文部科学省は7月17日、2022年度の新入生から順次実施する高校の次期学習指導要領の解説書を公表した。
公民の新設科目「公共」では、主権者として必要な資質を育成むため模擬選挙などの体験型授業を要請。
領土に関しては北方領土や竹島(島根県)、尖閣諸島(沖縄県)に対する日本政府の立場の正当性を教えるよう求め、消費者教育の重要性にも言及した。
日本史と世界史の縦割り改善に向け、双方の近現代史を統合した新設科目「歴史総合」では「中国の開港と日本の開国」など具体的なテーマを例示し、国内外の動向を有機的に結びつける力の育成を目標に掲げた。
解説書は生徒に教えなければならない学習内容などを定めた指導要領を詳しく説明するため、教員向けに作成したもので、指導や教科書作成の指針となる。
公共は18歳以上への選挙権年齢引き下げを受け、法や政治、経済に関わる幅広いテーマを扱う。
解説書では、政治や司法に参加することの意義を学ぶ手段として模擬裁判や模擬選挙が有効だと説いた。
消費者教育の一環として、法テラスや消費生活センターが提供している被害事例を学ぶことも考えられるとした。
「世論の形成に対する会員制交流サイト(SNS)の働き」や「人工知能(AI)が労働市場に及ぼす影響」なども内容に加えた。
現代社会の課題を学ぶため各種統計や新聞を教材に活用することも有用だとした。
北方領土と竹島で「未解決の問題が残されている」とし「わが国の立場が歴史的にも国際法上も正当で、平和的な手段による解決に向け努力している」と強調。
尖閣諸島は「解決すべき領有権の問題は存在していない」と説明し、いずれも日本政府の主張を理解させることが必要だとした。
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