神田和泉町には喫茶店の名店が少なくない。
駅を挟んだ電気街口には、メイドやJKのカルチャー的要素の強い喫茶店が軒を連ねており、その反動かどうかは分からないが、アキバの東側はしっとりとした純喫茶がゆったりとした時間を提供している。
「coffee koppel」もそのうちのひとつ。
こじんまりとした店舗。店のドアを開けると、カランカランと心地よいカウベルのような鈴がなり、迎えてくれる。
テーブル席は4つ。カウンター席も4つか5つ。あぁ、この規模が喫茶店にはちょうどいい。
ボクは武道館よりも断然ライブハウス派だ。
「居酒屋さすらい」は1回の訪問でもガシガシと記事を書くが、「喫茶さすらい」は極力店を何回か訪問することに務めている。もちろん、地方の喫茶店には何回も通えないけど、近所だったら、ふらっと行けるから。
初めて 「coffee koppel」を訪れたとき、ボクはカウンターに座ったんだけれど、まずは店に流れているゆっくりとした時間にボクは唸った。
喫茶店の醍醐味って、この時間に抱かれる安心感なんだろうなって思う。
サイフォンの音とそこから漏れてくる薫り。
BGMは、アナログ盤のクロスオーバー。これだけで温かい気持ちになった。
でも、何よりもいいのは、お店のマスターの立ち居振る舞い。喫茶店のマスターとしては完璧なんじゃないかしら。
一言で言えば余裕。いや、大人の嗜みを熟知した安定感ともいえるだろう。
この3つの要素が絡んで、お店には特別なまったり時間が流れている。
カウンターに 座ったボクはブレンドコーヒーとサンドウィッチをお願いした。
すると、マスターは、パンをオーブントースターに入れた。サンドウィッチのパンを焼いてるのだ。その後おやじさんは手際よく、パンにバターをすりつけていく。ハムと野菜を入れる手つきも完璧。ちょうどサイフォンからコーヒーが出来上がったタイミングで、わたしの手元にはコーヒーとサンドウィッチが同時に出てきた。魔法のようである。
カリカリのサンドウィッチ。まるでホットサンドみたいだけど。
フレッシュな野菜が挟まれており、明らかに違う。
おいしい。
次にお店にうかがった際は、手作りケーキをいただいた。
「ベイクドチーズケーキ」。
アプリコットのソースがアクセント。
しっとりとして、おいしく、甘くないのがうれしい。
これはお店の奥さまのお手製かしら。
そして、サイフォンで淹れたブレンドコーヒー。
落ち着くひととき。
タブレットを片手に、わいわいと仕事をするシリコンバレーの米国人が集うサードウェーブのカフェにも魅力を感じるけれど、喫茶店はやはり仕事を忘れて落ち着きたい。
音楽と空間、そしておいしいコーヒーとその仲間たち。そして安らぎを作るマスターに癒されたい。
その要素がこの店には溢れている。
とても行ってみたい気持ちになりました。
お近くに、お越しの際は声をかけてください。
「koppel」の近くには、「Damiano」という、可愛い猫ちゃんがいるカフェもあります。
こちらのサンドウィッチもおいしいです。