北京ダックなんて、そうそう食べられるものではない。48年生きてきてただの1度だけ。もう随分前に確か、横浜中華街で。
ダックの丸焼きをねぎとともに皮で包み、特性の醤をつけて食べる。しかも皮と中の肉を別々にして。一体、誰がこんな贅沢な食べ方を考えついたのか。市井の庶民ではあるまい。
「全聚得」。
本場北京でも有名店らしい。この上海でも3店舗を展開する。更に言えば銀座にも店舗があるようだ。
だって、ダック丸焼きの登場はコックさんがわざわざ部屋に来て、その場で丸焼きを解体する。これはなかなか見られるものではない。
ビールは「青島」。
しかし、日本で馴染みのあるボトルではない。「純生」と書かれた見慣れないパッケージ。色が薄く、味わいはライトビール。アルコール度数を見ると僅か3%台である。一応、ボトルは冷えていた。
前菜をビールでしのぎ、本丸北京ダックは「紹興酒」で。
「古越龍山」の8年もの。厳かな壺風のボトルで登場した。実は昨夜が5年ものを飲んだので、そのうま差は歴然。アルコールの角がとれてまろやかそのもの。
そこを本丸に攻めこむ。
薄皮をとり、ダックの皮と肉を載せ、ねぎをあえて皮を包む。特性醤をつけてがぶり。言葉では言い表すことなど到底無理。何にも似てないし、唯一無二。うまいなどとありきたりの言葉では畏れ多くて語れない。やはり中華最強。
他にも沢山の料理が出てきたが、これだけで充分。威風堂々。中華の皇帝ともいえる北京ダックを上海でいただいた。
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