傘をさして
朝
歩道橋をのぼった時
階段三段目で
蝉の抜け殻
雨に濡れている
ふむ
と思って
引き返す
ひらってみると
抜け殻ではない
早くに土から出てきて
殻から抜け出せず
果ててしまった
「蝉になれんかったなあ」
そう言い
寿司屋の植え込みに
置く
太陽の歌を二度歌い
傘を持っていたので
片方の手で
拝む
すると
近くなった
そういうことか
と思
朝
歩道橋をのぼった時
階段三段目で
蝉の抜け殻
雨に濡れている
ふむ
と思って
引き返す
ひらってみると
抜け殻ではない
早くに土から出てきて
殻から抜け出せず
果ててしまった
「蝉になれんかったなあ」
そう言い
寿司屋の植え込みに
置く
太陽の歌を二度歌い
傘を持っていたので
片方の手で
拝む
すると
近くなった
そういうことか
と思