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何年も遠ざかっていた「カレーの市民 アルバ」に連チャン訪問。本当は「ホームランカレー」狙いだったが日和ってしまい、「チキンカツカレー」(800円)。
チキンカツは、ちょっと淡白だから、ツーベースくらいか。でも、余裕のツーベースということで、スタンディングダブルかなと。
「アルバ」のカレーソースは、一見オーソドックスだがうまい。多層的に味わいが広がるハーモニータイプではなく、ガツンと力でねじ伏せる感じ。それでもクセになるんだよなぁ。
カウンター席の右端の方で食べている男が、いきなり声を大きく、「カツ、薄っぺらいけど、いつもこうなの?」と厨房に向かって叫んだ。どうやら初めて、「アルバ」を訪れたらしい。厨房にいる、女性は、「すみません」と答えた。多分、女性はいちゃもんをつけられたと思ったのだろう。男の「カツカレー」を検証することはなかった。無理もない、男の声には怒気があり、威勢がよかったから、大抵びびりそう。だが、数分してから男は、もう一度、同じ声の調子で尋ねた。
「カツ、薄っぺらいけど、いつもこうなの?」。多分男は、デフォルトのカツの厚さを知りたかったのだろう。たまたま、自分のカツだけが、薄かったのではたまらない。
またもや、女性が、「すみません」と謝った。いや、そう言ってしまうと、「カツが薄い」のを認めてしまうことになる。男の皿を見て、検証しなければならない。もし、いつもよりもカツが薄ければ、謝らなくてはならないが、いつも通りなら、「当店の通常の厚さです」で済む。
「いや、いつもこうなら仕方ないけどさ。調理しているお兄さんは何も言わないし」。
そう言って、男は会計をして、店を出て行った。
その男のカツが本当に薄かったのかは、自分の位置からは見えなかった。けれど、自分が食べている「チキンカツ」のカツは、厚くもなければ、薄くもなかった。ただし、男は、この「アルバ」のカツに、がっかりしていたのは確かだった。思ったことをストレートにぶつけられるのは羨ましいと感じたが、それにしても聞き方が悪い。若い店員は、すっかり萎縮してしまった。
ご飯がおいしくなくなるから、揉め事は勘弁ね。次こそ、ホームラン?いや、スリーベースにしとくか。それとも、もうひとつの金沢カレーに?