撮影のために、あるクルマを借りたくて、わざわざNポンレンタカーの東村山店に行った。だが、事前に聞いていた情報と違っていて、結局無駄足になった。時間もコストもかけて行ったのに。冷たい雨がやけに身に沁みた朝だった。
仕方ない。会社に戻るか。元来た道を引き返し、東村山の駅に着くと、駅の構内に蕎麦屋があった。
「秩父そば」。
西武グループの西武レクリエーション㈱が運営する駅そばだ。
「蕎麦でも食べて、元気だすか」。
ボクは、そう思い、店内に入った。食券の自販機を前にして、ほぼ条件反射的に「コロッケそば」(380円)のボタンを押していた。
ボクは「コロッケそば」が好きだ。蕎麦のつゆに、コロッケの衣の脂が溶け出し、やがてコロッケをかぶりつくと、コロッケの餡もつゆに流出していく。それが旨味に繋がるのだ。漫画家で、「富士そば」ファンの東海林さだお氏は、その様を「もろもろになる」と表現する。まさに言い得て妙。それが抜群に旨いのだ。
さて、「秩父そば」の実力とはいかに。
つゆはかなり甘い。多分、首都圏を走る路線の駅蕎麦チェーンで、最も甘いつゆではないだろうか。蕎麦は当然ながら、ゆでおき。全体的には高い評価には、なりにくい。しかも、数日前に横浜で食べた『コロッケそば』にはない、ほうれん草がトッピングされている。しかも、冬の雨が冷たく降りしきる中、気持ち的にダメージを受けた中年の心を温めるには、充分の蕎麦だった。
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