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居酒屋さすらい 0635 - おつまみはないけれど、R&Bならある - 「TACHINOMI-BAR 丸金」(港区新橋)

2013-04-19 14:27:43 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
品川に行く時間には、まだ早かった。

「Borracho」を出てしばし新橋を散策することに。この街は歩く度に新しい発見がある。
烏森から西へワンブロック。実はこのエリアはあまり来ない。半年ほど前に「駿」を訪問したくらいだ。

だが、わたしが知らないだけでこのエリアも立ち飲み天国だった。歩く度に知らないお店がたくさん見つかる。碁盤のような目のこのブロックをくまなく歩き、新たに4軒の立ち飲み屋を発見した。

このブロックは確実に烏森とは雰囲気が違う。店が多種多様なのである。割烹もあればイタリアンもあるし、カジュアルなフレンチもあったりする。もちろん、ホルモンもあれば、こきたない居酒屋もある。人通りはやや少ないが、烏森よりは落ち着いている。コンビニ業界では、一本道を隔てると商圏が変わるというが、この烏森とこのエリアも道を隔てて雰囲気は一変した。
しばらく、ここに通いそうだなと思った。

新しく発見した4軒の立ち飲みのうち、一番北にある「TACHINOMI‐BAR 丸金」という店に入ってみることにした。小さなBAR。浮かれた雰囲気などなく、落ち着き払った外観である。
さっきまでいた「Borracho」もそうだが、新橋の立ち飲みも南へ行くほど、オヤジ度は薄まっていく。何故だろうか。

マッカーサー道路が関係しているのではないかと感じた。烏森を横断するこの新しい道路のせいで、最近この界隈にホテルサンルートが建った。その影響からか、急激にこの界隈の雰囲気が変わったように思う。

さて「丸金」である。
中に入ると、とてつもなく狭い。10人は入れないだろう。週末の給料日だが、お客は自分の他、誰もいない。わたしはカウンターの向こうにいる男に「ギネス」ワンパイント(900円)を頼んだ。
男はニコリともせずにそれに応じた。店の男たちと相対するのもなんとなく気持ちが落ち着かないので、店の端で「ギネス」が出てくるのを待った。
階段がある。
どうやら2階もあるらしい。

BGMはドナルドフェイゲンだった。
酒を置く棚のシングルモルトの横にi-podが置かれ、小さなスピーカーからAORが流れている。酒はそのシングルモルトが中心に見慣れないラベルが並ぶ。カクテルも作ってくれるのか。ウオツカ、テキーラも当たり前のように鎮座する。

「ギネス」。その注ぎ方の上手なこと。これは嬉しい。
おつまみが欲しくてメニューを探したが見つからない。店の男に「つまみは何があるか」と聞くと、「ウチはつまみがない」という答えが返ってきた。
「FOODがない店か。こんなの初めてだ」と思った。

ドナルド・フェイゲンが終わると、メリサ・モーガンが静かに流れ始めた。
渋い選曲だ。これならおつまみなど要らないかもしれない。

「ギネス」をゴクリと飲る。おいしい。漆黒のビロードが体内に落ちていく。ダブリンの音楽でなくとも、ギネスの麦汁は喜びを抑えられないらしい。タンブラーの細かい泡がぱちぱちといっている。そうすると、腰につんざくようなホーンセクションとともにルーサー・ヴァンドロスがパワフルにお腹の奥を振動させる。

いいじゃない。この雰囲気。
演歌の似合う烏森に、ここはAORとR&Bが鳴り響く。
 
おつまみがなくても、このご機嫌な音楽こそが最高のおつまみだ。
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2 コメント

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音楽ネタ (今p)
2013-04-20 10:04:36
洋楽ネタ初じゃない!? んなことない?(笑
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Unknown (熊猫)
2013-04-20 21:16:48
洋楽がかかるお店に行ってないんだよ。だから、初かも。
今p、福知山でも音楽やってるの?
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