日本は6月30日、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から脱退した。
商業捕鯨再開を目指して反捕鯨国と議論を重ねてきたが、こう着状態が続き、将来の展望を描けないと判断したためだ。
脱退に伴い、7月1日には日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内で、31年ぶりにIWCが認めていない商業捕鯨の再開に踏み切る。
商業捕鯨は、北海道釧路市や宮城県石巻市などを拠点に日帰りでミンククジラを中心に捕る小型捕鯨と、山口県下関市から出港し、沖合で数カ月間操業する母船式の2方式で実施。
母船式では十分な資源量が確認されているミンククジラやイワシクジラなどを捕獲する。
1987年から南極海で実施していた調査捕鯨は打ち切った。
一方、IWCの科学委員会に議決権のないオブザーバーとして参加し続け、資源管理に協力する方針だ。
日本が昨年12月にIWC脱退を表明して以降、環境保護団体の捕鯨妨害など、目立った抗議活動は見られない。
しかし、国際機関からの脱退を批判する声は国内外で根強く、日本は商業捕鯨の捕獲頭数を20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)閉幕まで伏せるなど、関係者は神経をとがらせている。
政府は将来的に操業海域の拡大も視野に入れ、資源状況を把握するための「目視調査」を南極海で継続する。
また、ノルウェーなど捕鯨推進国と連携を深めるほか、第2のIWCに相当する国際機関の新設も模索している。
ただ、賛同する国が現れて設立が実現するかは不透明な状況だ。
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