ひきこもりや介護、貧困といった複合的な課題を抱える家庭に対し、一括して相談に乗れるよう市区町村を財政面で支援する改正社会福祉法が、6月5日の参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。
親が80代、子どもが50代になり、親子で生活に困窮する「8050問題」などに対応する狙い。
2021年4月から施行する。
8050問題や、親の介護と育児を同時に担う「ダブルケア」では、分野ごとに相談窓ロが分かれているため、たらい回しや、情報が共有されず支援が途絶えてしまうケースが多い。
親が子どものひきこもりを周囲に隠し、介護サービスなどの利用をきっかけに初めて窮状が明らかになることもある。
改正法では市区町村が包括的な支援体制を構築できるような仕組みを創設し、新たな事業を行う場合には交付金を受け取れるようにする。
具体的な予算規模はこれから検討する。
新たな事業は、(1)属性や世代を問わずに相談を受け止め、多機関の協働やアウトリーチ(訪問支援)を実施、(2)制度のはざまにあるニーズに対応、(3)住民同士が交流できる場や居場所確保などの地域づくりを想定し、事業に取り組むかどうかは各自治体の判断に任される。
また課題を抱えた人や家庭に対し、状況を見守りながら、継続的にかかわる「伴走型」支援が重要だとしている。
すでに2016年度からモデル事業を実施し、2019年度は208自治体が取り組んだ。
厚生労働省は各自治体にひきこもりの人数や生活状況など実態調査を要請。
地域の身近な相談窓ロとして「まちの保健室」を設置した三重県名張市などの先進事例を踏まえ、今後、自治体向けのマニュアル策定や研修を通じて全国展開を図る方針。
国が金を出しても自治体が本気で取り組まないと、何も変わらないし、問題は解決しない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます