交差点で歩行者と車の青信号のタイミングを分ける歩車分離式信号について、警察庁は23年ぶりに指針を改定し1月31日、各警察本部に通達した。
導入を検討すべき交差点の条件を大幅に緩和しており、全国で整備を促す。
通学路付近を含め児童や高齢者ら歩行者を守るため、積極的な導入を後押しするのが狙い。
同庁の幹部は「歩車分離式は安全面で大きな有効性がある。 『人』優先の交通社会を一層進展させたい」としている。
歩車分離式信号はスクランブルなど4方式あり、横断歩道が青信号のときに車道を赤信号にしたり、右左折をさせないようにしたりし、歩行者が事故に遭う危険性を低減できる。
一方で渋滞が生じる恐れもあり、導入には円滑な車の流れとのバランスが求められる。
警察庁は2002年、初めて指針を作成し、設置を検討するよう求めた。
2024年3月末時点で全国の信号機約20万6千基のうち歩車分離式は約1万基で4・98%と十分に導入が進んでいない。
2002年の指針は、導入を検討すべき交差点の条件として、(1)歩車分離であれば防止できたと考えられる事故が過去2年間で2件以上発生、(2)児童などの交通の安全を特に確保する必要があり、かつ、歩車分離導入の要望があるなどを明示した。
これに対し、改定指針では、(1)について「事故が過去5年間で2件以上発生」「死亡事故が発生」で検討すべきだとした。
(2)については「特に」を外した上で、「かつ、-」以下を削除して要望がなても導入を検討できるようにして条件を大幅緩和した。
渋滞の恐れから導入に消極的にならないよう、留意事項として「隣接信号とのサイクル調整や押しボタン式信号による渋滞の回避・緩和の可能性の検討」を明記した。
また視覚障害者の安全な道路横断を確保するため、全ての歩車分離式信号の設置場所をホームページで公表するよう指示した。
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