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神宮球場の帰り道、ボクとUチーさんの足取りは重かった
勝敗の結果よりも、カープの先発投手に疑問が残った。
今井啓介。
いや、逆に言えば、そんな世にも珍しい試合を観た希少的価値はあるといえる。
けれども、よりによってこんなときに今井投手なんて。
シーズン前の下馬評とはまったく違う不甲斐ない戦いのカープに、ボクらはため息をつきながら、新宿駅を降りた。
どこに行こうかという段になって、ボクらはしょんべん横丁の「岐阜屋」に向かったが、店は満員で、仕方なくUチーさんの知ってる店に行くことにした。
新宿大ガードの交差点を超えてすぐ。「菜香菜」という店である。
「一番搾り」は生と瓶が用意されており、それぞれ390円と410円。ちなみに瓶ビールは中瓶である。
生ビールの値段だけ見ても、随分頑張っているという印象を受けた。「岐阜屋」の場合、瓶ビール中瓶は400円。ほぼ互角に戦っている。
ただ、「岐阜屋」にはホッピーがある。「菜香菜」にはない。
しかし、一方では「岐阜屋」にはなくて、「菜香菜」にあるものがある。
それは、「紹興酒」。
5年ものがボトルで980円とは、かなり競争力のある価格設定だ。
中華街に行けば、ほぼ同じものでも1,500円はとられる。
Uチーさんは、生ビール。ボクはその5年ものの「紹興酒」を頼んだ。
ずらりと並んだ料理をつぶさに観察すると、どうやらお店は四川の店のようだ。
とりわけ「ハチノス」があるのがいい。
これだけで、十分酒が飲める。
言うまでもなく、「岐阜屋」は町中華である。一方、この「菜香菜」はあえていえば、ネオ中華か。
揃えてある料理が違うが、値段的に法外というものでもない。
例えば、「肉野菜いため」を例に挙げると、「岐阜屋」は500円。「菜香菜」は600円。
ボリューム的には「菜香菜」の方が多い。
いや、前菜というか、つまみとしての小吃は、むしろ「菜香菜」に軍配があがるかも。
「焼き餃子」は「菜香菜」が5個、280円に対し、「岐阜屋」は同じ個数で350円。
この勝負は「菜香菜」が圧倒した。
「ハチノスと牛肉のピリ辛あえ」をいただいた。これが絶品だった。中華ならではの味付けで、例えば、浅草ホッピー通りの「鈴よし」のそれよりも味が深い。
思わず、どんどん紹興酒が進む。進む。
例えば、「腸詰め」(380円)。さすがに、「麗郷」レベルではないにしろ、酒のお供には十分すぎる。
この店、恐るべしであった。
「岐阜屋」は、あの雰囲気で飲むのが、またいい。それに比べて、「菜香菜」はいかにも中華屋さんだ。それでも、「菜香菜」の店内はサラリーマンらでにぎわっている。
雰囲気はさておき、新宿で中華酒を選ぶなら、「菜香菜」も、十分候補の一角だと思う。
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