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歩行者妨害最多18万件 全国警察庁、対策を強化

2019年10月19日 | 社会

昨年1年間に全国の警察が道交法違反の横断歩行者妨害で摘発したのは前年より3万5千件以上増えて18万1290件に上り、過去最多だったことが10月16日、警察庁のまとめで分かった。

7万9025件だった2013年からの5年間では約10万件増加。

車対歩行者の死亡事故の7割が道路横断中に起きており、警察庁は対策を強化する。

大勢の外国人が来日する東京五輪・パラリンピックを来年に控え、横断歩道での歩行者優先を徹底する方針だ。

道交法は、車やバイクは、横断歩道を渡っていたり、渡ろうとしていたりする歩行者がいる場合は一時停止しなければならないと定めている。

日本自動車連盟(JAF)の8月の全国調査では、歩行者が渡ろうとしている信号機がない横断歩道での車の一時停止率は2割以下だった。

警察庁によると、交通取り締まりの主な違反を2013年から見ると、歩行者妨害は毎年増え、2016年に初めて10万件を突破、昨年は18万件を超えた。

今年も8月末現在で14万件に達し、年間では20万件を上回る可能性が高い。

一方で最高速度とシートベルトの違反は2013年の約200万件と約150万件からそれぞれ減少を続け、昨年までにほぼ半減している。

横断歩行者妨害に対する行政処分は反則金6千~1万2千円、点数2点。

事故を起こすなどして立件されると、罰則は3ヵ月以下の懲役か5万円以下の罰金。

昨年までの5年間で、車対歩行者の死亡事故は計6275件発生。

うち4559件(73%)が道路横断中だった。

また信号がない横断歩道での昨年の事故死傷者は4505人で、うち死者は前年より13人多い90人だった。

死傷者は5千人台だった2013年以降、4千人台半ばの高止まり状態で推移している。

警察庁は昨年10月、信号機のない横断歩道での死亡事故で、車の減速の不徹底が原因となっているケースが多いことから、全国の警察に、横断歩道での歩行者優先を徹底するための広報啓発の強化を指示。

今年秋の全国交通安全運動期間(9月21~30日)中は、各都道府県警で歩行者優先対策強化日を設定し、指導・取り締まりを展開した。


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