認可保育施設の利用を巡り、保護者が育児休業を延長するために「落選狙い」であえて倍率の高い保育所への入所を申し込む例が広がっているとして、政府が対策を検討することが7月3日、分かった。
鳥取県や玉野市、大阪市など32自治体からの要望を受けた対応で、地方分権改革の重点事項の一つとして、年末までに結論を出す見通し。
賃金の50~67%が雇用保から支給される育休は原則的に子どもが1歳まで。
ただ、利用保育施設が見つからない場合に限っては最長2歳まで延長できる。
加藤厚生労働相は7月3日の記者会見で「条件に該当しない育休延長は不適切だ」と述べ、地方の要望に何らかの対応をする考えを示した。
大阪市などは、保護者が利用する気がないのに、わざと空きの少ない施設に申し込むことなどを問題視。
中には「内定を辞退して育休延長したい」という例や「入所できない保育施設を紹介してほしい」と、育休延長目的の保護者が露骨に求める例もあるという。
また、育休延長に必要な「入所保留通知書」を交付してもらう保護者の狙いについて「不必要な事務負担が増えるほか、待機児童対策など保育施策全体をゆがめる恐れがある」と大阪市などは主張。
その上で、保護者が保留通知書の交付を受けなくても、育休延長できるよう制度改正を求めている。
厚労省は、育休延長はあくまでも利用施設が見つからない場合の「緊急的なセーフティーネット」だとして、こうした利用申し込みや育休延長は不適切だと指摘している。
育休の延長はあくまでも例外的に認めているため、厚労省の担当者は「無条件での延長が可能になれば女性の就労にとって逆効果にもなり、雇用保険から給付金が出るため公平性にも関わる」と指摘。
地方要望をそのまま受け入れることは難しいとの見解だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます