立ち食い寿司をこの欄に記載するべきか、悩んだ。
立ち食いは、その名が示す通り、食べることを主たる目的にしており、居酒屋ではない。したがって、居酒屋をさすらう、このブログの趣旨とは違うからである。
だが、ちょっと待て。寿司屋は立ち食いの意味が違うのではないかと考えた。
立ち食いの最たる例としては、蕎麦がある。この立ち食い蕎麦は、完全に「食べ」がメインだ。お昼の忙しいときに駅の近くにある立ち食い蕎麦でささっと済ます。それが立ち食い蕎麦の本来の趣旨だ。
だが、寿司になるとちょっと違う。そこに若干のアルコールの欲求が生まれる。昼時に立ち食い蕎麦屋でビールを飲まれると迷惑だが、立ち食い寿司屋ではまだ許されるような気もする。それは酒飲みの勝手な言い分かもしれない。
立ち食い寿司屋が近年増えてきていると感じる。
アキバには電気街、昭和通りともに1店ずつあるし、上野にもある。そうそう神田の西口商店街の店は相当歴史が古いと聞いた。そもそも、寿司もファストフードであるから、立ち食いにはもってこいの食べ物である。
「麗郷」を出た我々、ホッピー研究会一行は、「麗郷」の目の前にある「魚がし日本一」の立ち食いに迷わず入った。「え?まだ食べるの?」と賢明なる読者の皆様は思われるかもしれない。そう、まだ食べるのである。
だが、ボクの記憶はここでぷっつりと途絶える。
寿司をすまみながら、ビールを飲んだかもしれないし、もしかすると日本酒の冷やをあおったかのかもしれない。どの程度飲んで、食べたのか。そして、この店にどの程度いたのか。どのようなネタを食べたのか。店の内装はどうだったのか。怪鳥とどのような会話をしたのか。そもそも自分が呂律も回らずに、まともに話ができたのか。全く記憶がない。
最近、酒がどんどん弱くなっている。もともと、強い方でもないが、一段と弱くなり、記憶をなくす。以前のようには飲めないのである。
だが、これも居酒屋さすらいなのである。いや、むしろこの記憶の残像が何もないところこそが、居酒屋さすらいなのだと思う。
昨今のグルメ系ブログで、画像をばしばしと撮るものとは一緒にされたくない。さすらいとは、もうその瞬間に己もその意識もない。それは一瞬のうちにその事象や思いは過去のものとなる諸行無常なのである。したがって、それはすぐに忘却の彼方へと旅立っていく。さすらいにはそうした運命がある。
だが、この日のボクは忘却したものがもうひとつあった。
渋谷から十条まで出て、自宅に帰る道すがら、ボクはダッフルコートをなくした。どこかに置き忘れたのか。それとも落としてしまったのか。コートの中には携帯電話があり、それも失った。
居酒屋さすらいはそういう代償のもとに成立している。
というわけで、全く「魚がし日本一 立ち喰い寿司」については、何も書けない。だから、その情報を求めて、この記事にアクセスしてきた人には本当に申し訳なく思う。
じゃ、何のために記事にしたのかと問うだろう。
それは、ボクの収集癖に拠るところが大きい。世界の立ち飲みを全てコンプリートしたいという収集癖である。
ちなみに、ボクがなくしたダッフルコートと携帯電話はその2日後にボクの手元に戻ってきた。
心優しい人が警察に届けてくれた。しかも、お礼を求めず、拾得者は名前などを非公開とされた。
改めてこの場を借りてお礼を申し上げる。
そして、翌日怪鳥の会社に電話をするなど、怪鳥にも迷惑をかけたこと、改めて会長にお詫びを申し上げる。
電話帰ってきて良かったね。このへんはさすが日本だなあ。
そうそう、確かにそうだった。飲んだね。
高いネタ?
渋谷で鮨っていうだけで、けっこう怖いよね。
でも、麗郷も居酒屋じゃないぞ~。
秋葉原店や神楽坂店も行ってみたけどサワー半額は渋谷のここだけでした。
忘れていても書くよ。
基本はお酒日記だね。
190円の酎ハイはここだけか。
怪鳥のコメントが、この記事の中で最大にバリューなニュースになったよ。
規模的にも場所的にも自分はここばかり行ってます。コハダがもうちょっと良いといいのだが、ぜいたくは言えない価格だからな~。
他店はまたリサーチしましょう。
緑茶ハイ以外は、寿司には合わないから微妙なんだよなぁ。