経済産業省が電力各社の火力発電のうち、温室効果ガスの排出量が多い石炭火力の割合に上限を設ける方向で検討していることが9月21日、分かった。
火力発電の5割を軸に調整が進む見通しだ。
政府は2030年の温室効果ガスを2013年比で26%削減する目標を掲げる。
最大の排出源である電力業界に実効性の高い規制を掛け、削減目標の確実な達成につなげる。
経産省の有識者会議で議論し、2015年度内に省エネルギー法の省令や告示を改正する方針。
2016年度にも適用する。
大手では北海道、北陸、中国、四国、沖縄の各電力で、石炭火力の割合が既に5割を大きく超えている。
業界からの反発も予想され、議論が難航する可能性もある。
政府は2030年の電源構成比率で、日本の総発電量に占める石炭火力の割合を26%、液化天然ガス(LNG)火力は27%にする道筋を示した。
経産省はこれに沿い、電力各社が温室効果ガスの排出量が少ないLNG火力への転換を進めるよう求める。
効率が悪い老朽発電所の整理も促す。
2016年4月に電力小売りの全面自由化が始まると、大手電力と新規参入の電力会社との価格競争が激しくなる。
発電コストの安い小規模な石炭火力の乱立を防ぐ。石炭火力をめぐっては、環境省が宇部市と愛知県武豊町、千葉県袖ケ浦市の3ヵ所の建設に関し、環境影響評価(アセスメント)手続きで「是認できない」との意見を経産省に提出した。
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