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居酒屋放浪記 0351 - 『鶴齢』と手作り『湯豆腐』最高の角打ち - 「丸辰有澤商店」(港区芝)

2010-06-29 15:42:30 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
Bザイのビルを出て東京タワーの方に向かった。
光を求める虫みたいに。
行き先は芝の角打ちスポット。セレスティンホテルを西に抜けると、急に閑静な住宅街が現れる。その変わり身の早さったら。
この辺りは薩摩藩邸だった場所で、その夜の闇を見ていると、タイムトンネルに入ってしまったような錯覚すら覚える。それほど闇が濃いのだ。
その間隙を縫って、ちらちらと東京タワーの灯りが見えたり隠れたり。
それはさながら幻想的でもある。

この地域に角打ちが2軒も密集しているという。
ひとつは「伊藤酒店」、そしてもうひとつが「丸辰有澤商店」だ。
道順など分からずに適当に歩いていると、1軒の角打ちを見つけた。
「伊藤酒店」と書いてある、その店は極めて入りづらい店だった。そのままスルーしてしまい、先を数分行くと、今度はいかにも!という小売り酒屋然とした店に出くわした。
「鶴齢」と染め抜かれた布が店頭にあることから、この店が「丸辰有澤酒店」であることは間違いなかった。
店の脇の狭い小路の奥には多くの人がわいわいやっているのが見える。

勝手がよく分からなかったが、まず店舗に足を踏み入れた。
他の客の見よう見まねで冷蔵庫からビールを取り出し、そこで会計してわたしは奥に進んだ。
するとやがて、お店のおばあさんが現れ、ビールの瓶ケースを積んだ即席のテーブルにお箸を置いていってくれた。

このスペースは店の在庫置き場を立ち飲みスペースに改良したもの。ここに大きなテーブルとテレビを据え付けただけの空間だ。
15人は収容できそうだが、すでに20人くらいの客がいて、満員になっているため、裏口に続く私道も開放されていた。ここにも急ごしらえのテーブルが3つほど設置され、10人ほどの客が思い思いに飲んでいる。
わたしも、そこに混ぜてもらい、ビールを空けた。

この店、つまみの内容が素晴らしい。
角打ち定番の乾きものばかりでなく、日替わりの手作りメニューがあるのだから恐れ入る。
わたしは「湯豆腐」を頂いたのだが、銀だらにほうれん草も入った本格的な「湯豆腐」にびっくり。これを見て、速攻日本酒に切り替えた。
「湯豆腐」に「日本酒」は外せない組み合わせだからである。

お酒は「鶴齢」のひやおろし。
1杯はコップに並々と注いでくれる。これで380円は本当に安い!
「鶴齢」だけでも3~5種類をお客に提供しており、しかも良心的な料金で飲むことができる。
その「鶴齢」のひやおろしと「湯豆腐」がなんとも言えずうまいことといったら。
まさか、角打ちで最高の酒と最高の肴で一杯やれるなんて。
これはそんじょそこらの居酒屋ではできないでしょ!

店の客はほとんどが常連さん。
皆が皆顔見知り。それもひいきの野球チームに色分けされている。
この日は外国人だけの客もいるなど、なかなかすごいメンバーが揃っていた。

だが、角打ちのお客さんは一見客に優しい。
わたしもすっかり仲間に入れて貰い、楽しいひとときを過ごした。

ちなみに手作りの「豚肉の味噌焼き」も最高だった。
角打ちでこれだけのものを出す店は前代未聞だ。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私もちょうど有澤初訪しました (NT)
2010-07-06 15:17:31
偶然ですが私も6/30に初訪しました。1人だったので、中央の常連さんテーブルに混ぜてもらい、手取り足取り教えていただきました(感謝!)。私は奥の冷蔵庫からビールを取ったので、あとで会計でしたが、手前の冷蔵後だと先に払うんですね。おかずは、ナスにそぼろあんのかかったもの、絶品で、同じく鶴齢を堪能した次第です。 
伊藤酒店もチャレンジしようと思っているのですが、敷居高そうだったでしょうか。あと、少し離れていますが三田の内田屋西山福之助商店もはしごしてみたいですね。 また近辺(というほどでないが)、神谷町の三河屋は遅くまでやっているのでよく行きます。つまみはそれほどではないですが、雪小町の純米酒が一杯200円でのめるすぐれものです。
返信する
ありがとうございます。 (熊猫刑事)
2010-07-06 22:25:39
NTさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

有澤さんの常連さんは一見にも優しいですよね。涙が出てきそうです。

>ナスにそぼろあんのかかったもの

おいしそうですね。
これだけ、本格的な一品ものを出す角打ちは聞いたことがありません。
素晴らしいです!

>伊藤酒店もチャレンジしようと思っているのですが、敷居高そうだったでしょうか。

そうですね。こういうのってファーストインプレッションで決まることよくあると思います。
どうしようかなって思ってるうちに店を通りすぎちゃって、戻りづらくなるとか。

伊藤酒店はそんなお店でした。
有澤さんで飲んだときもそんな話しになりましたが、「苦手」という方がけっこういました。理由は多くを語ってくれませんでしたが。
いずれ、行こうと思います。

>三田の内田屋西山福之助商店もはしごしてみたいですね。

当ブログでも2年前ほど訪問しました。
いい意味でアバウトなお店。手作りものもあって、お勧めです。

今でもたまに店の前を通りすぎますが、いつもタイミングが合わないんです。
また、ゆっくり訪問したいです。 

>神谷町の三河屋は遅くまでやっているのでよく行きます。

貴重な情報ありがとうございます。

都内の角打ちを制覇したいですね。
いつか、どこかでお会いできたら嬉しいです。

また、ブログにお立ちよりください。
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