国の「先進医療」に指定された治療法や薬剤を利用した患者は、2014年7月~2015年6月の1年間で2万8153人、患者の負担は計約205億円だったことが、厚生労働省の集計で1月19日までに分かった。
いずれも過去最高を更新。
公的保険でカバーされない患者負担は平均約73万円に上り、重い心臓病の治療では400万円を超すケースもあった。
先進医療は、自由診療と保険診療を併用する「混合診療」の一つ。
厚労省は混合診療の拡大策として、患者の希望に基づき未承認薬などの使用を認める「患者申し出療養」という新制度を4月に始めるが、今回の集計結果からは、高額な負担を賄える患者は限られており、所得により受けられる医療に格差が生じる恐れもあるといえそうだ。
先進医療に関する治療費は全て患者の自己負担だが、付随する入院費などは保険が使える。
厚労省によると、1年間に実施された先進医療技術は108種類。
患者数は前年同時期に比べ4228人増。
先進医療分の自己負担総額は約174億円から約31億円増えた。
保険診療分も加えた医療費は計約295億円(約49億円増)だった。
自己負担が最も重いのは、重度の心臓病での「経カテーテル大動脈弁植え込み術」。
4人の患者が治療を受け、平均約477万円を負担した。
治療費(保険外)の合計額が最も多いのは、特殊な放射線をがん細胞に照射する「陽子線治療」で計約81億円(利用は3012人)だった。
次いで、同様の「重粒子線治療」が計約58億円(同1889人)。
重粒子線では自己負担が平均約309万円に上った。
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