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「長酒店」を出て、長浜屋台に向かった。
博多は6回目だが、よく知らない。中洲と呼ばれる地域や川端とか天神とか、地名は知っているが、実はよく分からないのだ。
今回、赤坂という駅を初めて利用したが、駅の出口にこんな案内があった。
「長浜屋台下車駅」。
屋台といえば中洲だが、長浜屋台というのがあるのか。
スマホで場所を調べて、向かうことにした。
博多はアジアの風が吹いている。自由な雰囲気で、それが心地よい。バックパッカーの時のような感覚に陥ってしまう。
その場所に着くと3軒の屋台が店を開いていた。
並んでいる店、そうでない店と、その繁盛ぶりには濃淡があった。さて、どの店に入るか。敢えて「食べログ」など見ないようにして、直感を頼りに吟味した。
並んでいるお店は気になるが、いかんせん並ぶのが嫌いだ。ここは並ばない店を目指すか。そのうちの一軒は若いお兄さんが店を切り盛りしている。消えゆく屋台文化にあって、実に頼もしい。よし、この店に決めた。
お店は「明太中毒」という。
「いらっしゃい」。
そう挨拶した彼はイケメンだし、爽やかさがとても清々しい。これだけでもうなんだか得したような気になった。
さて、何飲むかなとメニューを見る。
おや? 博多の焼酎があるじゃないか。
華丸さんみたいな名前の麦焼酎。「博多の華」(500円)をロックでお願いした。
グラスは黒霧だが、中身はしっかり華丸さんである。
心地よい風が吹いている。やや風が強いのは来襲する台風の影響もあるのか。それでも外で酒を飲むのは実に心地よい。
アジアである。匂いも雰囲気もアジアである。
余計なものを取り外し、少しずつ自分がリラックスしていくのが分かる。風に吹かれながら焼酎を飲むのが、これほど楽しいとは。
さて、つまみは何にしようかな。
店名の通り、つまみにはずらりと明太子メニューが並ぶ。
明太子のアヒージョ。明太とろろ鍋、串焼き、明太だし巻き卵などなど。屋台だから、値段はそこそこするが、東京ではなかなかお目にかかれないメニューばかりだ。その中から、「明太アドカド焼き」(700円)をチョイスした。我が家はかみさんがアボカドアレルギーで、アボカドが食卓にあがることはない。普段食べられないものを存分にいただくのであれば、このメニューが筆頭だ。
ただ、このメニューは出てくるのに時間がかかった。よく見ると、炭火でじっくり焼いている。作戦的には失敗した。
だが、これもアジア時間。そんなこと気にしちゃいけないんだ。
焼酎をちびちび飲りながら、お店のイケメン兄さんと話しをした。
独立は屋台を選んだこと、屋台文化が好きなことを語ってくれる。うむ、立派な若者じゃないか。
彼はセックスピストルズのTシャツを着ていた。
「ピストルズ、好きなの?」と訊くと、「親父が好きだったので」という。アナーキーな親父さんだ。
お客さんは自分の隣に2人組の女性。彼女らはジモティっぽい。あとの2組は熟年の男女で、どうも他所からきた感じ。この2組は実に怪しかった。不倫旅行っぽいのだ。くわばらくわばら。
焼酎をおかわりしたタイミングで、アボカドも運ばれてきた。
これが実に旨かった。とろりとしたチーズと明太のハーモニーがアボカドの果肉と絶妙にマッチング。これまでわさび醤油しか知らないアボカドの新たな扉を開いてくれた。そしてまたこの洋風の料理が焼酎に合う、合う。
うまし! やるじゃん、「明太中毒」。
〆に福岡の屋台名物、「焼きラーメン」でもいただこうと思ったが、ちと待てよ。長浜っていったら、長浜ラーメンがあるじゃないか。
という訳で、これにてお会計。
いい屋台だった。次回来た時、また彼らの成長の姿を見たい。
頑張れよ、若人たち!
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