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居酒屋さすらい 0625 - 美味創造 - 「鶏とり卵 はし田屋」(渋谷区渋谷)

2013-03-15 13:29:08 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
北区に移り住み、埼京線を使うことになったことで、埼京線の渋谷駅がやたらと遠いことに気がついた。恵比寿と渋谷の間くらいの距離である。
その埼京線渋谷駅側を降りてみてびっくりした。住所は渋谷区渋谷であるのだが、我々が知っている渋谷の喧騒はなく、ともすれば普通の地方都市のように見える。
工事ランプが灯り、行き交うクルマの数が少ない。
4月も終わりだが、吹き付ける風はやたらと寒く、どこかで早く食事をしたい気分だった。

だが、適当な店が見当たらない。
渋谷なのに。
明治通りを何ども行き来して、やっと見つけたのが、「はし田屋」だった。だが、このやっと見つけた店が超当たりの店だったのである。
まず、店構えからして只者ではない雰囲気を醸していた。
黒木の古民家造りは、「いかにも」という威厳を湛えていた。店内も落ち着いた雰囲気で心地よい空気が溢れ、わたしたちは、その落ち着いたカウンターに座って、心を落ち着けた。

お店の比較などしたくないが、同じ地鶏の店なので、どうしても比べてしまう。
約1か月前に訪問した品川の「地鶏や」。
まず、落ち着くか否かが、両店の違いを浮き彫りにしている。もっとも、「地鶏や」は品川プリンスホテルの一角にあるので、気忙しさがあるのだが、それを差し引いても、この天と地ほどの開きはいったいどうしたものかと感じてしまう。

「はし田屋」の落ち着き。
それは、素材の確かさであろう。
鶏の種類は3種類。
讃岐コーチン、比内地鶏、、そしてこの本店だけ、名古屋コーチンを使うという。この他、千葉産の赤鶏という銘柄も使われている。
この地鶏の充実ぶりはすばらしい。

生ビールと「比内地鶏生つくね石焼き」(1200円)を頼んだ。
そして、「セロリのラー油づけ」(380円)。

地鶏。さすが。
すばらしい瑞々しさと素晴らしい歯ごたえ。石焼だからなのか、それこそ薫りが違う。こんなつくね、食べたことがない。少し粗挽きの軟骨が少し混じったつくね。
最高だ。

惜しむらくはビールのチョイスか。
サントリーのプレモルを出しているのだが、プレモルのホップでは薫りが強すぎて、せっかくの食材の持つ薫りを消してしまっているような気がする。
雑味がないビールという点ではプレミアム系が最適だが、ここは他銘柄のものを出すのが得策であると感じる。

せっかくだから炭火焼も頼んだ。
「せせり」「もも」「手羽」。
これもこんがりとしたさすがの焼き具合で、最高のものを堪能した気がする。
もちろん、居酒屋の焼き鳥もいいが、こうしたトップエンド的な焼き鳥もたまには味わってみるのがいい。その驚く程の弾力にまず驚かされる。

ビールをやめて、ぬる燗にした。お酒の銘柄は失念。温かみのあるお酒が口をふんわりと適度に鶏と炭の薫りを含ませてくれる。

厨房のスタッフの動きも素晴らしかった。
無駄のない動き。いいものをお客に出したいという気持ちがひしひしと伝わってくる。
かといって、ストイックというわけでもなく、時折、わたしたちに話しかけてくる。

最後に「筍焼き」を頼んだ。
ホクホクの旬。炭と筍の薫りが鼻腔に届いては、晩春の風景をわたしたちに映し出す。
まさに美味創造。

彼らの仕事ぶり見ていると、食が芸術に見えてくる。
お酒と食事がこれほどまでにイマジネーションを膨らませてくれるのかと。

同店のもうひとつのウリは「親子丼」らしい。
超人気ランチ。

今度は、それもひとつ堪能してみようと思う。


※お店の画像は同店のHPより拝借しました。
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