農林水産省が9月29日発表した2023年産米の8月末時点の検査結果は、高値で売買される1等米の比率が全国平均で68・9%となった。
検査が本格化する9月以降、比率は上昇する傾向があり、近年は最終的に 80%前後になることが多い。
ただ2923年産米は猛暑による高温障害が明らかになっており、低水準となる可能性が高い。
等級が下がり価格が安くなれば、コメ農家の打撃となる。
2022年産米の同時期は68・0%、2021年産米は76・1%、2020年産米は74・3%だった。
高温や少雨の影響を受けた地域の実績は、今回の8月末時点の検査結果にはあまり反映されていないという。
宮下農相は記者会見で、東北や北陸、北関東などで白く濁った粒の発生があり「1等米比率は例年より低くなる見込みとの報告を検査機関から受けている」と明らかにした。
2023年産の発表は今回が初めてで、今後ほぼ1ヵ月おきに公表する。
2022年産米は2023年3月31日時点で78・5%となっている。
今回の検査で2等以下とされた主な理由は、粒が白く濁るなど形質が53・1%と前年の同時期に比べて4・0ポイント上昇した。
高温障害による影響を受けたもようだ。
2等米比率が27・1%、3等米比率が3・4%、規格外が0・6%となった。
検査したコメの量は24万6300トンだった。
検査は農産物検査法に基づき、JAなど民間の登録検査機関が実施する。
1等米は成熟して見た目が整った粒の割合が70%以上で、形質なども評価する。
’高温障害はコメの粒が白く濁るなどの影響が出るため、等級が下がる傾向にあるという。
1等米は虫に食べられた粒や着色粒などの混入割合が15%までとも定められている。
今夏は観測史上最も暑かった。
収穫シーズンを前にした東北地方ではイネが枯れリンゴも変色し落下した。
海水温上昇で養殖魚が死んだ他、家畜も被害を受けており、涼しいはずの東北でも異変が起きている。
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