京都大iPS細胞研究所長の山中教授が3月28日までに共同通信のインタビューに応じ「新型コロナウイルスの感染拡大が非常に心配。 iPS細胞も対策に貢献できると思う」と話した。
ウイルスの専門家らにIPS細胞からつくった人間の肺の細胞を提供し、感染実験を通じて性質解明や治療薬の開発に生かしてほしいとした。
現在の研究にはサルなど動物の細胞や実験用の人間のがん細胞を使っているが、山中教授は「やはり実際にウイルスが入り込む細胞を使うのが大切ではないか」と指摘。
細胞に入り、内部で増殖して外に出て行く仕組みのほか、軽症で済む人と重症化する人の違いを明らかにすることが可能になると推測した。
米サンフランシスコにも研究拠点を持つ山中教授は現地の混乱に危機感を募らせる一方、日本も「自粛疲れ」から感染爆発につながることも懸念。
「感染症の専門家ではないが、正しい情報を分かりやすく一般に発信したい」と、個人のウェブサイト「山中伸弥による新型コロナウイ支〈情報発信」を開設した。
研究所は4月で設立10年となる。
山中教授は「これまではiPS細胞の技術開発に必死だった。 次の10年はいろいろな患者さんから学び、実験室で症状を再現し、効く薬を調べていきたい」と表明。
父をウイルスによるC型肝炎で亡くしたことも引き合いに「感染症もターゲットだ」と決意を語った。
また、これまで注力してきた難病の治療研究に加え、免疫細胞を使つたがん治療の低コスト化や、一人一人違うアルツハイマ-病の症状に応じて薬を選ぶ教個別化医療など、患者の多い病気の解決にも取り組むとした。
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