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中華さすらひ 028 ^-^ 『半ナシ』 ^-^ 「幸楽」(台東区小島)

2020-05-16 15:24:47 | 中華さすらい

「居酒屋さすらい」では北千住の居酒屋、「幸楽」、そして今回の「中華さすらひ」も「幸楽」。決して狙った訳ではなく、単なる偶然である。

遅ればせながら、町中華探険隊の本を読んだ。その中で、ひとつだけ気になる店があった。新御徒町の「幸楽」という店。御徒町のキーワードもさることながら、最も気になったのが、「ナシゴレン」だ。え?町中華に「ナシゴレン」!初めてきくケースだった。

その「幸楽」、確かに最寄りは新御徒町だが、ほとんどもう浅草エリアといっていい。よく行くカレー屋、「ラホール」の更に向こう、1時間の昼休みでぎりぎりの距離かも。歩いてみると、会社から20分強かかった。

ものすごい建物だった。一体築何年の建物なのか。看板ははげていて、もはや意味をなしてない。まさに骨董ものの店舗である。カウンターとテーブル2の小さな店だった。お店のお母さんはもうかなりの高齢に見えるが、かくしゃくと働いている。カウンター奥にひとつだけ席が空いていた。

普段あまりラーメンは食べない。嫌いな訳ではなく、むしろ好きなのだが、近年のラーメンに見所がなく、食べるのをやめた。でも、今日は違う。昔ながらのうまいラーメンにありつけそうだ。

「『半ナシ』お願いします」。

お母さんに、そう告げた。

お母さんは、すぐさま厨房に、「『半ナシセット』ね」と声をかけた。厨房は、お父さんがやっているのか。ここからは見えない。

「半ナシ」とは、ラーメンと半ナシゴレンのセットである。つまり、半チャンならぬ、半ナシなのだ。ちなみにナシゴレンは、マレーシア、インドネシアの焼き飯。タイのカオパットは炒飯に似ているが、マレーシアに入ると、海老エキスの調味料がこれに加わる。いわゆるカピという調味料で、やや赤い。このため、ナシゴレンは赤っぽいのが特徴だ。隣の客も、そして後から入ってきた人も「半ナシ」を注文していた。

頭上のテレビは国会中継。立憲民主党幹事長の福山哲郎氏が厳しい口調で質問している。お母さんは、立ったまま、その様子を眺めていた。

やがて、「半ナシセット」が出来て、運んできたのは厨房のお父さんだった。ものすごく人の良さそうなお父さんで、思わずこっちもかしこまって、お礼を言った。

これが「半ナシ」か。昔ながらのラーメンに、やや赤いご飯のナシゴレンも実にうまそうだ。 ラーメンはスープがすっきりしていて本当においしい。ごてごてと余計なものがなく、好感が持てる。麺は喉越しのいいツルツル系。あまり食べたことのない食感だ。

さて、一方の「半ナシ」も抜群にうまかった。ただ、本場のナシゴレンを食べたのはもう20年以上も前、その後何回かインドネシア料理屋で食べたことがある程度で、ナシゴレン自体の味を忘れている。だから、ナシゴレンの評価をしようにも正直出来ない。「炒飯とは違うもの」として食べているのだが、でもうまいもんはうまい。

あっという間にお皿はきれいに。大満足である。

800円という値段は、単純に考えれば決して安くない。でも、もはやこれは伝統工芸と同じレベルではないかと思うのだ。ここでしか味わえない、巧みの技。

心配なのは、お父さんもお母さんもかなり高齢であること。いつお店をたたんでもおかしくないともいえる。これからはちょくちょく来てみようと思う。1時間の昼休憩をいっぱい使えば、ぎりぎり来られる。

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