ギターやハーモニカで伴奏をつけました。
冗談をたくさん言って、お客さんを笑わかせ、みんな笑いました。
時に爆笑になったり。
冗談を言うたびに、言い終えてから、
横の松田幸一を恥ずかしそうに見ます。
子供の僕でさえも、
「ああ、この人は恥ずかしがり屋なんだな」、
と判りました。
それとは逆にステージに女の子をあげて、
訳のわからないショーを始めました。
淡々と村上律と松田幸一がギターを即興で弾いて、
泉谷はコメディアンの如く、客と遊ぶ。
凄くおもしろくて、
終わってから、
当時流行っていたアードルノパーマーのワンャCントのピンク色のシャツに、
「イズミヤシゲル」とサインをもらいました。
カタカナだった。

アルバム、「光と影」、「地球はおまつりさわぎ」、「春夏秋冬」、「泉谷しげる登場」からの、曲が多かったです。僕は全部聴いていたので、
生で歌う人を見て、カルチャーショックでした。

ネットで、今は、視聴、できるんですね、何十秒かは。
懐かしいアルバムをいちいち聴いてゆくと、
どれもが僕の体に入っている、
とびっくりしました。
原初的な時期に聴いたものは、
本当に源を作ってしまうと、
驚きました。

家に帰って、兄様に、
「これが録音物です」
と言うと、
二段ベッドの上に寝ている兄様は、
寝ながら聴いていました。
僕がそれを聴くことができるのは、
翌日か、翌々日でした。
兄様は、ライブの音源で、笑っていました。
きっと僕の方が正確に笑える意味を知っていましたけれど、
そのことについては黙っていました。
ベッドの上で、
「ぎゃはは」
と兄様は笑いましたけれど、
僕はほくそ笑みました。

兄の日、というものがあったら、
僕は凄く何かを贈りたいです。
もしかしたら僕は、
兄の弟になりたくて、
この世に来たのかもしれない、
と思う時があります。
僕は幸い、両親、兄に愛されて育ったので、
ラッキーです。
コメント (2)
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